山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

北極圏の犬ぞり遠征をライフワークにしている山崎 哲秀のブログです。北極圏を犬ぞりで遠征し環境調査を行うアバンナットプロジェクトに取り組んでいます。このブログでは、遠征前は日本での準備や生活の様子、遠征中は、北極圏の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2010年03月

P1050100s_2 【3月25日】雪のち曇 -26.0度

朝からひどい乱氷帯と格闘し、犬たちの奮闘のおかげで何とか乗り越え、補給地点のByam Martin島北端に戻ってきた。

乱氷帯は、まっすぐには進めない。迷路のようにつながる平らな箇所を探し当てながら進むのだが、行き詰まったときは、戻って他のルートを探す、小さい乱氷は壊したり埋めたりしてルートを作る、どうしても乗り越えなければいけないときは荷物をソリから降ろし、空荷で乗り越えた後、荷物を積み直す、などの作業が続き、犬には大声をかけっぱなし、神経もとがるし、体力がいる。乱氷帯を乗り切った時には全身ヘトヘトだった。

今日は視界が良く、目標のByam Martin島が見え、乱氷帯も見渡せたから乗り越えられたが、視界が悪ければ決して乗り越えられるものではない。

前回の補給地が見つからず、その付近と思われる場所でキャンプを設営。この場所を次の補給地とする。後から犬4匹だけの犬橇でGPSを使い前回の補給地を探すと、新しい補給地から1.5km西側だったことがわかった。前回の補給地に燃料をデポしていたのだが、雪に埋もれてわからなくなっていたのだ。燃料を回収した。これでテント内で濡れた衣服等を乾かすことができる。一緒にデポしていたアザラシの脂肪は、シロクマの仕業だろう、きれいになくなっていた。

3/30に予定している次の補給まではここで待機し、犬を休ませ太らせたり、荷物を整理したり、補給後に開始する後半戦の準備をしたり、Byam Martin島の上陸口を探したりする予定。おかげさまで計約2ヶ月を予定しているこの遠征の前半戦は無事終了です。観測調査も順調に進んでいます。皆様、応援をありがとうございます!

写真:

前半戦終了。 顔にもハクがつきました。3月は寒かった。4月はもっと暖かくなるはず。

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P1060722sサイ&サエ夫妻から

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月曜日の夜10時頃、ウキヨとキャヨットの大脱走にまぎれたコウがプチ家出をして1時間ほど帰ってきませんでした。最初は追っかけてみたんですが、体力の限界、くるしい~、動けない~。もう帰ってきたらノックしてくださいってな感じで待つことにしました。

しばらくすると、ウキヨたちが吠え始めたので、あ、コウかなと外に出P1060726sて行ってみると、まだまだ遊びたいんですけどっみたいな体勢のコウを捕まえて、一件落着。

水曜日は仕事が休みのサイが、散歩にウキヨ兄弟とコウをつれていきました。
ホテルの裏に、やまさきさんが犬をつないでいたんですが、そこに連れて行って綱を離しました。コウを捕まえるのが大変だったので、一応やめたほうがいいんじゃないと言ってみたんですが。案の定、コウはあっという間にはるかかなた、豆粒の大きさになって、後を追いかけるウキヨとキャヨット。P1060730s

サイは3匹を追いかけていきました。コウは夏の間に犬達をつないでいた所まで行ったそうです。やまさきさんと犬達に会いたかったのかな、かわいそうに。戻ってきた3匹とサイはあごに巨大なつららができていました。楽しかったみたいです。

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写真

1枚目:豆粒になったサイさんとコウ、ウキヨ、キャヨット

2枚目:ウキヨ? 

