山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

北極圏の犬ぞり遠征をライフワークにしている山崎 哲秀のブログです。北極圏を犬ぞりで遠征し環境調査を行うアバンナットプロジェクトに取り組んでいます。このブログでは、遠征前は日本での準備や生活の様子、遠征中は、北極圏の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

久しぶりにインターネットがゆっくり出来る環境にある。犬橇旅行から帰ったあとのことを書いておく。

4月16日〜4月25日、シオラパルクに不在だった20日弱ほどで、村周辺はさらに春の陽気が漂い始めていた。旅行から帰ってからは14頭のうち怪我をした犬2頭をリハビリさせつつ、来シーズン以降、カナダ北極圏で取り組みが出来るようにドックチームをチャーター機で移動させるべく段取りを進めた。日程が5月5日前後と煮詰まりつつあるのを見計らい、4月25日にシオラパルクに別れを告げ、14頭の犬達と共に隣町のカナック周辺へと移動した。シオラパルクをベースキャンプに長期滞在するのは今回が最後になるだろう。

4月26日〜5月3日、シオラパルクから移動後、カナックから5kmほど離れた飛行場真下の沿岸でテントを張り、そこをベースとして動いた。このあとのことで一番安心のできる地点だった。日本からチャーター機の日程を詰めてもらったところ5月4日に決定。飛行機でライフルをカナダへ持ち出すのは問題ないかなど、カナックの警察でもう一度確認をとったりしながら、「本当に移動できるのだろうか?」と不安を抱えたままで待ち続けた。

※写真上:カナックの町へ
 写真下:飛行場の下でキャンプを張る

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R43qs5oy 4月13日、昨夜から地吹雪となっていたが、夕方近くになって風が止み、南の内陸方面の視界がきれた。「シオラパルクへ帰ろう」ということで、アグチンギアとピーターと共にPM5時頃、アウンアットを出発する。すでに1日中明るいのだ。雄大なInglefield Landの台地を越えて行く旅路だ。

4月14日、台地を犬橇で走り続けて、日付けが変わったAM12時過ぎに、氷帽との境に到着し、テントを張ることに。やや風が強く低い地吹雪だ。

AM9時頃目が覚める。腹ごしらえをしたあとAM11時頃出発。最初は氷河を登る急勾配。犬達を叱咤しながら、なだらかな斜面まで橇を引っ張り上げる。汗だくだ。地吹雪の中、アグチンギアとピーターと共に、ひたすら内陸氷帽を走り続ける。氷帽を越えて、海氷に下りたのがPM10時半頃。この時点ですでに70km以上は走っていたが、彼らはこのまま一気に50kmほど離れたシオラパルク村へ戻るという。

4月15日、走りに走り、AM4時頃ようやくシオラパルクに到着。犬達は重い荷物を曳き、よく走ってくれた。早朝で村は静まりかえっている。犬達を橇から外し、繋ぎ直してからテントを張る。エサをたっぷり与えたあと、自分も空腹を満たしてから、ようやく一眠りについた。

今回カナダ側へ犬橇で渡ることはできなかったが、観測課題を実施したり、雄大な自然に触れて納得のいくものだった。昨シーズン、そして今シーズンと14ヶ月間に渡るグリーンランドでの滞在、活動の成果を、今後報告することが出来ればと思う。一旦グリーンランドでの活動は一区切りつけ、次に進みたい。

このあとのオペのことを考えないといけない。来シーズン以降、カナダ側で活動が出来るように、ヌナブット州のレゾリュートベイに犬達をチャーター機で輸送移動させておきたい。すでにスノーモービルが移動手段に変わってしまったカナダ側では、有能なソリ曳き犬を手に入れるのは、至難の業なのだ。だから犬達の輸送にこだわっている。今のチームに愛着もある。一度はチャーター機を利用することを断念し、海氷が安定しない危険な海峡を犬橇で渡り、犬達をカナダ側に連れていくことに賭けてみたのだが至らなかった。「冒険」というセンスは自分には無いのだと思う。現在、チャーター機の再調整に入っている。5月上旬に輸送オペをするべく、日本から有佐に手配してもらっているが、無事終了できるように集中したい。
漠然と来シーズンは計画ルート上をレゾリュートから、2シーズン続けて犬橇で渡ることが出来なかったスミス海峡(カナダ側)までの観測などを実施出来ればと考えている。帰国後詳細を練り直したい。また幅を持たせるためにも一緒にフィールドワークを出来る相棒をなんとか見つけたい。一人で出来る作業量は限界があるのを痛感している。アバンナット計画はまだまだ続くのだ。

