山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

北極圏の犬ぞり遠征をライフワークにしている山崎 哲秀のブログです。北極圏を犬ぞりで遠征し環境調査を行うアバンナットプロジェクトに取り組んでいます。このブログでは、遠征前は日本での準備や生活の様子、遠征中は、北極圏の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2009年12月

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20091228_2 20091228日(月) 地吹雪

 クリスマスが終わり、年末に差し掛かったレゾリュートは静かな感じだ。

現在12頭の我がドックチームを補強すべく、若いオス犬を2頭ほど12月に入ってから探している。12頭のうちの2頭のメス犬が、2月下旬頃からを予定している犬橇本旅行の際、産休になる可能性を考えてのことだ。数日前に、1頭譲ってもいいという人が現れ、連れてきて餌をやりながら様子を見ていた。昨日は天気が良かったので、少しテストをしてみたところ、ちょっとソリ曳き犬には厳しいなという感じ。餌をもらってないのか、やせ細っている上に、脚とか体の骨格があまりに細く、テストを共にした他の4頭の犬たちにソリと一緒に引きずられ続け、走れないのだ。1歳を過ぎたシンとコウがなんと立派に見えることか・・。情が湧く前に飼い主に戻すことに決めた。

 今日はブリザード。こんな日は屋内作業。日本から持ってきたムートンの毛皮で防寒オーバー靴を縫い始めた。寒い時に、防寒靴のさらに上に履くものだ。こちらでは「マングアッ」というらしい。イヌイットの間では、実際はトナカイの毛皮なんかを利用するはずだ。

写真:縫いかけの防寒オーバー靴「マングアッ」。

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20091225日(金) やや地吹雪

 年末年始を極地で過ごすのも、2004年の南極観測隊に参加以来、6シーズン連続となった。今日はこのレゾリュートもクリスマスを迎えた。町の講堂であったクリスマス会に参加してきた。去年もそうだったけど、クリスマスはイヌイット文化から離れた、立食パーティーだ。クリスマスツリーが飾られ、やはり盛り上がりは、子供たちのためにサンタクロースが登場。写真を撮ろうとすると、カメラに向かって手を上げてくれるほど、サービス満点のサンタクロースだった。アザラシの肉、美味かったなあ・・・。

こういう日はやっぱり、一人で過ごすものじゃないんだろうね。大勢の中で浮いてしまいます(笑)。ここでは犬たちが家族です。

写真上:町のクリスマス会にて。食べ物のあるテーブルに集まる人たちと、サンタクロースからプレゼントをもらう子供たち。

写真下:宿泊先のSouth Camp Innのクリスマスツリー。

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20091223 20091223日(水) 晴れ

 天気も良く、犬ぞりトレーニング&海氷観測をして帰ってきたあと、部屋の掃除をすることに。借りている部屋は8畳くらいのスペースだが、たまには掃除もする。掃除機を借りてカーペットをきれいにしたあと、トイレ掃除。そして洗濯もした。いい気晴らしになった。もう年末だなあ・・・。

写真:掃除機をかける風景。

20091222日(火) 地吹雪のち晴れ

 ここレゾリュートも、日本から一日遅れて冬至。「ミッドウィンター」だ。一日中太陽が昇らず暗いから、ミッドウィンターという言い方に現実味を感じる(笑)。極夜も折り返し。これまでは一日一日と明るい時間帯が短くなっていたのが、今度は一日一日と明るい時間帯が増えていく。外は相変わらず地吹雪の日が多いけど、気分も明るくなってくるね。ちなみに太陽が戻って来るのは2月初旬頃。よし!!

20091221日(月) 曇りのち晴れ

 3日ぶりに雲が切れて晴れ空になってみると、どうやら月がまた戻って来たようだ。犬ぞりトレーニング&観測から帰って、PM3時半頃、犬たちに餌をやりに外に出たら、南の空に三日月が顔を出していた。太陽の代わりの月に思わず嬉しくなる。

今日もエスキモー語講座。「月」はエスキモー語で「アニガー」。そして「お金」のことをなんて言うかというと「アニガー ファ」。ここでの「ファ」という意味は「~のようなもの」になる。ようするにお金(硬貨)のことを「月のようなもの」と表現してる。面白いね。

さて問題です。「ヒオガ」というのは「砂」のことを意味します。それでは「ヒオガー ファ」と言うのは、どういう意味でしょう?(答えは写真の下)

写真:じゃれついてくるリクとシン。

答え:「砂糖(砂のようなもの)」でした!