3枚目:レゾリュートの町並みとコウ

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犬のあごにもつららとは! アリサ

 

【3月23日】

地吹雪の中、10:45移動開始、視界がなくなったため14:30行動終了。風が強くナビゲーションができない。目指す方向は丁度風上だ。ひたすら風に向かって進む。顔面が凍傷で鼻がもげそうである。

ラッシの発情が終わり、犬たちは元通りの「いい子ちゃん」たちに戻った。やれやれだ。先日のじんましんも今ではすっかりよくなっている。残る問題は痛む肘のみとなった。

明日は多年氷があると想定される補給ポイントの北10-15kmの地点まで行き、氷の状況を確認する予定。

【3月24日】晴れのち地吹雪

明け方、またヤツがやってきた。シロクマだ。シロクマは自分の匂いが風に乗って流れて相手に気づかれないように、風下から近づいてくる。犬たちが騒ぎ出して外を見ると、もうシンと格闘状態だった。銃を二発発砲し、追い払った。

去年のシンはまだ子犬だったのに、今ではチームで一番でかくなりつつある。最近は、シンがリクを苛めているようだ。急に成り上がり他の犬を苛めようとする犬は、ある時、他の犬から一斉に攻撃されることがある。シンもそのうちみんなからボコボコにされやしないか心配だ。

朝7時半出発。ずっと地吹雪が続く。視界の悪い中、前進を続け、お昼頃、全く視界がなくなったので行動中止。海氷調査。海氷厚255cm。2、3年くらいの多年氷かもしれない。

この先は乱氷帯だ。視界がないと抜けきれないだろう。下手に動くとどんどんひどい乱氷帯にはまってしまうことになる。次の補給は3月30日の予定なので、まだ時間はある。視界のいい時に動きたい。

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P1090501s P1090545s

P1090563s 

北見工業大学雪氷研究室のみなさんから、先週行われたパタゴニアでのフィールドワークの写真とともにアバンナットプロジェクトへの応援メッセージをいただきました。どうもありがとうございます!

氷河の前で、アバンナット犬ぞりTシャツを着ていただいています!氷河から流れ出る水に足下が冷たそう~。

皆さんからの「アバンナットTシャツ着てます」写メールは大歓迎です!携帯電話で撮影した写真でもとても嬉しいですので、どうぞ気楽にお送り下さい、お待ちしています。 アバンナットTシャツに関するお問い合わせもどうぞこちらまで。 avangnaq@gaia.eonet.ne.jp

【3月21日】-26.2度

朝、風が収まった。珍しく視界も効いている。今日もう一日、もう少しだけ南側を探索しようと用意を始めたのも束の間、また天気が急転し、強い地吹雪。今日も停滞となった。もともと今日を折り返し日と予定していたので、明日からは北上し、前回の補給地へ一旦戻り、補給後、メルビル島の北部を目指す予定。

風が止むのか止まないのかどっちつかずの状態がここ1週間続いている。このところ風の向きは北東ないしは北西である。南に向かうのは風を背に受けるのでまだよいが、北に向かうには風を正面からまともに受けるため凍傷を免れない。弱まれ、風!

同じ場所で何日も風に吹かれ停滞すると、テントやソリや犬たちの周りにドリフト(雪だまり)ができ、だんだん埋まってくる。時々雪に埋もれた引き綱を引っ張り出すのは、引き綱が動かなくなると犬が動けなくなるからだ。犬たちはブリザードでも騒いだり丸まって寝たり、元気にしている。

夕方、少し低い地吹雪になり、赤い夕日がきれいに沈んでいった。今日の日の入りは20時頃である。今日は春分。日本も北極も昼と夜が半分半分である。

明日には動きたい。

P1050032 【3月22日】-29.5度 晴れ!

戻り始めるその日に久しぶりの晴れだ。このまま晴れが続くと名残惜しくなるが、北極の天気は変わりやすい。無理をして、補給を受けられなくない事態に陥れば致命傷だ。北上を開始する。

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写真:メルビル島のConself Headに上陸し、しばし、犬たちと戯れる。

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P1040976_2 【3月19日】晴れのちブリザード -34.6度

朝8時出発。すぐにブリザードになり、お昼頃、視界がなくなり行動終了。

昨日までのブリザードで海氷面の雪が飛ばされツルツルになっているので短時間でかなり距離を稼げた。

メルビル島の東海岸はこのあたりまで。ここを過ぎれば島の南側になるが、南側は1月の終わりから2月初めの時期まで海氷が動いていたため安定せず、あまり遠くに行けそうにないが、21日まで進んでみたい。天気次第だ。

