山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

北極圏の犬ぞり遠征をライフワークにしている山崎 哲秀のブログです。北極圏を犬ぞりで遠征し環境調査を行うアバンナットプロジェクトに取り組んでいます。このブログでは、遠征前は日本での準備や生活の様子、遠征中は、北極圏の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

1217日(水)

 1217日にロイターから配信された、温暖化の記事が目に付いた。その文を → http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081217-00000801-reu-int 

よりそのまま抜粋すると下記の通り。

 

世界気象機関(WMO)は16日、北極地域周辺の氷の量が観測史上最小の規模に縮小したと発表した。また、2008年の世界の平均気温は14.3度と21世紀に入って最も低かったものの、温暖化の傾向は変わらないとしている。

WMOのミシェル・ジャロー事務局長は「北極地域で起きていることは地球温暖化の重要な指標の1つ。全体の傾向は依然として上昇だ」と述べた。

ジャロー事務局長が記者会見で発表した報告書では、北極海の氷はことしの夏、衛星観測を開始した1979年以降で2番目に小さい面積になった。 

さらに報告書は「氷は2008年にさらに薄くなったので、全体的な氷の量は過去のどの年よりも少ない」と指摘。北極海の氷は30年来の縮小傾向に拍車がかかっているとしている。

という記事だ。夏に北極海の氷が融けているから温暖化?なのか、2008年の世界の平均気温は21世紀に入って最も低かった、にもかかわらず温暖化?なのか、このあたりのこの温暖に対しては、どういう捉え方をすればいいのだろう・・・??北極海の氷を引き合いに出せば、確かに分かりやすく見えるけれど、最近どうも頭の中で整理できないでいる。

写真:今日のワンコは「リク」です。産まれた時から育てた犬で、今シーズンはもう一回り体格がよくなった。いまや立派な橇曳き犬です。

20081217

20081216

1216日(火)

 どうもこの数日、喉がイガイガするなと思ってたら、ひどくはないけど風邪みたいだ。極地では外部との接触がないと、まず風邪はひかない。南極観測隊に参加した時もそうだったけど、越冬中の1年と数ヶ月は外部との接触がないから、風邪をひく隊員はいなかった。無菌状態に保たれるからだろう。ここ北極レゾリュートは定期便があり、外部との接触があるからなあ・・・。いま宿泊している施設の中で、何人かゴホゴホと咳をしているから、どうもうつされたみたいだ。今朝の外は雪が降っていて、視界も悪いのでのんびりすることに。一日中雪が続いた。

午後になって町役場に、子犬たちにジステンバーの予防接種をしてくれるように、催促をしに行ってきた。1週間以上も前からお願いしているのだけど、なんの音沙汰もなく。返事は「クリスマスのあとに必ずするから」とのこと。まったく・・。仕方ないか。

写真:今日はラッシの登場です。現在は産休中。産後しばらくは痩せていて心配したけど、ここにきて肉付きが良くなってきた。ちゃんと子育てやってます。

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1213日(土)

 細かい雪がパラパラと降る、静かな一日。観測課題や犬橇トレーニング、犬の世話などと、同じ毎日があっという間に過ぎていく。

そうそう、昨日から暖かいので(といってもマイナス2025℃くらい)、子犬たちを母犬のラッシと一緒に外に出してあげた。雪の家(かまくら)で寝ている。そろそろ外に慣らしていかないと。天気が悪いときは中に入れてやったりして、しばらく様子をみることにする。一週間ほど前から、子犬たちはお湯でふやかしたドックフードを食べるようになり、足取りもしっかりとしてきた。スクスクと成長する姿を見るのは楽しく嬉しい。昨夜は心配で、夜中に何度も様子を見に行った。

写真:(左)母犬と歩き回る子犬たち。(右)今日のわんこは「シルバー」。仲のよかった相棒のシロは、夏の間にいなくなってしまったけどこちらは元気です。シャイな性格だけど体格がよく、馬力のあるベテラン犬。

20081211 1211日(木)

 質問が届きました!今日の質問は大阪市のぺンネーム、桃太郎さんからです。けっこうたくさんあるな(笑)。

Q:(その1犬たちは寝る時も、外で寝るんですよね?