※写真上:海氷より雄大なInglefield Landを望む。写真中央左:海氷観測風景。写真中央右:双眼鏡を覗く。写真下左:Inglefield Landの台地にてアグチンギアと。写真下右:鼻が凍傷。

I4e9dcpr 4月6日、テントを撤収後、北西方面に沿岸沿いに移動。イノアッフィッシュアという場所近くの海氷上にて、海氷観測と積雪サンプリングのためキャンプ。

4月7日、犬橇で沿岸に沿ってRussel岬を少し回り込んだ地点から、沖合いの乱氷帯に橇を走らせて、海氷上にて観測のためキャンプ。ここでも見渡す限りカナダ方向は乱氷、乱氷、乱氷。すでに20日分用意した犬達と自分の食糧の半分を消費してしまっている。カナダ領に入ればチャーター機での補給の手配を進めていたが、このまま乱氷帯に突入してカナダ側に行けるのか、もし何かあった場合に飛行機が降りれる平らな氷が見つかるのか全く保障はない。ここに来て犬橇を走らせて、実際に海氷を確認して見て状況はよく分かった。また北のケネディ海峡からスミス海峡にかけては潮流が速く、常に海氷も動いていることから、一人で突進する気は全くない。乱氷帯を渡るにしても、北のほうから回り込んで犬橇で渡るにしても、一緒に根気よく取り組んでくれるエスキモーの人を探すか、あるいは一緒にフィールドワークできる相棒が必要だろう。一人で出来るとは思わない。今回犬橇でカナダ側に挑むことは止めることにする。

4月8日、白熊狩りに出かけたアグチンギアとピーター達とは、取り合えず10日前後にアウンナットで落ち合うことになっていたので、今日はアウンナットへ戻った。上陸はせずに海氷上にテントを張ることにした。

4月9日、昨夜から天気が崩れて軽い地吹雪となった。夕方に風が弱まったので、乱氷帯で橇が横転した際に壊してしまった取柄の部分を修理したり犬の世話をしたりして過ごす。

4月10日、雪がちらつき視程不良。夕方の気象観測では気温が−9.8℃とやたら暖かい。
日本の有佐とイリジウム衛星電話で連絡をとり、チャーター機でのカナダ側への犬達の輸送について方法を模索している。

4月11日、AM4時頃、テントの中でウトウトしてると、アグチンギアとピーターが帰ってきた。白熊を1頭ずつ仕留めたそうだ。さすが猟師だ。今夜からアウンナットの小屋で一緒に寝ることに。数日中にシオラパルクへ戻るとのことで、犬の餌が手元にあるうちに僕も一緒に戻ることにする。

※写真上:内陸氷帽より海の開いたスミス海峡を望む。手前が氷帽、中間が海が開いたスミス海峡、奥がカナダのエルズミア島。写真下:行く手を阻む乱氷帯。

3d8i9i2q 4月4日
アグチンギアたちとアウンナットから沿岸沿いに、スミス海峡の一番狭まっているアノイトまで行く。アノイトから見るスミス海峡は、乱氷がひどく、沖合は海が開いていた。カナダまで40〜50キロくらいなのだがひどく遠く感じる。アグチンギアたちは、これ以上、カナダ側には危なくて行かないという。自分も一人で越えられるとは思わない。風が吹いたらいつ流されるかわからない。アウンナットに戻り、再び海氷調査を続けることにする。

2008/04/04 21:03 アノイト
N78 33' 06.1" W72 08' 24.3""

4月5日 
夕べは夜12時頃アウンナットに戻った。アノイトまで往復12時間ほど走ったことになる。アグチンギアたちはシロクマ狩りに行った。10日ほどは帰ってこないだろう。彼らは捕えたものを食べるので、簡単な装備だけを持って身軽に動く。こちらは重装備なので身軽にとはいかない。
今日は橇の手直しをする。昨日走行した定着氷はガタガタすごかったが、我ながら、自分の作った橇はイヌイットたちのものよりも丈夫にできている。

