4月13日、昨夜から地吹雪となっていたが、夕方近くになって風が止み、南の内陸方面の視界がきれた。「シオラパルクへ帰ろう」ということで、アグチンギアとピーターと共にPM5時頃、アウンアットを出発する。すでに1日中明るいのだ。雄大なInglefield Landの台地を越えて行く旅路だ。
4月14日、台地を犬橇で走り続けて、日付けが変わったAM12時過ぎに、氷帽との境に到着し、テントを張ることに。やや風が強く低い地吹雪だ。
AM9時頃目が覚める。腹ごしらえをしたあとAM11時頃出発。最初は氷河を登る急勾配。犬達を叱咤しながら、なだらかな斜面まで橇を引っ張り上げる。汗だくだ。地吹雪の中、アグチンギアとピーターと共に、ひたすら内陸氷帽を走り続ける。氷帽を越えて、海氷に下りたのがPM10時半頃。この時点ですでに70km以上は走っていたが、彼らはこのまま一気に50kmほど離れたシオラパルク村へ戻るという。
4月15日、走りに走り、AM4時頃ようやくシオラパルクに到着。犬達は重い荷物を曳き、よく走ってくれた。早朝で村は静まりかえっている。犬達を橇から外し、繋ぎ直してからテントを張る。エサをたっぷり与えたあと、自分も空腹を満たしてから、ようやく一眠りについた。
今回カナダ側へ犬橇で渡ることはできなかったが、観測課題を実施したり、雄大な自然に触れて納得のいくものだった。昨シーズン、そして今シーズンと14ヶ月間に渡るグリーンランドでの滞在、活動の成果を、今後報告することが出来ればと思う。一旦グリーンランドでの活動は一区切りつけ、次に進みたい。
このあとのオペのことを考えないといけない。来シーズン以降、カナダ側で活動が出来るように、ヌナブット州のレゾリュートベイに犬達をチャーター機で輸送移動させておきたい。すでにスノーモービルが移動手段に変わってしまったカナダ側では、有能なソリ曳き犬を手に入れるのは、至難の業なのだ。だから犬達の輸送にこだわっている。今のチームに愛着もある。一度はチャーター機を利用することを断念し、海氷が安定しない危険な海峡を犬橇で渡り、犬達をカナダ側に連れていくことに賭けてみたのだが至らなかった。「冒険」というセンスは自分には無いのだと思う。現在、チャーター機の再調整に入っている。5月上旬に輸送オペをするべく、日本から有佐に手配してもらっているが、無事終了できるように集中したい。
漠然と来シーズンは計画ルート上をレゾリュートから、2シーズン続けて犬橇で渡ることが出来なかったスミス海峡(カナダ側)までの観測などを実施出来ればと考えている。帰国後詳細を練り直したい。また幅を持たせるためにも一緒にフィールドワークを出来る相棒をなんとか見つけたい。一人で出来る作業量は限界があるのを痛感している。アバンナット計画はまだまだ続くのだ。
※写真上:海氷より雄大なInglefield Landを望む。写真中央左:海氷観測風景。写真中央右:双眼鏡を覗く。写真下左:Inglefield Landの台地にてアグチンギアと。写真下右:鼻が凍傷。
4月14日、台地を犬橇で走り続けて、日付けが変わったAM12時過ぎに、氷帽との境に到着し、テントを張ることに。やや風が強く低い地吹雪だ。
AM9時頃目が覚める。腹ごしらえをしたあとAM11時頃出発。最初は氷河を登る急勾配。犬達を叱咤しながら、なだらかな斜面まで橇を引っ張り上げる。汗だくだ。地吹雪の中、アグチンギアとピーターと共に、ひたすら内陸氷帽を走り続ける。氷帽を越えて、海氷に下りたのがPM10時半頃。この時点ですでに70km以上は走っていたが、彼らはこのまま一気に50kmほど離れたシオラパルク村へ戻るという。
4月15日、走りに走り、AM4時頃ようやくシオラパルクに到着。犬達は重い荷物を曳き、よく走ってくれた。早朝で村は静まりかえっている。犬達を橇から外し、繋ぎ直してからテントを張る。エサをたっぷり与えたあと、自分も空腹を満たしてから、ようやく一眠りについた。
今回カナダ側へ犬橇で渡ることはできなかったが、観測課題を実施したり、雄大な自然に触れて納得のいくものだった。昨シーズン、そして今シーズンと14ヶ月間に渡るグリーンランドでの滞在、活動の成果を、今後報告することが出来ればと思う。一旦グリーンランドでの活動は一区切りつけ、次に進みたい。
このあとのオペのことを考えないといけない。来シーズン以降、カナダ側で活動が出来るように、ヌナブット州のレゾリュートベイに犬達をチャーター機で輸送移動させておきたい。すでにスノーモービルが移動手段に変わってしまったカナダ側では、有能なソリ曳き犬を手に入れるのは、至難の業なのだ。だから犬達の輸送にこだわっている。今のチームに愛着もある。一度はチャーター機を利用することを断念し、海氷が安定しない危険な海峡を犬橇で渡り、犬達をカナダ側に連れていくことに賭けてみたのだが至らなかった。「冒険」というセンスは自分には無いのだと思う。現在、チャーター機の再調整に入っている。5月上旬に輸送オペをするべく、日本から有佐に手配してもらっているが、無事終了できるように集中したい。
漠然と来シーズンは計画ルート上をレゾリュートから、2シーズン続けて犬橇で渡ることが出来なかったスミス海峡(カナダ側)までの観測などを実施出来ればと考えている。帰国後詳細を練り直したい。また幅を持たせるためにも一緒にフィールドワークを出来る相棒をなんとか見つけたい。一人で出来る作業量は限界があるのを痛感している。アバンナット計画はまだまだ続くのだ。
※写真上:海氷より雄大なInglefield Landを望む。写真中央左:海氷観測風景。写真中央右:双眼鏡を覗く。写真下左:Inglefield Landの台地にてアグチンギアと。写真下右:鼻が凍傷。