(その2)

哲さんが今、居住してる所から犬たちが繋がれている所まで、距離はどれくらいあるんですか? 餌をやりに行くまでに、白クマと出くわすかもとか、町の灯りが頼りとか・・・なんか、想像がつかないので。

(その3)

毛皮から化繊タイプの防寒着に移行するとのことですが、それは、日本など先進国むけのアピールなんですか? 現地の方でも、変わりつつあるんですか?「毛皮と化繊」防寒としてどちらもひけをとらないんですか(同じなんですか)?私、個人としたら毛皮がいいんでないかと。作るところは、見たくないですけど・・・。

  

ご、ごもっともな質問です。極地でのことが当たり前になっていて、なにげなくブログにも書いてしまってます。こんな感じでどんどん質問してくれたら嬉しいです。

ではQその1から・・

A:(その1)犬たちは基本的に外で寝ます。マイナス30℃、40℃・・といった気候の中でも生き延びるほど彼らの極地の気候への順応力は凄いです。ただ、それにも当然条件があって、第一に餌をしっかり与えること。それはどこでも同じですよね(食べさせ過ぎはよくないけど)。でも産休の雌犬や子犬、また体調を崩している犬たちに関しては、なるべく暖かい場所へ移すなどケアをしています。

(その2)

おそらく700800mくらいの距離だと思います。たったそれくらいの距離で迷うの?と驚かれるかもしれないですが、強烈なブリザードで地吹雪になると(さらにそれに降雪が加わると)、「一寸先も闇」状態で、1m先も見えなくなることがあるんですよね。「ホワイトアウト」という言い方をしますが、目の前に霧がかかったように真っ白で、地に足がつかないような状態になるんです。そういう悪天候の時の行動は、いくら近い場所でも要注意です。

白熊に関してはレゾリュートでも、ほんとに人家まで来ることがあるそうですよ。犬たちを繋いでいるところは、海岸に近い、辺りには人家も無い場所なので・・。やっぱり不気味です。

(その3)

特にアピールと考えているわけではないんですが、例えばズボン用の白熊の毛皮にしても、手に入りにくくなってきている理由もあります。現地のイヌイットの猟師たちは、今でも自分たちで獲った獲物の毛皮を自分たちの生活での防寒着として使用していて、今後も利用していく権利は当然あると思いますが、そのイヌイットの人たちさえも、動物保護という観点からも、狩猟制限で抑えられてきているような時代ですから、僕のように外から入る人間が、獲物を好きなように獲っていいという権利はやはりないように思いますし、世情にも配慮していかなければ、と思っています。5年後、10年後と先を見たときに、今後も毛皮を使える見通しが分からないので・・・。化繊の防寒着については、毛皮にも充分に対抗できるものが出来ると思います。間もなく特注品が届く予定ですので、またブログでも紹介しますね。

写真:今日は「クロ」の紹介です。前回のクガッと同様に長老。走るのも号令の聞き分けも、凄くうまいです。ケンカを好まない、おとなしい犬です

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1210日(水)

 レゾリュートに来て、一番いい天気!満月が近い。天空を月が一周。辺りを照らし出してくれる。明るいとやっぱり安心感があるね!!

写真:(上)犬橇トレーニングにて。海氷の沖合いからレゾリュートの町を望む。(下)今日のわんこは「クガッ」。チームの中でも長老に入る。何年も長く走っているだけあって、さすがに走りが安定してるなあ。

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129日(火)

 白熊に出くわしたこともあり、昨日は様子を見ることにして装備の手直しをしたりして過ごした。イヌイットの話では、町の近辺で見かけたとか・・。犬たちの世話に出かける時もピリピリとしてしまう。

今日はトレーニングに出る予定だったが、今朝起きたとき良かった天気が崩れだして、次第に視界の利かない吹雪となった。午後3時を過ぎて強風の中、犬たちに餌をやりに出た。町の灯りが明るいから戻れるものの、灯りがなければ方向を見失うだろうな。過去に日本の南極観測隊でも、まだ移動手段に犬橇が使われていた昔、ブリザードの中を犬の世話に出かけて方向を見失い、隊員が遭難死しするという事故があった。その状況が想像できる。気をつけなければ・・。

マイペース、マイペース!