アウンナットから見るスミス海峡も沖合は乱氷ばかりだ。かつてイヌイットたちがカナダとグリーンランドを犬ぞりで行き来することはよくあることだったけれど、スミス海峡を渡るのには条件がある。できて3,4日くらいの新しい氷が張ること。新しい平らな氷であれば、スミス海峡も4,5時間で一気に渡りきれる。しかしこの乱氷を越えて行くとなると、かなりの時間と体力を必要とするだろう。

※下の地図は、衛星からの解析画像。スミス海峡に大きな海水面が開く。

4月2日
休息日。アウンナットにいる。シオラパルクからここまで、同行を依頼しているアグチンギアとその仲間のほかに、親子二組が猟のためにここまでの道のりを一緒に来ている。ここアウンナットは、かつては人が住んでいたのだろうが、今は無人の狩猟小屋があるだけだ。このあたりはシカなど動物が多く、今日はジャコウウシを見つけた彼らがさっそく狩りに出てしまった。目前の海氷調査を行う。スミス海峡の沖合には乱氷が見える。

4月3日
天気がよい。対岸のカナダのエルズミア島が見える。明日の出発に備える。アグチンギアたちは、昨日、3匹のジャコウウシを捕ってきた。自分の犬たちにも食べさせてくれた。数日走らせ数日休むというのが彼らの流儀らしい。

F2re1wi5 4月1日、カナダのエルズミア島とグリーンランドに挟まれたスミス海峡沿岸のアウンナットに到着した。今日は10時半から2時までの行程であった。同行のイヌイットも犬たちも皆元気である。今は犬たちは氷の上で寝ている。明日は1日休息日。明後日以降、スミス海峡を探査して、約30キロの海峡を渡ることができるのか検討することにする。

08/04/01 08:05 
N78 36' 38.2" W70 51' 09.4"

下の地図は、グーグルの衛星写真を利用したもので、夏に撮影されたものでしょう。今の季節のグリーンランドはまだまだ白い世界で、この地図のように露面に犬ぞりを走らせるわけではありません。

山崎有佐です。

お初にお目にかかる皆さん、こんにちわ。

それから、昨年よりテツの遠征を応援して下さっている皆さま、大変ご無沙汰しております。今シーズンは、私自身、仕事で手一杯で余裕がなく、「北極街道をテツが行く」を秋に一度発刊した限りとなっています。いつも心待ちにしていただいていた皆様には申し訳ありませんが、続編は今しばらくお待ち下さい。

10月に日本を出発して以来、半年近い準備期間を経て、ようやくテツの遠征がスタートしました。海氷がしっかりと張ってテツと犬たちが安全にソリを走らせることができるよう願っています。

この先のブログは、テツに代わって、私からテツの様子を報告します。衛星携帯電話により交信しています。バッテリーの消耗を防ぐため簡潔ですが、その日の位置と無事の確認を行っています。

以下の報告時間はすべて日本時間です。現地時間は日本から-12時間です。

08/03/30 10:30 
N77 59' 46.7" W71 47' 49.5"
標高400mの氷河上にいる。

08/03/31 11:06 
N78 25' 49.3" W71 03' 33.9""
昨日の氷河を越えた。

では、今後ともどうぞよろしくお願いします。

天気が良ければ、明日29日にシオラパルク村をスタートします。カナダ側までは、こちらのエスキモー猟師の友人2人にサポートをお願いしています。グリーンランドとカナダを隔てるスミス海峡の海氷状態が悪い場合は、無理はせずに引き返すことも前提です。

