犬ぞり案内人 山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

グリーンランド北西部地方に古来から住む、エスキモー民族から伝承を受けた犬ぞりを操り、“アバンナット北極プロジェクト”に取り組む、山崎 哲秀のブログです。 このブログでは、北極遠征中や日本滞在中の活動の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2008年02月

髪の毛がボサボサになってきたから散髪をした。けっこうヘアースタイルは気にするほう・・・じゃない!ない!整髪用の携帯カッターでばっさり、スッキリである。
Xxzongey

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19日は犬橇で海氷観測に出かけたが、その日の夜から地吹雪となり、今日になっても止まない。もうしばらく続きそうだ。犬たちは丸くなって寒さを凌いでいる(写真)。風が一時弱まった隙に餌を与える。

Uvatdsfm 待望の太陽が戻ってきた。約4ヶ月ぶりの太陽だ。裏の丘に登り、思わずガッツポーズ。嬉しくしばし凝視していると、眼が眩んでチカチカと真っ白になった。太陽ということを忘れていた。昨日は犬橇の上から、南のケケッタハー島の稜線に、出たかどうかの赤い陽光が見られたが、今日は完全に顔を出した。といっても最高で3分の2ほど。PM2:25頃から顔を出した太陽は、稜線を南から南西へと転がるように、それでも1時間ほど輝いていた。ここからは暗闇が無くなる世界へと駆け足だ。

この一週間は冷え込んだ。毛皮の防寒靴を新調するか悩んだ末に、思い切って作ってもらうことに。値は張るが、白熊の毛皮のオーバー靴だ。アザラシやトナカイといった動物の毛皮を利用した、エスキモーの人達の伝統的な防寒着のひとつである。完成を待って、15日から16日にかけて、60kmほど離れた隣町カナックへ、犬橇を走らせてきた。今季初めて全14頭の犬達を連れての走行トレーニングだった。海氷の凍りつきが1月中旬までもつれ込んだため、チームをまとめ上げるのが遅れていて気が気じゃなかったが、やっとここまで持ってきた。3月中旬スタート予定の犬橇旅行までに、もう少し走り込ませなければ。
カナックへのもうひとつ目的は、カナック止まりで届いてしまった、日本からの装備品のピックアップであった。いつものようにカナック下の海氷上にテントを張り、上陸はわずか1時間。翌朝早々にカナックをあとにしてシオラパルクへと戻ってきた。

※写真は 左上:2月9日の南の空。左中:2月13日のオーロラ。左下:2月17日の雲。右上:白熊の毛皮靴。右下:2月15日の犬橇トレーニング。下:2月17日、戻ってきた太陽。


Wizukpc1 本日発売の月刊誌「ダイビングワールド」(マリン企画)3月号にコラムが掲載されています。ちなみに1月号にも掲載されました。

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looking back!今日は趣向を変えて、サゴッシュ爺さんとの15年ほど前の写真。この時いったい何歳だったのか?すでにサゴッシュ爺さんは亡くなってしまったけれど、まだテクテクと海氷の上を自ら橇を引っ張って歩いていた当時、元気に犬橇でアザラシ狩りをしているサゴッシュ爺さんとよく行き交った。「ヤパニ(日本人)、お茶を飲もう。」と誘ってくれた時のショットだった記憶がある。

昨日に続いて犬橇トレーニング。新しい橇の調子はいい。今日は氷河のサイドモレーンを少し登行して、氷河の背中に乗ってきた。
1週間ほど前に隣町から入ったインフルエンザにやられたのだが、喉の調子がいまひとつ。犬たちに号令をかけるのだが、この2日間でガラガラ。声が出ない。

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やっと橇が完成!!昨夜1時頃に目が覚めてしまい、眠れないのでゴソゴソと最後の仕上げに入ったところ、朝の7時半頃、ひと通りの製作作業を終えた。

この数日は天気が曇りがちで、気温もマイナスひと桁台と暖かい。海氷が心配になってしまうが、なるようにしかならないから、このあともマイペースで準備を継続する。

Hbv6vv6j 新加入後、コミュニケーションをとっていたアミッ兄弟を試走する。少数の5頭で出かけた。合格だ。よく橇を曳いてくれる。他の犬たちに比べてまだなつかないが、そのうち仲良くなれるだろう。3月中旬予定の犬橇旅行スタートまでに、14頭の犬たちをまとめるのは俺の仕事だ。
午後の南の空が、だいぶ明るい赤みを帯びるようになった。太陽が顔を出すまで、あと2週間。

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