グリーンランドのイヌイットたちがしているように、発情を押さえるため、ラッシのエサを減らすことにした。

肘を完全に壊してしまった。くの字のまま、まっすぐに伸びない、曲がらない。レゾリュートに戻るまでは誤魔化しながらやるしかない。

じんましんで首周りがかゆい。フグ茶漬けが原因と思われる。うまかったんだけれど。

【3月20日】終日ブリザード -25.4度

ブリザードにより一日停滞。最近は荒天続きなので、動けないことが多い。補給地に補給日までに戻れないといけないので、このブリザードがやんだら、補給地まで戻ることにする。早めに補給地に帰って、犬と肘とじんましんのコンディションを整えたい。

ブリザードの中、犬の様子を見がてら、時々雪に埋もれた引き綱を掘り出しに行く。

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写真:壮大な太陽ショーが見られた。内暈、外暈、環天頂アークが見られる。

私たちの知人ではないのですが、空と太陽の現象については、「空の輝き」 http://homepage3.nifty.com/ueyama/sky2/sky.html というページが非常に詳しく、写真もきれいで読み物としても楽しいです。

【3月16日】雪のち薄曇り -31.8度

7:30出発13:30行動終了

メルビル島に進んでいたら、いつの間にか島に上陸していた。海岸線がのっぺりしており、ホワイトアウトと凍った海と陸地の境がはっきりしないのとで気がつかなかったのだ。目指してきたメルビル島に記念すべき上陸である。その後、また海氷上に戻り観測。

今日はずっとホワイトアウトで視界がきかない。ホワイトアウトの中のナビゲーションは目が疲れてくる。先頭を走るリーダー犬のキナリも食欲をなくすし、食べても戻す。ホワイトアウトで酔うのだろう。

ラッシが発情してチームがめちゃくちゃである。オスは興奮してけんかが絶えないし、走りながらでもリクはラッシに飛び乗ろうとする。もつれた引き綱をほぐすのにいつも以上に手がかかる。

右肘が時々痛む。鞭の振りすぎによる職業病だ。たまに軟骨がコリッと当たって響く感じだ。

メルビル島に上陸した後は島沿いに南下を開始。21日まで進み、そのあとまた1週間かけて前回の補給ポイントに戻る予定。

15時くらいから風が強まってきた。夜は吹雪くのではないだろうか。

【3月17日】-30.7度

午後から本格的なブリザードになり、視界が0だ。本日は停滞。

ブリザードの中でもラッシとルッキはいちゃついている。カヌッルンニとウヤーのギャラリーが興奮してケンカをはじめた。リクが特にうるさく、夜中、キャンキャンなく。このブリザードの間に発情期が終わればいいのに。この旅行後に子犬が生まれるだろう。来シーズンは、旅行中に発情しないように、コントロールすることにする。旅行中の発情は、大騒ぎどころではなく、こちらも気が立ち消耗してしまう。

節約のため食事以外はコンロをつけないテントの中は寒いので、寝袋にもぐって過ごす。外はすごいブリザードだが、三角テントは強風でも心配ない。

【3月18日】地吹雪、ブリザードのち晴れ -27.4度

昨日は一日じゅう強風で犬たちにエサをやれなかったが、朝8時から30分くらい風が弱まった間にエサをやる。強風が吹いている間はドッグフードが風で飛ばされるため、エサはお預けになるのだ。しかしどの犬もあまり食べない。ラッシの発情で胸がいっぱいでご飯がのどを通らないのか、暖かくなってきたので体が欲しなくなってきたのだろう。ルッキとラッシの二匹を一緒につないでいるが、みんなそれに釘付けでキャンキャンキャンキャンやかましい。

午後になってやっと風も穏やかになり、視界も10キロくらいになった。これまでのブリザードで柔らかい雪は吹き飛び、海氷面は堅いサスツルギとなり、ソリで走るにはガタガタするだろう。