写真:今日の登場は「キナリ」。チームのリーダー犬。今回もいい感じでトップを走ってる。頼むよ~!

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127日(日)

 今日は4頭の犬たちを連れてトレーニング。順調に走っていると思いきや、犬たちが何か匂いを嗅ぎつけて方向転換、いやな予感がしたが的中。暗がかりに何か大きな物体。白熊だ。風上にいた白熊は、最初は気づいていなかったみたいだが、犬たちに気づいたら突進してきた。4頭の犬たちもグリーンランドの狩猟犬だ。白熊に立ち向かっていった。慌ててライフルを取り出して、空に向かってまず一発威嚇。保護があるから撃てないのだ。橇とを繋ぐ曳き綱ぶんの78mしか離れていないところで絡み合っている。犬たちと白熊が離れたのを確認して、空砲をもう一発上空に向けて放つ。白熊がおしりを向けて逃げていってくれた。犬たちが手強かったのか、ライフルの威嚇で逃げてくれたのか・・・。

この人里エリアに白熊がゆうゆうと歩いているのはどうかと思う。温暖で餌が獲れないから町のゴミをあさりに来る、という記事を以前に読んだ記憶があるが(記憶違いだったらすみません)、これは環境問題以前の問題だと思う。野生の白熊は人間を襲うことがあるのだ。人が町の道を歩いていて食べられてしまった、という事件も何度か聞いたことがある。今日出会ったのはレゾリュートの町から湾を挟んだ数キロ向こうの岬部に人家がある、ふだんでも凍った海氷上に人の行き来もある場所だ。町なかといってもいい。人里エリアでウロウロしている白熊に対しては、もっと明確に対処していくべきだと思う。

何事もなければ「白熊に会った!」と話のネタにはなるけれど・・・。

絵:余裕がなくて、とても写真は撮れなかったので、雰囲気を絵に描いてみました。

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126日(土)

 ようやく天気回復!AM10時半頃、犬橇を出す準備を始めトレーニングに出かける。あれだけ天気の悪い日が続いたら、このまま春になってしまうんじゃないかと不安になっていた(そんなはずないんだけどさ・・・)。

今日犬たちは5頭立て。橇はまだ空荷だけど、けっこういい感じでみんな走ってくれるから、頼もしくなる。ひとつ、日課である南の空の雲の観測をしてから町に引き返してきた。

 3日ほど前から、夜空に月が戻ってきて、視界の悪い吹雪越しにぼんやりと見えていたのだが、今日はくっきり半月が夜空に浮かんだ。

今日も最低気温更新、マイナス32.1℃。お隣のグリーンランド北部地域が気になるんだけれど、マイナス15℃前後らしい。あっちは暖流が流れているからというけれど、どうしてこんなにも違うものなのか・・。

写真:(上)犬橇トレーニングにて。(下)今日は「カヌッルンニ」です。甘えん坊で、そばにいったら飛びついてくるベスト3だ。何度、顔に頭突きを食らったことか・・。

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125日(金)

 グリーンランドからこの一帯に大きな低気圧が居座っている影響か、いっこうに天気が回復せず。風が連日10m/sを超えて地吹雪&吹雪の繰り返し。今日も動けず。気温はどんどん最低気温を更新していく。夕方の測定では-29.4℃だった。明日の天気予報は風が弱まるってことだから期待、期待!

