山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

北極圏の犬ぞり遠征をライフワークにしている山崎 哲秀のブログです。北極圏を犬ぞりで遠征し環境調査を行うアバンナットプロジェクトに取り組んでいます。このブログでは、遠征前は日本での準備や生活の様子、遠征中は、北極圏の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2007年12月

Ll0fr93a クリスマスは、そういう気分にはなれないまま過ぎてしまった。

さて、ここにきて海氷上を犬橇で走れるようになってきた。犬達も走り慣れてきたので、今日は村前のツルツルの新氷に乗り入れて、朝7時半頃から、フィヨルド奥に海氷観測に出かけてきた。今季一度も流失していない、一番古い海氷は、約60cmの厚さまで発達している。
犬橇を走らせながら鼻歌である。

※写真は風速測定風景と海氷表面の積雪粒度ゲージ写真

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21日から日付が変わった深夜にゴソゴソと起き出した。今宵月夜は快晴である。周辺の地形がはっきり分かるほどに照り輝いている。気温も冷え込んだ。ここしばらく天気はおとなしく、いい子だ。強風が吹かない。フィヨルドの奥まで犬橇を走らせた。今季ようやく快走。今日は6頭立てで、直線距離で15kmほど離れたMeehan氷河前まで行き、コーヒーを飲んでからAM7時半頃、村に戻ってきた。予定では3月にMeehan氷河を登行し、内陸部を越えて、カナダへと渡るスミス海峡に抜けることになると思う。

※写真はMeehan氷河前にて

Cihocawu 12月8日頃から、フィヨルド奥に流されないで残っている海氷の偵察にしばしば歩いて出かけてきた。シオラパルク前はまだ不安定な海氷だ。今季はこんなものかもしれない。方向転換も必要だ。
沿岸沿いに凸凹に凍りついた定着氷を伝って行くのだが、なんとか犬橇を安全に通そうと、海に切り立った場所には50〜60mのフィックスロープを張ったりなど繰り返してきた。
数日前に一度、5頭の犬たちを連れてその場所を通過する練習をしてみたのだが、今日は月で周りも明るいから本気で、午前中から午後にかけて、フィヨルド奥の安定した海氷に行くことにトライしてみた。全頭を連れて行っては馬力がありすぎてかえって危ないから、今日も5頭の犬たちを連れて行く。うまくいった。空荷の橇とはいえ、3m以上もある木ゾリを犬たちの誘導をしながら通過させるには、かなりハードワークで、何度も通りたくもないのだけれど、このあと村の前の海氷が流され続けても、犬橇トレーニングをする場所は確保できそうだ。大汗を掻いて通行訓練に奮闘している中、ここ数日でなんとか走れるようになった新氷の上を、村の猟師たちが「ピューッ」と犬橇で追い越して行った。このまま新氷も安定してくれれば問題ないのだが。
やっぱり海氷上での犬橇は気持ちいい。犬たちも「アイ、アイ(止まれ、止まれ)」という号令もそっちのけで、タッタッ、タッタッと走るのを止めなかった。さあ、極夜ももう折り返しだ!

クリスマスが近づき、キリスト教が浸透しているグリーンランドでは、村の人たちもウキウキとしているのがわかる。

※写真は、海氷上で絡まった曳き綱をほぐす。

Qo7cbviv 午後に定期ヘリコプター便がやってきた。今日はフルーツなどが運ばれてきたようだ。たくさんの数ではないが、時々このように輸送されてくる。今日入ってきたのはオレンジ、リンゴ、レモン、ニンジン、タマネギ、白パン、などといったもの。リンゴやオレンジは1時間もしないうちに売り切れたようだ。たまにしか手に入らないフルーツは、やっぱり人気がある。生肉だけでビタミンを採る時代は、もうとっくに終わっているのだ。ビタミン剤も普通に売っていたり・・・。

※写真上:店に並んだレモンとニンジン。リンゴとオレンジはあっという間に売り切れ。
 写真下:リンゴとオレンジ、タマネギ、白パンを買ってきた。

Hc8vgtr2 十数年も前は、はな垂れ小僧だったファーギは、今では17歳。身長も180cm近いんじゃないかな。いい青年になっている。この夏からデンマークに留学しているそうだ。





※時々、村の子供たちの成長ぶりを、写真で紹介しようと思います。

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写真は12日のシオラパルク前の全景写真で、村から正面が南。左端が東。右端が西。相変わらずブリザードが吹いて海氷が流される。ちなみにフィヨルド最奥部の白い部分が今季一度も流されていない海氷で、少し前に沿岸沿いに徒歩で観測に行ってみると、すでに海氷の厚さは40cm以上に発達して安定している。犬橇も充分安全に走れるいい氷だった。そこからシオラパルク左前までの薄白黒い氷が、昨日のブリザードでも流されなかった新氷で20cmほどの厚さまで発達した。犬橇でもそろそろ大丈夫だろう、といった海氷。シオラパルク正面から右側にかけては昨日新氷が流されてから、海表面にうっすらと氷が張り始めた状態である。もともと12月や1月はブリザードが多いから、温暖さることながら、10月と11月に例年になく強風の日がやたらと多く、海氷が流され続けた影響も大きいと思う。カナダのレゾリュートあたりは今年は気温が低く、すでに海氷は安定しているという話をエスキモーの人達から聞かされている。

Zlavlrwm 日本の有佐から、ワンコたちの写真が届いた。パフィ&トントン&ピエールである。えらく良犬に写っているではないか!?写真選んだんじゃないの?(写真上)
いっぽう、我がドックチームは・・・・。あっち向いてたり、寝てたり、餌を探してたり・・・・。が、こちらはこちらで良犬なのである。(写真下)

Xt5gtzeq 「今度こそは!」と期待した海氷は、昨夜から強風が吹き、また流失してしまった。昨季の苦いアクシデントが頭をよぎる。
この周辺の町村でシオラパルクだけが孤立してしまっている状態だ。シオラパルクをベースキャンプにすることは、ここしばらくの自然サイクルではふさわしくないようだ・・・。効率を考えたら、この先何年も続くプロジェクトの取り組みでは、もっとベースキャンプにふさわしい場所があるだろう。今回はここで、段取りをこのまま続けるしかない。

※写真は海辺にしゃがみ込み、開いた海に頭を抱える山崎(悔しさを表現してみました)

K3ymt5cz 快晴が2日続いた。また海氷が厚くなりつつある。
今日から12月だ。時間が経つのが早すぎるなあ。だんだんと、来年3月の遠征スタートのことなどで、あれこれと頭の中で考えることが多くなってきた。
夜にアグチンギアが遊びにきた。信頼のおける友人で、地図を広げて遠征のルートのことなど聞いたりした。

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