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【3月14日】

結局、補給隊のトミーとサイレスは昨夜10時20分に到着。途中で荷物を積んだソリが1台壊れたらしく、スノーモビル2台とソリ1台でやってきた。残してきた1台に積まれた荷物は、明日、届けてくれるようだ。彼らは自分たちのテントを持たずにやってきた。壊れた方のソリが小屋になっているのかもしれない。夕べは一つのテントで3人で泊まった。

二人は朝のうちに壊れたソリまで行き、残りの補給物資を届けてくれた。彼らのためにテルモスにお湯を作って持たせた。午後、二人は再びバサースト島に向け去っていった。

補給物資はドッグフードと自分の食料と燃料だ。今日は犬たちにドッグフードとともに補給物資として届いたアザラシの脂肪を与えた。この脂肪は、サエさんがイヌイットのジッポーラから譲り受けたアザラシの皮と脂肪を家で解凍し、脂肪を取り分けてくれたもの。サエさん、どうもありがとうございます。犬たちに代わり、どうもご馳走様でした!

今後の計画を立てた。

・この地点をあと2回の補給ポイントする。

・これからまずメルビル島の南側を探索、観測。

・3月下旬、2回目の補給。

・メルビル島の北側を探索、観測。

・4月上旬、3回目の補給、北見工大の田中さんと合流。

・レゾリュートへの帰路を田中さんと観測調査を実施。

【3月15日】くもりのち晴れ -27.8度

8時前出発、15時終了。

出発してすぐのバイアムマーチン島周辺は乱氷がひどく、北上して逃げる。海氷が開けた時点で西へ西へと進む。今日は40キロ近く進んだ。犬たちもよく走ってくれる。海氷観測。このあたりで海氷厚は170cmくらいである。途中、海氷面が波打った多年氷の海域を通る。手持ちの海氷厚を測定する器械では250cmが限度だが、このあたりはもう少しあるかもしれない。どこかの多年氷で氷のサンプリングを実施する予定。

今日は北風が冷たかった。鼻が凍傷で痛くて仕方がない。

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【3月12日】-26.3度

7:45出発-14:00行動終了、バイアムマーチン島の北端に到着。

ここはバサースト島からメルビル島に向かう途中にあり、またここまでの海氷は比較的状況がよく、補給地点としてはふさわしい場所だ。これからしばらくの間、メルビル島周辺域ををじっくり探索、観測するにあたり、あと2回の補給もここで補給を受けることになるだろう。4月には北見工大の学生の田中さんが観測に訪れることになっている。彼ともここで合流し、周辺域からレゾリュートまでを一緒に観測して回る予定。

【3月13日】

昨日到着した今の場所まで本日、補給隊が来ることになっているため、今日は停滞。自分たちはレゾリュートからここまでバサースト島南側の沿岸部の海氷を通って犬ぞりでやって来たが、補給隊はスノーモビルでバサースト島の内陸部を横切るポーラーベアパス(名前のとおり、シロクマの通り道)を通って、バサースト島上の小屋に一泊してから来ることになっている。本日は天気良し。補給隊は午後にもやってくるだろう。

手持ちのソーラーパネルはイリジウムの充電は問題なくできるが、パソコンの充電がうまくいっていない。バッテリーの節約のため、停滞日でもパソコン使い放題とはいかない。

補給隊は夕方になって日が暮れてもまだやってこない。何かトラブルでもあったのだろうか。

20100312sテツから。

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3月12日 マイナス27℃

ラッシが発情してしまった。犬ぞり旅行後くらいかと計算していたが、仕方がない。受け入れてやろう。

産休中のコウは今回の犬ぞり旅行には参加していないので、今はチームの中で紅一点のラッシ。オス犬たちは大騒ぎだ。思わず小田和正氏の「恋は大騒ぎ」という歌を口ずさんでしまった。コウといいラッシといい、一年中恋は大騒ぎだ。