画像:今日の天気図 → http://www.dmi.dk/dmi/index/gronland.htm より

写真:今日は生後1ヶ月を過ぎた2匹の子犬を紹介。名前が付きました。頭が黒い毛のオス犬が「シン」、茶色い毛のメス犬が「コウ」です。ヨロシク。

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123日(水)

 今日の朝の気象観測では、レゾリュート入り後最低の-25.9℃だった。

 1日の夜からの強風は、今日も止まず、視程は相変わらず1km以下。午後に一時的に風が弱まったのを見計らって、犬たちに餌をやりにいった。

外での活動は難しいので、今日は町に一軒だけある店に行ってみた。「CO-OP」と看板が掲げられていて、食糧品、生活用品などが一緒に売られている店だ。特別に広いというわけではないが、野菜、フルーツ、インスタント食品、その他食糧品や衣類、生活用品、道具類、子供のオモチャなどといったものが店頭には並べられている。350mlのコーラ1本がカナダ$2.59。ヘッドライト用の単三乾電池が必要だったので、4本パックを買うと$9.99。(現在は円高でCANADA1ドルは75円前後)。やはり輸送費がかかるとみえて、すべてが高価だ。時々飲むコカコーラをとても楽しみにしている。何故か筒状の箱に入ったポテトチップスが$0.99と大安売りしていた。思わず買ってしまう・・・。

レゾリュートの町の様子も、時々紹介していきます。

写真:(右上)CO-OPの看板がかかった入り口と商品が並ぶ店の中の様子。

(左下)今日の登場は「ウヤー」です。顔が吹雪で雪だらけ。ラテン的?な黒いヒゲが魅力的だね、セニョール・ウヤー君!  ※セニョールはスペイン語で、英語のMr.意味。

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121日(月)

 レゾリュート滞在も、だいぶペースが出来てきた。まだあれもこれも、というところまではいかないが、今日から12月になったので、各観測課題も出来るところから始めることにした。今日は明るくなる正午前後に合わせて、歩いて湾内の海氷上に観測に出かけてきた。作業をする時に、どうしても薄手の手袋1枚になる時があるが、やはり-20℃以下ともなると、あっという間に手が凍えてしまう。指を暖めながらのんびりとやった。

 海氷の厚さを測ってみたところ、すでに80cmほどの厚さに発達していた。

写真:今日のわんこは、ウキダガヤ。昨シーズンあたりから、目がはっきりと見えてないようで、少し心配している。号令もよく聞き分ける、頭のいい犬です。

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1130日(日)

 あまりにも天気がいいから、予定を一日早めて犬橇トレーニングを開始した。東から南にかけて染まったオレンジ色の空に、思わず犬たちと一緒に走りながら「気っ持ちいい~!」と叫んでしまう。今日はキナリ、シルバー、リク、アプの4頭だけ連れて行く。夏は犬橇からは離れているので、勘を取り戻すには手ごろな頭数だ。レゾリュート前の海氷上を、ほんの1時間程度だったけど楽しかった。少しずつトレーニングしていくうちに、犬たちも僕も勘が戻ってくるだろう。レゾリュート前の海氷はすっかり凍りついていて、その点は安心だ。

昨冬まで取り組んできたグリーンランド北部のシオラパルク村周辺では、この数年この時季の海氷がさっぱり安定しなかった。真冬の1月、2月になっても海氷が壊れて流されるというように、1991年以来何度も冬の当地を訪れた中では無かった海氷の不安定さを経験した。グリーンランド北部とカナダのエルズミア島を隔てるスミス海峡からその南側は、もともと海流が複雑で、海氷も流れやすい場所だと聞いているが、それでも以前は海氷上で安心してテントを張れていた場所であった所も、今は怖くてのんびりキャンプは出来ない状態だった。現地のイヌイットも「海氷がよめない。」としきりに嘆いていた。そういった経験からも僕の体感では(実際にこの目で見た)、グリーンランド北部アバンナッソア地域に限っては、15年以上前に比べたら、最近は暖かく感じた。また夏に海氷が融けて、海になる範囲が北のほうまで広がっているのは確かなようだ。海氷が流されるのが、温暖の影響なのか、海流のせいなのか、などなど、僕には断言できないけど。

温暖化問題が現在は騒がれているが、それについて調べれば調べるほど色んな学説があって、一体どれが本当なのだろう??と頭の中が混乱してしまう。今は人為的なCo2説が主流だけど、実際はまだ答えが出てないんじゃないかと個人的には思ってしまう時がある。Co2を抑制していく個人個人の努力は、温暖の原因だからというだけじゃなく、当然のことだと思う。

色んな意味で、これからの環境はどうなってしまうのだろう、と不安になるけど、僕がずっと活動をしてきた「北極」の環境の変化を現地で体感しながら見届けていきたいのと、何かそういった取り組みに一つでも参加したい。とりあえずまずは僕に出来ることかな・・・。取り組む形が違ってても、みんなが同じ方向だったらいいですよね!

