11月29日(土)
12月1日を犬橇トレーニングの開始日、と決めて今日も色々と準備した。胴バンドのついていない犬達には取り付けてやったり、また犬を仮留めする場所を整備したり・・・。
今日、レゾリュートの隣町(といっても800kmほど離れている)グリスフィヨルドという小さな町のイヌイットのもとへ、子犬2匹がもらわれていった。カナダイヌイットの間では、犬橇文化が崩壊し、スノーモービルへと変わってしまったのだが、中にはまだ犬橇を操るイヌイットもいるのだ。しかし混血も進み、純粋な橇曳き犬の血は絶えつつあるのが現状だ。「純粋なイヌイット犬の血を入れたい。」と申し入れがあり、僕がグリーンランドから連れてきた犬に産まれた子犬を譲る運びとなった。グリーンランドでは、他の国から犬を持ち込むのを法律上禁止していて、混血していない純粋なイヌイット犬が残された最後の場所、といっていいと思う。カナダでもイヌイットの犬橇文化を絶やさない、という意味ではすごく大切なことだと思った次第だ。
手元には2匹の子犬が残ったが、大切に育ててやろう。
写真:(左上)犬たちを仮留めする紐を設置。石に紐を縛って雪の下に埋め、水をかけて凍らせた。水が足りなかったので、小用で間に合わせた・・・。(右上)胴バンドをつけてやる。「走る季節が来たのか!?」と犬たちの遠吠えの合唱が始まった。繋がれているのにうんざりしているのだろう。(左下)グリスフィヨルドへもらわれていった2匹の子犬。白いのがメス。頭の茶色いのがオス。(右下)今日のワンコはアミッアミッ。相変わらずシャイですな。