写真:発情したラッシ。「お騒がせします。」

P1060686sレゾリュートのサイ&サエ夫妻から

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2,3日前からコウ、ウキヨ、キャヨットでお散歩をはじめました。
今日、ウキヨはちょっと興奮しすぎて、コウに甘噛みしてお返しされてました。
コウはいつもと同じように走って、仔犬たちは必死にコウを追っかけます。
あまりにも必死に走っているウキヨとキャヨットがかわいくて、おかしくて笑いが止まりません。
その上、防寒着の重量と、寒さよけの顔カバーで死ぬかと思った~。
キャヨットはマジメに走って、とてもおりこうでした。
ありささんの犬なら「飼い主を引きずるのは悪い子」でしょう?
私は引きずられっぱなしです。だから、彼らがこんなふうにそりをひく、
いい橇ひき犬になるんじゃなかと思うと、引きずられながらも期待で胸がふくらむのです。(ばか親?)

写真:前を行くのがコウ、後ろを追うのがウキヨとキャヨット。

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サイ&サエさま

テツ不在の間、コウと子犬たちのお世話をしていただいて、心からありがとうございます。子犬の頃にヒトにかけてもらった愛情を犬は絶対忘れないと私は思うのです(犬ばかですから)。ソリを力強く引くこともさることながら、ヒトへの忠誠心の厚い立派なソリ犬に育ちますように。アリサ

【3月10日】吹雪のち雪 -20.7度

天気はあまりよくないが、少し回復したのを見計らって出発することにした。視界が悪くナビゲーションがうまくいかない。もちろんナビゲーションといってもカーナビのように機械が道を教えてくれるのではない。自分で進行方向を定め、陸地や氷山など目標物がある場合はそれを目指し、目標物がない場合や天候不良で見えないときは風紋や風向きとの角度を保って進むのだが、吹雪いたりホワイトアウトで視界が悪いと真っすぐ進んでいるつもりでも曲がってくる。

レゾリュート出発前に衛星画像を注意して見ていたところ、バーサスト島とメルビル島の間のバイアムマーチン島の南側の海は遅くまで氷が動いていたので、ここからは、安全を取り、バイアムマーチン島の北側を通りメルビル島を目指す予定。

【3月11日】

朝7:30出発、14時行動終了、海氷観測。氷厚235cm。

海氷の表面にパドル(夏に海氷の表面が溶けてできる水たまり)が凍った跡のようなものが見られるので、2年目くらいの多年氷かもしれない。

今日は一日中、低い地吹雪から高い地吹雪であった。今日は風を背中から受けているのでまだ動けるが、これが正面からの風だと動けなくなる。テントを立てるのにも一苦労だった。ただし海氷の状態はよく、今日は40キロほど進んだ。いい氷を捕まえて、犬たちに楽をさせて体力を温存させてやりたい。

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20100309s停滞中のテツから。

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2010年3月9日 地吹雪 マイナス22.8℃
ブリザード、高い地吹雪、吹雪。

基本的に悪天候の日は、相当な何かがない限り停滞だ。その中でも外に出て、テント回りが雪で埋もれていたら除雪したり、犬たちが大丈夫か見てやったりする。それ以外はテントの中にいるのだが、燃料に限度があるため、ずっとコンロに火をつけているわけにはいかず節約。コンロを切っているときは、寝袋にもぐり込む。それが一番暖かいのだ。

風の音を聞きながら、色々と考えごと。どちらかというとまだ、これまでのことを懐かしんで思い出すよりも、これからのことを考えることのほうが多い気がする。夜の暗闇の訪れは、どこかへ取り残されたような気持ちになる。早く白夜の季節にならないかと願いながら、朝が来るのを待っている。


写真:吹雪に埋もれたテントと橇

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停滞中とは言え、北極の野外からパソコンでメールを送るのは決して楽ではない。テツはこのメールを送るために、冷え切ったパソコンを2時間体で暖め、コードも凍ってパリパリになっているのをコンロで暖めて柔らかくしたらしい。どんなに装備がよくなり通信状態がよくなったと言っても、北極の自然が厳しいことに変わりはない。

【3月8日】-30.1度

朝3時頃、シロクマ出現。暗くてよくわからなかったが、犬たちが追い払ってくれた。明るくなって調べてみると、テントから50mほどの距離に足跡を残していた。

今日は風が強いのと、やっておきたい用事もあったのでこの場に停滞する。

まず、気になっていた犬の足の裏の毛をカットしてやった。レゾリュート出発前は数日ブリザードが続いてカットしてやれなかったから。

今までは行動後、夕方太陽高度が低くなってから充電を行っていたため、なかなかソーラーパネルによる充電ができずにいたが、今日は風が強くても空から強い日差しが照りつけている。パソコンと衛星携帯電話イリジウムのフル充電をした。OK!