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20091218日(金) 晴れ(低い地吹雪)

 朝早くに目が覚めてしまって寝付けなかったので、5時頃早々に気象観測に外に出た。空には満点の星。そして高緯度のレゾリュートにも珍しく、薄っすらとオーロラが出ていた。寝静まっている犬たちの中で、シンがムクムクと起き上がって寄り添ってきた。「シン、ほら見ろ。オーロラや。」そこに今度は、かなり鮮やかな流れ星。出来すぎたシーン(場面)だなあ。ま、横にいる相手がシンでもいいか。今シーズンもいい遠征にしようゼ。

グリーンランド、アバンナッソア地区のエスキモー語で、オーロラのことは「アッハンナ」。何かが踊っている意味だったはずだが、なんだったかなあ・・・?流星は「ウッドガヤ アナッ」。この意味が面白い。ウッドガヤは星のこと。アナッは糞のこと。ようするに星のうんこ、という意味だ。シンプルだよね(笑)。ちなみに彗星のことを「ウッドガヤ パミウリ」。パミウリは尻尾、の意味。シンプルだよねえ(笑×2)。

写真:17日のPM1時頃の南の空。色彩が綺麗だった。向うにはグリフィス島の島影が見える。手前は犬たち。

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20091216 20091216日(水) 晴れ

 いや~、長い悪天候だった。昨日のブログには、気分転換に青空が広がった犬ぞり風景の動画を載せてみました。20084月に撮影した動画でした。

今レゾリュートは極夜で、一日中太陽が昇らない季節だから、青空は見れないのだけど、あと1週間もすれば冬至も過ぎて、極夜も折り返し。

 今日はしっかり犬ぞりトレーニング。気分スッキリ。キナリ、シン、リク、コウ、アプ、カヌッルンニの6頭立て。冬至を過ぎたら、一回のトレーニングで走らす犬たちを、8頭くらいに増やしてステップアップしようと考えている。それと、チーム補強のために、現在2頭のオス犬を探している。

写真:今日のトレーニングにて。

20091213日(日) 地吹雪

 地吹雪ばっかり。レゾリュート入りして1ヶ月が経ったが、3分の2以上は吹雪かれているんじゃないだろうか。

気を取り直して、今日のワンコ紹介。一巡目、最後は「アプ」。ウヤーの兄弟犬で、やはり体は同じくチームの中でも小さいほう。それでもめっぽう元気すぎるくらい元気で、落ち着きがないといいますか・・。人懐っこい犬で、近づいたらいつも、顔をめがけて鼻先で頭突いてくる。今はメス犬のコウに夢中です。

写真:数日前のアプ。元気過ぎます。

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20091211 20091211日(金) 地吹雪

 今日も快晴!・・のはずが予想を反して朝から地吹雪。聞いてないよぉ~。どんどんと天候は悪化して、夕方までには視程が500mもないような、ブリザードとなった。気圧は1040hpa以上あるのにね。

犬たちはブリザードをやり過ごすように、様子を見に行っても丸くなって寝入っている。

犬ぞりで出れないからと、退屈なわけではない。屋内で、なにかと作業を見つけて動いている。性格だろうな・・。

今日は嬉しいことが一つ。日本から別送の装備品、「第一便」が届いた。郵便局にピックアップに行き、さっそく開けてみた。

写真:別送の装備品、第一便が届く。

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20091210日(木) 快晴

 気持ちいいくらい快晴。AM10時半頃、犬ぞりの準備を始めて出かける。今日はキナリ、リク、シン、ルッキ、ウヤー、ラッシの6頭。湾を出て少し沖合いへ。観測日和なので、海氷のデータを収集。氷の厚さは43cm。これまでで一番薄かった。気温もマイナス34℃と冷え込み、両方の頬が少し凍傷になる。この部分はもう癖になっていて、毎シーズン同じ場所がやられてしまう。話のネタにはいいのだけれど、勲章にはしたくないものだ。