さて、今日は大阪府高槻市(僕の地元です)のSACHIYOさんから質問が届きました。

Q:日本と、レゾリュートの時差は、どれくらい有るのですか?いつもブログの書き込みが、日本よりも1日くらい遅いようですネ~?

A:ここレゾリュートは、日本との時差は14時間遅れですよ~。アメリカでいうとニューヨークと同じ時間帯のようですね。今は一日中殆ど暗いので、時間があってないような気分だけど・・・。

今日は天気がすこぶるよかったけど、夕方の気象観測では-23.6℃まで気温が下がった。

写真:(上)オレンジに染まる彼方をバックに。(下)今日の登場は「アミッバルッ」。アミッアミッと兄弟で、正反対の気が強い性格。バルッ、というのはイヌイット語で「~野郎」です。気が強いので・・・。

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1129日(土)

 121日を犬橇トレーニングの開始日、と決めて今日も色々と準備した。胴バンドのついていない犬達には取り付けてやったり、また犬を仮留めする場所を整備したり・・・。

今日、レゾリュートの隣町(といっても800kmほど離れている)グリスフィヨルドという小さな町のイヌイットのもとへ、子犬2匹がもらわれていった。カナダイヌイットの間では、犬橇文化が崩壊し、スノーモービルへと変わってしまったのだが、中にはまだ犬橇を操るイヌイットもいるのだ。しかし混血も進み、純粋な橇曳き犬の血は絶えつつあるのが現状だ。「純粋なイヌイット犬の血を入れたい。」と申し入れがあり、僕がグリーンランドから連れてきた犬に産まれた子犬を譲る運びとなった。グリーンランドでは、他の国から犬を持ち込むのを法律上禁止していて、混血していない純粋なイヌイット犬が残された最後の場所、といっていいと思う。カナダでもイヌイットの犬橇文化を絶やさない、という意味ではすごく大切なことだと思った次第だ。

手元には2匹の子犬が残ったが、大切に育ててやろう。

写真:(左上)犬たちを仮留めする紐を設置。石に紐を縛って雪の下に埋め、水をかけて凍らせた。水が足りなかったので、小用で間に合わせた・・・。(右上)胴バンドをつけてやる。「走る季節が来たのか!?」と犬たちの遠吠えの合唱が始まった。繋がれているのにうんざりしているのだろう。(左下)グリスフィヨルドへもらわれていった2匹の子犬。白いのがメス。頭の茶色いのがオス。(右下)今日のワンコはアミッアミッ。相変わらずシャイですな。

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1128日(金)

 質問など、メールでも時々届いたりしますが、もし聞きたいことがありましたら、avangnaq@gaia.eonet.ne.jp までどんどん質問をして下さい。大歓迎です。ブログの中で、お答えしていきたいと思います。

今日は大阪府のハルカンボママさん(ハルカンボってどういう意味だろ?)からの質問です。

Q:白熊対策には、ヒグマ対策で使われる「鈴」の音はダメなのでしょうか?

A:う~ん、考えたことが無かった・・・。日本から装備品の中に入れて、送ってもらおうかな。橇にぶら下げて試してみるのもいいかもしれないですね。僕のドックチームの犬たちは、白熊が逃げる前に、匂いを嗅ぎつけて、白熊に突進していくかも・・・。

今日の外はホワイトアウト。雪というよりも、霧がかかっている感じだ。町の街灯がぼんやりと見える。風も弱く、気温マイナス20℃弱でも、暖かく感じる一日だった。

写真:アプ君、やや太り気味だね、君は・・。(犬たちの写真もローテーションで掲載していきます。不公平のないように50音順だよ。)

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1127日(木)

 コンテナの中に預かってもらっておいた、犬橇用の橇を外に出した。出来れば来週あたりから少しずつ、犬橇トレーニングを開始しようと思っている。今、このレゾリュート周辺には、2頭の子供を連れた白熊がウロウロしているとのことだ。