ドッグフードや燃料等の補給物資の手配をした。昨年は14匹チームだったが今年は11匹。馬力ならぬ犬力が少ない分、ソリの積荷を減らしているが、自分の装備を切り詰めてもドッグフードは減らさず。ドッグフードの消費が少ない分、補給の間隔は少し長くて済みそうだ。ここから西側に延びているいい氷の上をなるべくメルビル島に近いところまで進んで補給を受けたい。

そろそろレゾリュートの荻田さんも徒歩遠征に出発ですね。出発前、どこかで会えたらいいですねと言って見送ってもらいましたが、くれぐれもお気をつけて!

【3月9日】

本日も強風につき停滞。これからだんだん暖かくなっていくのが感じられる風だ、季節の変わり目の風なのかもしれない。

【3月6日】7:45出発、14:30終了、到着後海氷観測

昨日のキャンプ地から沿岸沿いに西に進む。バサースト島の南西角の岬まで来ると、沖合は乱氷で行く手を阻まれている。そしてその奥は水蒸気が上がっており、海氷が割れ海水面の開いたオープンウォーターであることがわかる。レゾリュート出発前に衛星画像で見た大きなクラック地点がこのあたりだ。岬をぐるっと周り込み、海氷観測をしながら北上することにする。氷厚160cmと意外に薄い。もう少し北上すれば、夏を越した多年氷が出てくるのではないだろうか。沖合は乱氷がひどく、しばらくは西に渡れそうにないが、北に行く内に道も開けるだろう。

【3月7日】-32.4度

S 朝8:30出発、14:30終了、海氷観測。朝から何度か乱氷帯に突撃したがなかなか西への海路が見つからずにしばらく北上を続けたが、午後になり、ようやく西に向かって平らな海氷面の広がった海域を発見した。こういう時は「いい氷を捕まえた」気分になる。この氷がどこまで西に続いているのかわからないが、行けるところまで西に進む予定。

犬たちは元気です。

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Ukiyo_s サイ&サエ夫妻から

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朝3時に外にいる仔犬たちがないていて、飛び起きていくと、ウキヨがイグルーから出て来れなくなってないていました。なんと、オシリが凍って、助けを呼んでいたのです。(笑)
スコップで周りの雪を取り除いてみましたが硬すぎて、結局キッチンの蛇口から出る熱めのお湯をかけて無事救出。
うちの中で乾かしている間、キャヨットは一人ぼっちで寂しくてないていたので家に連れてきました。今度はコウがヤキモチを焼いて吠えはじめました。
サイが5匹を同じ部屋に入れていて様子をみていました。
ウキヨ兄弟がコウにじゃれて、コウは仔犬をかばっていて、ボタン兄弟はよたよた歩き回るのを見ていたら、目が回ってしまい、別の部屋に移しました。
そんな一大事?が片付いて、コウも仔犬たちも私達も、昼までぐっすり寝てしまいました。

2010302s *************************************

上の写真はウキヨ

下の写真はゴードンとボタンのはじめての散歩

【3月4日】-28.1度

相変わらず高い地吹雪により停滞2日目。強風だとテントの中でコンロを炊いても寒く手が冷える。

これから4月に向けて、段々日が長く、そして気温も高くなり行動時間を長く取ることができるようになるが、その場合は出発時間を早めることとし、移動終了時間はこれまでどおり、午後3時(日本時間で朝の6時)くらいにする予定。