写真上:両頬が少し凍傷に。

写真下:今日のわんこ紹介は「アミッアミッ」。昨日紹介したアミッバル同様に、引き取った当初は人間をすごく怖がっていたけど、今では触ってやると気持ち良さそうに、おとなしくしている。アミッアミッは平和主義で、喧嘩を他の犬たちにふっかけたりしない、おりこうさん。気の優しい犬です。顔立ちがなかなかハンサム。仕事をサボらない、すごく真面目な犬です。

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20091209 2009129日(水) 地吹雪のち晴れ

 連日マイナス30℃以下の気温が続いている。昨夜からの地吹雪は、あっけなく午後あたりには穏やかになった。明日からはしばらく落ち着いた天気になりそうだ。

 今日は、自分がレゾリュートで滞在している宿舎を紹介。泊まっているところは「South Camp Inn」 → http://www.southcampinn.com/ というアジスさんが経営するアコモデーション(宿泊施設)で、もともとレゾリュートで働く、設備関係の労働者が長期滞在するアパートとして利用されていたようで、のちに増築した新館を旅行者などの宿泊(ホテル)としているようだ。施設にはちゃんと専属のコックさんもいて、3食込みというありがたい環境。まともに何ヶ月も滞在していたらとても支払いができないので、アジイさんの好意で、ここに長期滞在している人たちと同じような条件で、宿泊させて頂いてる。北極遠征の人たちの利用も多い。活動のベースがあるというのは、安心して取り組むことができる。アジイさんにも感謝、感謝です。

写真上:宿泊滞在しているSouth Camp Inn

写真下:今日のわんこ紹介は「アミッバル」。次回登場のアミッアミッとは兄弟。アミッバルは元の飼い主の影響だったのか、1歳過ぎた頃に引き取った当時は、とにかく人間を恐れていて、僕が近づいても逃げまとっていた。今でも他の犬たちに比べたら、触られるのを嫌がるが、随分となつくようになった。餌をいくらやっても太らず、気が強い痩せっぽちのアミッバルだけど、馬力はある。白熊に敏感で、いつも一番最初に気付いてくれる、飼い主にはありがたいヤツです。

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2009128日(火) 

 今日ようやく犬ぞりを出すことができた。南の空が薄明るくなるお昼前後に、一時的に天気が良く、犬たちを走らせた次第。キナリ、シン、リク、アミッ兄弟、シルバーの6頭をトレーニングする。今日はサイレス&サエコ夫妻も是非とのことで参加。マイナス30℃より下がった気温の中で2時間ほど活動してきた。昨日あたりからグッと冷え込み始めて、手元の温度計でマイナス34.2℃を記録。いよいよ北極も冬本番か。町に戻ったら、また視程不良になってきた。予報は今晩からまたブリザード。犬たちにはしっかり餌を与えた。

写真上:吐く息が凍る、サイレス&サエコさん。

写真下:今日のワンコ紹介は「ウヤー」。兄弟犬にアプがいて、チームではどちらかというと体は小さいほう。でもウヤーは気が強く、一緒に繋いでいるルッキとは、しょっちゅう取っ組み合いをしている。兄弟が揃えば怖いものなしという感じ。ウヤーの特徴は鼻が利くこと。

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2009126日(日) 雪のち晴れ

 夕方になり、ようやく天気が回復。いつも出入りしている宿舎の裏口に、雪が吹き溜まってしまったので、スコップでせっせせっせと雪かきをしていると、町の除雪ブルドーザーが通りかかり、ひょいひょいっと二(ふた)かき。あっという間に除雪。早っ・・、なんじゃそりゃ。まだまだ重機には負けへんで~。

 季節が真冬へと移ろうとしているのかもしれない。冷え込んできそうな気配。明日は犬ぞりで暴れるでえ~!