写真:(上)コンテナに保管されていた橇。(下)コンテナから橇を出す様子。PM1時を回ったばかりだというのに、明るさはこの程度だ。

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1126日(水)

 レゾリュートでの長期滞在場所を確保できた。最初は安く賃貸できる小屋が無いものか、と探していたのだが、Aziz氏のアコモデーション(宿泊施設) http://www.southcampinn.com/ に、手頃な家賃で滞在が可能となった(3食付き)。通信関係も設備されているので、この上ない環境で準備をしていける。ポケットの中身が寂しいことはAziz氏も察しているようで、取り計らいに、ただただ感謝だ。

滞在環境が整ったとはいえ、すぐに犬ぞり訓練に入れる訳ではない。極夜の真っ只中ということもあり、もう少し時間がかかりそうだ。

おととい、昨日と視界が利かない吹雪が続いた。レゾリュート到着後は、天気が良くない。今日は低い地吹雪だが、空は晴れ渡った。午前中は犬たちの胴バンドを縫ったり、餌をやりに行ったりする。グリーンランドの小さなシオラパルク村とは勝手が違い、犬たちはかなり離れた海岸近くに繋ぐことになっていて、見回りは視界が利かない天候だと方向を見失ってしまうなど危険が伴うから、少し不便である。午後は町の周辺で、4~5頭の犬たちから走行トレーニングを始めることが出来そうな場所を偵察してみた。夏の間には全く走っていない彼らは、少しずつ走らせて、筋力を戻していってやらないといけない。グリーンランド、イヌイットに教えられた方法だ。自分も感覚を取り戻さないといけない。前半約3ヶ月の準備期間は、そういった理由も半分兼ねている。先は長いのだ。気も長くなければいけない。

写真:胴バンドを縫う様子

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1123日(日)

 朝8時半頃、預かってもらっていた装備を、取り合えず必要な分だけコンテナから出してきた。昨日レゾリュートに到着したばかりなので、まだ体勢がなにも整っていない。焦らずにやろう。そしてようやく薄明るくなり始めたAM10時を回って、犬たちと再会。少し離れたところからグリーンランド、イヌイット語で合図をすると、犬たちが大騒ぎし始めた。どうやら忘れずにいてくたようだ。11頭触れ合ってやる。太りすぎとちゃう?という気がしないでもないが、みんな元気だ。ただ残念なことに、夏を越す間に「シロ」が死んでしまったとのことだ。いずれまたこのことは触れるとして、今日からまた犬たちとの生活が始まった。

 レゾリュートの周辺は白熊が多く、また町にも頻繁にやってくるというので、ライセンスをとっているライフルの手入れをしておく。町を外れて歩くことも多いので、犬の世話に行く時も常に持ち歩くことにする。

 薄明るくなった南西方向の空は、3時頃にはまた暗くなった。

写真:レゾリュートの町。11月下旬のレゾリュートは、これくらいしか明るくならない。

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1122日(土)

 今日ようやくレゾリュートベイ入りした。午後3時前に飛行機はイカルイットを出発。530分頃、バフィン島北端にあるナニシビックを経由したあと、PM7時過ぎにレゾリュート到着。今日の午後あたりから天気が崩れ始めたらしく、雪を伴ったやや強い風が吹いていた。当然ながら辺りは真っ暗である。空港には前回もお世話になったAziz氏が迎えにきてくれた。Aziz氏はインド人なのだが、この周辺の北極域に遠征に来る人たちのサポートを仕事としている。そして犬たちはAziz氏のイヌイットの奥さん、アリサックが、僕が帰国中は世話をしてくれていたのだ。今日はひとついい知らせが待っていた。我がドックチーム紅一点のラッシに、なんと子犬が4匹生まれていたのだ。113日に生まれたとのこと。前回の計算から、そろそろのはずだったので、お腹にいるくらいかと思っていたが、まさかもう生まれているとは!またしっかりと世話をしてやらないといけない。

さて、明日から少しずつ体勢を整えていこう。

写真:生まれていた4匹の子犬たち(左)と母犬のラッシ(右)