【3月5日】-28.4度

朝9:45分、低い地吹雪の中、3日ぶりに移動開始。今日のルートは氷が平らで順調に進んだためお昼過ぎに行動終了。こんな平らなルートがずっと続いたら楽しいだろう。レゾリュートを出発前に衛星画像で確認した、海氷上のクラック(氷の割れ目)の地点は、明日、通過予定。慎重に行きます。

キャンプ地到着後、昨シーズンから遠征に持参しているソーラーパネルを試してみた。初めは受電したが、夕方は太陽高度が低くなって充電しなくなった。日に日に夕方の太陽高度も上がってくるので心配はしていないが、当面は電池の消費を節約し、大事に使おう。

ラッシがそろそろ発情の時期を迎えるようだ。紅一点(メス1匹、オス10匹)はモテモテである。

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201031s  産休のコウと子犬たちを預かって下さっているサイ&サエご夫妻が、子犬たちの様子を教えて下さいました。

以下、サエさんからのメールを紹介します。

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ウキヨとキャヨットは、近所の犬や子供たちにおっかなびっくりしながら走り回 っています。
恥ずかしがり屋のキャヨットは新しい隠れ場所を探しているのか、色んなとこを掘りまくっています。
Img_3540s_3 ウキヨはだんだん慣れてきて、後ろを追っかけてくるようになりました。
二人ともアザラシのミトンでなでてやると、興奮してふがふがします。
コウはミルクをあげるのを嫌がるので仔犬にドッグフードをあげ始めました。
ゴードンとボタンは必死でおっぱいに吸いつこうと、ヨチヨチ歩きでコウを追いかけます。
昨日くらいから、立ち飲みを始めました。毎日新しい事だらけです。

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20100302_2 【3月2日】-35.3度

朝7:50出発、15時行動終了、到着後海氷観測。

キャンプ地 N75° 1' 3.90", W98° 12' 34.20"

左の写真は、今シーズン、初めてテツから届いた写真です。ベイカー島北側にて。どこから到着したのか、後方には棚氷が2つ3つ見える。

【3月3日】-27.6度 

本日は地吹雪により停滞。今はバサースト島の南側にいる。これから島の南側を通って西のメルビル島方面に向かっていく予定。レゾリュートを出発前に確認した衛星画像によると、海氷に新しいクラック(氷の割れ目)が入っているようなので、慎重に進む必要がある。天気がよくなるまでここに停滞する予定。

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山崎有佐です、こんにちわ。

長い準備期間を終え、テツと犬たちは約2ヶ月の遠征へと旅立ちました。遠征中はブログ更新を担当します。どうぞよろしくお願いします。

昨シーズンまでは、旅先から衛星電話を介した写真送信がうまくできず、せっかくの風景や犬たちの様子を映像でお見せできませんでしたが、今シーズンは、もう少ししたら、写真が送信されてくる予定です。どうぞお楽しみに!

【2月28日】Dsc_9739s_2

朝8時、北極圏を徒歩遠征のため昨日レゾリュートに到着したばかりの荻田泰永さんhttp://www.ogita-exp.com/ に見送られ出発。写真は荻田さんが撮って下さいました。普段は一人で出発するので、白い世界の中に旅立つ後ろ姿を見る機会はありません。荻田さん、ありがとうございました。

荻田さんとは進む道Dsc_9756s_2も違えば、犬ぞりと徒歩と移動手段も異なりますが、同じ北極をライフワークとする者同士、安全と健闘を祈ります。

初日は15時行動終了、到着後、海氷観測。氷厚170cm。

【3月1日】 晴れ -32.9度 北東の風1.3m/s

朝8時出発、15時行動終了、到着後、海氷観測。

テツも総勢11頭の犬たちも元気にしている(コウは産休、子犬たちは留守番)。

現在地は

<http://maps.google.co.jp/maps/ms?f=q&source=s_q&hl=ja&geocode=&brcurrent=3,0x0:0x0,0&ie=UTF8&msa=0&msid=108625101905361637327.00047c45fcaafaa88e73d&ll=74.980759,-95.883179&spn=1.026485,8.432007&t=h&z=8>

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