写真:今日の犬紹介は「カヌッルンニ」。4歳を過ぎたところで、ソリ曳き犬として脂が乗り切っている頃。カヌッルンニのいいところは、喧嘩は好まず弱い(気が優しい)のだけど、とにかく明るい。いつも近くに行くと飛び上がってじゃれついてくる。敵をつくらないタイプです。

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2009125日(金) ブリザード

 3日から天気が崩れ、今日もブリザード。地吹雪となって視界は「真っ白」。ということで、今日も屋内作業。シンが胴バンドを噛み切ってしまう癖がある。今シーズン3度目の修繕。犬ぞりデビューを果たしたので、新しい胴バンドを新調してやろうと思っているのに、お預けだ。

写真:(上)胴バンドの修理風景。(下)シンの胴バンドは、継ぎはぎだらけ。

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2009122日(水) 晴れ 一時 霧

 今朝6時に外に出た時は、満月が煌々と輝いていたが、時間が経つにつれて霧が出始めて視界が利かなくなった。犬ぞりを出す準備を進めていたが、見合わせた。午後を過ぎても変わらないので、犬たちに餌を与えたら、そのあと急に霧が切れ始めた。舌打ちだ。また明日、明日!

写真上:満月が輝く。

写真下:今日の犬紹介は「キナリ」。ルッキと並んでボス格であると共に、チームの大事なリーダー犬。キナリが前に出ると走行中は一番まとまる。子分で仲の良かったウキダガヤが亡くなってしまい、気落ちしないか心配だったけど、大丈夫そう。最近、自分より体格が大きくなったリクに反抗にあい、喧嘩ではやや押さえ込まれ気味。顔は相変わらず傷だらけでハクがありますなあ。チームでも長老になったけど元気です。

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2009121日(火) 曇りのち雪

 AM11時前に、犬ぞりトレーニングを兼ねて海氷観測にでかける。天気はどんよりと曇り。温度計を忘れてしまった。いかん、いかん・・・。風が弱く、暖かく感じた。午後、町にもどってしばらくすると、雪がちらついてきた。

よく考えたら今日から12月。今年ももう師走か。

写真:今日のワンコ紹介は、メス犬の「コウ」。シンと兄妹で1歳を過ぎた。母親のラッシに似て、食い意地がすごくはっている。また元気が良すぎるくらいで、ピョコピョコ跳ね回っている。これも母親似か・・。写真の左上は半年前のコウ。そして今は、すっかり大人っぽくなった。まだ体は大きくなりきってないように思う。数日前から発情。チームの男どもを幻惑しています(笑)。

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20091130日(月) 晴れ(低い地吹雪を伴う)

 少し風が弱まったので、犬たちのトレーニングに出かける。キナリ、リク、シン、ルッキ、ラッシ、ウヤーの6頭立て。湾の外まで足を延ばしてみた。

 今日、コウが発情した。このまま身ごもるとすれば、今シーズンの犬ぞり旅行にはタイミング的に、連れて行けないかもしれないなあ・・。もう一頭のメス犬のラッシは、今度いつ発情してしまうだろう。4月か5月頃ならタイミングがいいのだが・・。今シーズンは深刻な戦力不足だ。メス犬2頭は戦力と考えないとして、もしオス犬が怪我でもして離脱されたらあとがない。頭が痛いところだ。2頭ほど若いオス犬を補強したいのだが、このレゾリュートで、重い荷物を積んだソリを引っ張れる犬が、果たして手に入るのか?なるべく早いうちに補強をするか、しないか結論を出さないと・・。野球やサッカーなどチームを組むスポーツで、事情に合わせて戦力を補強する気持ちがなんとなく分かるなあ。

写真上:月が周囲を照らす。間もなく満月だ!

写真下:今日のワンコ紹介は「シルバー」。今のチームは4シーズン目を迎えるが、このチームを結成した時には、シルバーファミリーの犬たちが半数を占めていたのだが(元の飼い主が同じだった)、ファミリー犬だった、シロ、クロ、クガッが順番に亡くなっていったと共に、やや最近は元気が無くなってきたような気がする。体も大きく馬力もある。今シーズンも頑張ってくださいよ。

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