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1120日(木)

 16日の夕方に日本を出発して5日目、まだカナダ、ヌナブット州の州都イカルイットという町にいる。日本を出た時はホッとした気持ちで、飛行機の中と到着したバンクーバーではとにかく爆睡した。バンクーバーに1泊したあと、次のフライトの都合でオタワに移動。オタワでは2泊。

そして昨日(19日)オタワ発のFirst Air http://www.firstair.ca/  便に乗り込んだ。First Airは、カナダ北極域を中心に運航している航空会社で、オタワ発便は、カナダ北東部でバフィン島の南にあるイカルイットを経由する。イカルイットからは、19日にそのまま乗り継いでレゾリュートベイへ行けるはずがキャンセル。仕方ないな・・と思っていると1度あることは2度ある。今日もキャンセルとなってしまった。土曜日の便を待たないといけない次第。トホホ・・・。

いい方向に考えよう。イカルイットは北極圏には入っていないにもかかわらず、近くを寒流が流れている影響とかで、比較的寒い。今朝も気温を測ったら、-22.8℃まで下がっていた。レゾリュート入りする前に寒さへの順応訓練ができる。また日本から、風邪気味をずっと引きずっていたのだが、昨日あたりにピークが過ぎ、ぐっと体調が良くなった。休養日が多く取れたからだろう。このあと、いい体調でレゾリュート入りできそうだ。明日は一日時間ができるから、ゆっくり町を見てみることにしよう。今後こんなに長く、イカルイットに滞在する機会はないだろうしな!!

添付:イカルイットの位置図

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1113日(木)

 1116日の日本発を控えて、かなりバタバタしている。ブログも随分と休んでしまった。いつもブログを見てくださっている皆さん、申し訳ありません。支援、応援をいただいている皆様、申し訳ありません。まだ誰にもお礼を言えていない状態です。

今シーズンはカナダ北極圏での活動になります。前半3ヶ月ほどは、レゾリュートベイという町をベースに、極夜の中での準備期間です。そして太陽が高く戻ってくる来年3月頃から犬橇での旅行期間になる予定です。ブログでも活動の様子など発信していきます。これからもどうぞ宜しくお願い致します。

1111日に、北海道の旭川工業高等専門学校で話をさせて頂く機会がありました。僕は冒険的な、記録を打ち立てていくタイプではないですが、これまで自分の歩んできた道と、今後の抱負など話をしました。40歳を過ぎた自分にも未だ「情熱」があります。いつの時代(年齢)でも「手抜きのない人生」を送ろうよ!ということをメッセージとして、特に生徒のみなさんに伝えたかったです。

それでは、行ってきます!

写真:(旭川工業高等専門学校より)講演の様子

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1019日(日)

 高槻市北大冠地区体育大会に参加した。いわゆる町内運動会だ。朝9時に北大冠小学校の校庭に行く。ラケットの上に軟式テニスボールを乗せて走る「ラケットレース」、「二人三脚」、「200m走」、「12人、1200mリレー」に参加。高校時代の体育祭以来の運動会だった。

写真:リレーで走る山崎(赤矢印)

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1018日(土)

46次南極地域観測隊で総隊長を務めた松原隊長の「ご定年お祝いの会in京都」が、京都市役所裏の寺町通り沿いにある「饂飩・旬食酒家 えいじ」(=46次隊の調理担当だった岸本さんの店604-0931 京都市中京区寺町通り二条下る榎本町98-9 TEL 075-212-0931)であった。南は九州、四国から、また東北と関東方面からも46次隊員が集まった。全員で21名。観測隊の結束の強さを改めて思った。

幹事を無事終えてホッと一息だ。

写真:宴会の様子

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1012日(日)

昨夜は神戸市三宮青少年会館で開かれた、十数年前から親交のある坪井伸吾さん http://www.ne.jp/asahi/siesta/tsuboi/ の講演を聴きに行ってきた。

坪井さんは世界一周バイク旅行、アマゾン河イカダ下りをはじめ、北米大陸横断ランニング5400キロを実行するなど活躍されていて、著書に「アマゾン漂流日記」(窓社)、「僕流その日暮らし」(窓社)があります。