※写真は橇に積込み作業をする風景

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イースター連休明けの25日以降の出発となってしまいますが、最終調整中です。
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エアーグリーンランドがチャーター機料を最終的に約500万円に吊り上げてきた。これでは自己負担としてはお手上げだ。カナダ側はこれの4〜5分の1の見積りに関わらず、グリーンランドからの営業権はエアーグリーンランドにあり、エアーグリーンランドの許可がなければカナダのチャーター機社は営業できないとのことで、昨年12月からエアーグリーンランドの許可をもらうべくやり取りをしていたにも関わらず、土壇場になってこれだ。今更になって最初の倍以上の見積もりを言ってくるとは、もっと早く言ってくれれば、とっくに見切りをつけていたものを。
このあとの行程としては、こちらのエスキモー猟師の犬橇2台をチャーターし、シオラパルク村から犬橇で数日かかる、グリーンランドとカナダを隔てるスミス海峡に向かう。運が良ければスミス海峡を渡れるかもしれないが、その辺りを狩猟場としている、プロ中のプロである彼らが渡れないのなら、この冬も渡れないのだ。その場合の活動オプションは考えてある。
犬橇チャーターはこのケースで最高級の安全対策であるが、渡れるかどうかの不安を抱いているよりも、チャーター機でカナダ側に移動して、そこをスタート地点としたかった。グリーンランドとカナダのチャーター機事情の違いが、いまひとつ(いや二つも三つも)腑に落ちないが、いた仕方がない。今日さっそく信頼しているアグチンギアに、犬橇でのサポートをお願いした。もう1台は、彼が気心知れた仲間を誰でも、という話をした。スミス海峡をカナダ側に渡してくれた時のオプション報酬を合わせて提示し、納得してもらった。このあと犬橇でのシオラパルク村からのスタートは、25日以降となってしまう。気持ちはもう切り替わったので、それに向けて最終準備を進めていく。
午後から犬橇を走らせ、気持ちを落ち着けた。

※写真は昨日の犬橇トレーニングにて。別の犬橇が先方を行く。

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犬橇トレーニングも追い込みで、気合が入っている。
今日は−30℃以下に冷え込んだ。

※写真上:8日、Meehan氷河で登行トレーニングにて。写真下:10日、インナンミウ岬にて。

昨夜から久しぶりに、わずかながら雪がちらついた。
定期ヘリコプター便で、ようやく14頭の犬たちの予防接種証明書が届いた。カナダ渡航の際に持参しなければならない。
グリーンランドとカナダを隔てるスミス海峡の海氷が、どうやら凍結しておらず怪しい。冒険をスタンスにしているなら、渡れるか分からないスミス海峡に挑んでみてもいいのだが、目的が違う。チャーター機でスミス海峡のカナダ側に空路移動し、そこをスタート地点にするべく調整中だ。チャーター機社との折り合いがまだついておらず気が気じゃなく落ち着かない。20〜25日の間で段取りを進めている最中だ。心配をよそに、スタートの準備を進めている。
まずは、昨シーズン立てなかったスタート地点に立ちたい。

※写真上:行動中の食糧を1食分ごとに袋分けする作業。写真下:グリーンランド当局から届いた犬たちの予防接種証明書。各ワンコに1枚、計14枚が届いた。

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犬橇旅行スタート予定を20日頃に定めてバタバタとしている毎日。たまには息抜きも必要と、犬橇でピクニックに出かける。村から5〜6kmほど離れたところに、エスキモーの旧住居跡があるので、シオラパルクに訪れている日下君を誘い出かけてきた。最初に犬たちのトレーニングで、その場所の裏山に橇を曳いて登らせたあと、降りてきて住居跡あたりを散策。コーヒーを飲んで一休みしてから村に戻ってきた。

※写真のように(ちょっと分かりづらいかな)石を積み上げ、土やコケなどで隙間を埋めベースを作り、動物の骨なんかの骨組みに、アザラシの毛皮を何枚も使いテント状に家を作って生活したとのことだ。

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6qyrbxot 動物園では可愛い白熊も、自然界では人間にとって脅威だ。最近は保護の影響?もあってか、人里近くに現れては人間を食べてしまったという話も時々聞かされる。犬橇旅行中は白熊から身を守らなければならない。対策の一つはキャンプ時にテントの周りを囲むように犬たちを繋ぎとめること。もうひとつはライフルを持参することだ。1丁にするか2丁にするかずっと悩んでいたのだが、1丁では故障したらそれで終わりなので、中古の30−06型を地元の人から安く買い受けた。なるべく橇に積み込む荷物は減らしたいのだけど、背に腹は変えられない。これはあくまでも予備。
今日は朝起きてライフルの手入れ、そのあと犬橇トレーニングに出かけた。

27日に北見工大の学生さん、日下君が隣町のカナックへ到着した。雪氷を学んでおり、今回はシオラパルクに1ヶ月ほど滞在し、観測課題を実施するとのことだ。犬橇で迎えに行く約束をしていたので、27日の朝からカナックへと犬橇を走らせた。そして今日、日下君を乗せてシオラパルクに戻ってきた。
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髪の毛がボサボサになってきたから散髪をした。けっこうヘアースタイルは気にするほう・・・じゃない!ない!整髪用の携帯カッターでばっさり、スッキリである。
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19日は犬橇で海氷観測に出かけたが、その日の夜から地吹雪となり、今日になっても止まない。もうしばらく続きそうだ。犬たちは丸くなって寒さを凌いでいる(写真)。風が一時弱まった隙に餌を与える。

Uvatdsfm 待望の太陽が戻ってきた。約4ヶ月ぶりの太陽だ。裏の丘に登り、思わずガッツポーズ。嬉しくしばし凝視していると、眼が眩んでチカチカと真っ白になった。太陽ということを忘れていた。昨日は犬橇の上から、南のケケッタハー島の稜線に、出たかどうかの赤い陽光が見られたが、今日は完全に顔を出した。といっても最高で3分の2ほど。PM2:25頃から顔を出した太陽は、稜線を南から南西へと転がるように、それでも1時間ほど輝いていた。ここからは暗闇が無くなる世界へと駆け足だ。

この一週間は冷え込んだ。毛皮の防寒靴を新調するか悩んだ末に、思い切って作ってもらうことに。値は張るが、白熊の毛皮のオーバー靴だ。アザラシやトナカイといった動物の毛皮を利用した、エスキモーの人達の伝統的な防寒着のひとつである。完成を待って、15日から16日にかけて、60kmほど離れた隣町カナックへ、犬橇を走らせてきた。今季初めて全14頭の犬達を連れての走行トレーニングだった。海氷の凍りつきが1月中旬までもつれ込んだため、チームをまとめ上げるのが遅れていて気が気じゃなかったが、やっとここまで持ってきた。3月中旬スタート予定の犬橇旅行までに、もう少し走り込ませなければ。
カナックへのもうひとつ目的は、カナック止まりで届いてしまった、日本からの装備品のピックアップであった。いつものようにカナック下の海氷上にテントを張り、上陸はわずか1時間。翌朝早々にカナックをあとにしてシオラパルクへと戻ってきた。

※写真は 左上:2月9日の南の空。左中:2月13日のオーロラ。左下:2月17日の雲。右上:白熊の毛皮靴。右下:2月15日の犬橇トレーニング。下:2月17日、戻ってきた太陽。


Wizukpc1 本日発売の月刊誌「ダイビングワールド」(マリン企画)3月号にコラムが掲載されています。ちなみに1月号にも掲載されました。

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looking back!今日は趣向を変えて、サゴッシュ爺さんとの15年ほど前の写真。この時いったい何歳だったのか?すでにサゴッシュ爺さんは亡くなってしまったけれど、まだテクテクと海氷の上を自ら橇を引っ張って歩いていた当時、元気に犬橇でアザラシ狩りをしているサゴッシュ爺さんとよく行き交った。「ヤパニ(日本人)、お茶を飲もう。」と誘ってくれた時のショットだった記憶がある。

昨日に続いて犬橇トレーニング。新しい橇の調子はいい。今日は氷河のサイドモレーンを少し登行して、氷河の背中に乗ってきた。
1週間ほど前に隣町から入ったインフルエンザにやられたのだが、喉の調子がいまひとつ。犬たちに号令をかけるのだが、この2日間でガラガラ。声が出ない。

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やっと橇が完成!!昨夜1時頃に目が覚めてしまい、眠れないのでゴソゴソと最後の仕上げに入ったところ、朝の7時半頃、ひと通りの製作作業を終えた。

この数日は天気が曇りがちで、気温もマイナスひと桁台と暖かい。海氷が心配になってしまうが、なるようにしかならないから、このあともマイペースで準備を継続する。

Hbv6vv6j 新加入後、コミュニケーションをとっていたアミッ兄弟を試走する。少数の5頭で出かけた。合格だ。よく橇を曳いてくれる。他の犬たちに比べてまだなつかないが、そのうち仲良くなれるだろう。3月中旬予定の犬橇旅行スタートまでに、14頭の犬たちをまとめるのは俺の仕事だ。
午後の南の空が、だいぶ明るい赤みを帯びるようになった。太陽が顔を出すまで、あと2週間。