講演後は、焼き鳥屋であった懇親会に参加させて頂きました。

写真:講演の様子

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1010日(金)

昨日9日、犬橇用装備で犬のハーネスと曳き綱を繋ぐナスカンでお世話になっている、東大阪のTOP CHAIN 柳瀬製作所http://www.yanase-ss.com/kaisha.htm を訪問した。昨シーズンに使用した当社製ナスカンの報告と、11月中旬から今シーズンも北極に出かける報告を兼ねてだった。ペット用、建材用鎖やナスカンなどなど、自社で製造している。これまで使用していた現地調達のナスカンは「折れる」という破損が多く困っていたのだが、昨シーズン使用した柳瀬製作所製のナスカンは、シーズンを通じて折れることなく安定していて助かった。今シーズンも使用する。

写真左 上下:犬のハーネスと曳き綱を繋ぐナスカン

写真右:製作所経営の柳川さん兄弟(左側と中央)と記念撮影

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この4月にグリーンランドから引き揚げる際に、船便で送った装備が届いた。中段ボールにして8箱分。海氷が融ける8月に、シオラパルク村に1年に一回だけ来る貨物船で運んでもらえるように船便で送った装備だ。デンマークのコペンハーゲン経由で遥々と届くのだが、無事届いてよかった。装備に関しては、安いものから高価なものまで、一つ一つに愛着を持っている。古くなっても捨てることができない性格だ。日本では山のように増えていく装備に置き場が無く、怒られてしまうのだけど・・・

中にはイヌイット古来からの防寒着である、毛皮の装備も多くあるのだが、時代の流れもある、今後は化繊の防寒着へと移行しようと考えている。

写真:毛皮のズボンを穿いてみる

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カナダ、ヌナブット州のレゾリュートベイで夏を過ごしている、わがドックチームの犬たち14頭。そのレゾリュートから嬉しい写真が届いた。First Air http://www.firstair.ca/ 勤務のYukakoさんが仕事で当地を訪れ、送ってくれた。Yukakoさんいわく「みんな元気そうです。でも、ちょっとヒマそうでした。」

温暖が気になるけど、早く冬よ来い!

写真:レゾリュートで夏を過ごす犬たち

830日(土)

昨日29日、大阪市内で「エレの会」http://www.warp-leenet.org/index.html

において、下記の項目で講演をさせて頂きました。エレの会の皆様、有難うございました。

犬橇によるアバンナット北極圏プロジェクト帰国報告

― 20062008年グリーンランド編 ―

・北極圏グリーンランド北部地域の現在の環境と地球温暖化を見る

・グリーンランド北部地域の現在のイヌイットの暮らしを見る

さあ、もう8月も終わりだ。冬のシーズンが近づいてきた、という気分になる。この2ヶ月は出発の準備で慌ただしくなってくる。

20080830_6 写真:会場の様子

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もともとマイペースで、周囲には惑わされない性格だが、この世で負けたくない人は誰か?意識する人は誰か?と聞かれたら、「オヤジ」と答える。昭和10年生まれのオヤジは昨年、一線から退いた身で、最近音沙汰がないなあ、と思っていると、どうやら6月中旬から8月初句にかけて四国のお遍路さん巡礼をしていたらしい。全行程を徒歩での旅だったとのこと。これからも元気でいてください。

写真:各礼所での宝印を押された判衣を着て披露してくれた

200808034 週末にかけて、有佐の友人、宇井さん一家と宇井さんの田舎である和歌山県新宮市の熊野川にキャンプに行ってきた。夜は七輪を囲んでの夕食。夜中の12時過ぎまで盛り上がった。夜の川の中も散策。水中メガネ越しに鰻、鮎、カワエビetc…。普段はなかなかリラックス出来る時間を持てないけど、楽しかったなあ!また行ってみたいほど自然も豊かだった。満喫してきました。

写真:熊野川河原にて。カワエビなんかも捕まえてみた。

洛南高校時代の先生、級友と京都に夜集まって飲み会があった。すでに20年以上の時間20080801 が流れているけれど、みんな変わらず。

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