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2歳の兄弟犬が2頭、新たにチームに加わった。アービッギアが譲ってくれたのだ。名前は「アミッ」という。両方同じ名前も困ったものだけど、「アミ1(イチ)、アミ2(ニ)」と呼ぶことにしよう。すでにチームにいるシルバーと毛並みがそっくりで、聞いてみると、多分シルバーの子供だろうとのことだ。元々シルバーも飼い主がアービッギアだった。
これでチームはオス犬13頭とメス犬1頭の計14頭となった。メンバーが出揃ったわけだが、3月中旬までに一つのチームとしてまとめなければならない。相棒がいればいいのだけど、チームが10頭を超えると、一人でまとめるのはけっこう大変だ。多数の猟師から寄せ集めたのだからなおさらだ。
また、カナダ当局にも各犬たちの歳や毛並みなど、特徴の詳細を書き出して書類を作成し、予防接種証明書を添えて提出しなければならない。

※写真上から新加入のアミッ兄弟犬。今日も村人のプラット。橇製作経過。

7yjpn1zh 24日から日付が変わった夜中の1時頃、目が覚めて外の様子を見てみると、満月は過ぎたものの月明かりで照らし出され、穏やかな天気。昼間はだいぶ薄明るくなってきたものの、月はまだこの時期は太陽の代わりだ。心強くしてくれる。次の満月の頃には、太陽が戻っているはずだ。
海氷観測に出かけることに。AM2時を回った頃に犬橇を出す。シオラパルク村から西に15kmほど離れたあたりで海氷観測。村に戻ったのはAM7時前。

今日は洗濯大会。明日、明日と思いつつ、何かと手が空かずに今日になった。お湯を作り、桶で手洗いとすすぎを繰り返すから、どうしても時間がかかる。
橇作りもランナーの底にプレートを取り付ける段階まで進んだ。今月中にはメドをつけ、さらに明るくなる2月は、犬橇で外に出る時間を多くしたい。

夕食のあと、さすがに眠たくなった。

※写真は観測 & 橇のランナープレート取り付け & 洗濯風景。

Gv_oe7__ 昨日の夕方から、久々の地吹雪となり朝方まで続いた。強風で起こる波のうねりで、海氷はゆらゆらと揺れている。
今日もソリ作りに励んでいたのだが、お昼前からひっきりなしに村の人たちが遊びに来て、その度に手を休め、コーヒーを飲みながら話し込んでいた。ここではこういうふうに訪問することを「プラット」という。夕方までに9人、子供を合わせると13人のプラットを受けた。製作中の橇にみんな関心があるようだ。今日も先生が一杯であったが、賑やかで楽しかった。コーヒー腹である。橇はランナー板の補強がやっと終わった。

少し前に犬たちに予防接種を受けたが、今日ようやく証明タグを受け取ることができた。とり合えず12頭分。今、2〜3歳のオス犬を2頭新たに探している最中だ。全頭が揃ったら、カナダへ提出する証明書を発行してもらおうと思っている。

※写真上はプラットの先生?たち。写真下は予防接種証明タグ。

Gj4iqdka 今日は朝からソリ製作。凹凸の激しい乱氷帯でも板が割れたりしないように、左右のランナー板を、鉄プレートで補強する作業で一日が終わってしまった。このあたりが橇作りの要点となる。村の人たちが代わるがわると橇作りの様子を見に来るのだが、それぞれ自分の作り方、こだわりを持っていて「ここはこうしろ」と教えてくれるのだが、微妙に違う。犬橇用ソリの作り方(基本)は、10年ほど前にこちらの人たちから教わって作ったのが最初だった。先生が多いのも困ったものだが、納得のいくところは取り入れて、あとは自分がいいと思うやりかたで製作している。生きることもそうだけど、自分の意思でやって失敗したとしても、後悔はしないだろう。

夕方から久々に地吹雪となった。外に置いてある装備などが吹き飛ばされないように養生しておく。

※写真は橇のランナー板を補強する作業

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シオラパルク村のあるフィヨルドから外洋に、海氷観測に出かけた。薄明るい時間帯も長くなってきたので、今後は3月中旬スタート予定の犬橇旅行まで、犬橇トレーニングも兼ね、外洋へ海氷観測に出かける機会を増やしていきたいと思っている。

※写真左:テントを張り観測地点にて、写真右:犬たちの餌の肉を切る風景

K3b6h4gm 子供の頃から腕白坊主だった、今年19歳のアービッギア。彼は若くしてピニヤット(猟師)の道を選んだ。この地区では若者にも人気がある隣町のカナックへ今は通い詰め。青春を謳歌しているようだ。

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