【2月25日】
昨日の夜8時と一昨日の夜11時、2夜続けてキャンプサイトまでシロクマがやってきた。暗くて姿は見えないが、犬たちが吠え続ける内に逃げてくれている。
氷が薄い。このあたりで120cmくらい、沖合はこんなものかもしれない。
朝は待機後、視界が利き出したので出発したら、1時間もしないうちにホワイトアウトになり、本日の行動終了。どこまでも平らなところではホワイトアウトでも進めるが、ルート工作中は、視界の良いときにルートを見ながら進みたい。
4日連続行動しているが、距離は稼げていない。もっと西の方を目指していい氷がつかめたら最高だ。どこかで抜けられるだろう。
2011年02月
2月24日
2月23日
【2月23日】
サムアビル島とブローン島の間に進路を探すが、乱氷に阻まれている。明日は、島を回り込む作戦でいく。
※ブログの左側のメニューバーの中の「地図 今ここにいます」の「 Tetsu's expedition 2011」をクリックいただくと、地図がグーグルマップで表示されるようになっています。
2月22日遠征開始
3ヶ月間に及ぶ長い準備期間を終え、遂にレゾリュートを離れ、遠征を開始しました。
遠征中は、哲秀によるブログ更新が難しくなりますので、ここからは、哲秀との定時交信を元に山崎有佐が更新します。どうぞよろしくお願いします。
【2月22日】
出発後、陸地沿いの定着氷をしばらく進んでいったが、乱氷で行き止まってしまった。一旦荷物を全部降ろし、空荷のソリで小高い丘を登り、残した荷物を方に担いで荷揚げし、再びソリに積み込み、海氷に向かって下ったところでソリがスタック。今日はスタックしたままテントを張る。出発当初なのでソリが重く、また、気温が低いので、ソリの滑りが悪い。
テントを張ったところ、狩りをしにきたイヌイットのピーターが、お茶を飲ませてくれ、とやってきたので一緒にお茶にする。ピーターは今日、白クマを3匹見たらしい。
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南極・昭和基地より
2011年2月19日(土) 地吹雪 -34.7℃
日本南極地域観測隊・昭和基地の池ちゃんよりメールが届く。南極観測船「しらせ」が日本への帰途につき、いよいよ第52次越冬隊、30人の隊員による越冬生活がスタートしたとのこと。池ちゃんとは第46次隊で越冬を共にした仲だ。池ちゃん、長い越冬生活がスタートしたけど、頑張って!!北極からのエールです。(南極観測隊のホームページ ⇒ http://www.nipr.ac.jp/jare/ )
犬ぞり旅行の行程
犬ぞりトレーニング終了
2011年2月17日(木) 曇りのち雪 -31.4℃
昨夜はブリザードが吹き荒れたが、朝早くには風が弱まり曇り空となった。AM9時頃に犬ぞりを出す。今日は全頭(14頭)での走行。来週の犬ぞり旅行出発までの最後のトレーニングだ。3ヶ月かかって、なんとかチームをまとめ上げることができた。トレーニングに合わせて、海氷のデータも収集。昨日の測定ポイントでは氷厚は2mを超えていたけど、今日の地点は130cm弱。 スノーモービルで数日前に西側方面へ狩りに出た人の話によると、乱氷も多く、海氷が動いて海が開いてる場所もあったりと、南側に抜ける海氷の状態は見た範囲ではあまりよくないとのこと。不安が募るけど、いいルートが見つかればいいなあ。 写真:犬ぞり最終トレーニングにて。作業をしている間、寝て待つ犬たち。「お~い、お前たち。いよいよ犬ぞり旅行だぞ~!」
犬ぞり旅行出発一週間前
2011年2月14日(月) 晴れ -37.3℃
犬ぞり旅行一週間前になった。緊張感が高まるなあ。今日は天気が良く、犬ぞりを出したいのも山々だったけど、犬ぞり旅行出発前にやっておかないといけないことがあり、時間を費やした。
その一つに、ライフルの所持申請。白熊対策に、2丁のライフルを常に持ち運んでいて、11月にレゾリュート入りした際にも申請したのだが、滞在期間中を通しての許可はいつももらえず、2ヶ月あるいは3ヶ月といった期間で許可が下りる。今日はその更新。午前中に町の警察に出頭し(悪いことは何もしてませんよ)、要項を記入した申請用紙を提出。レゾリュートがあるヌナブット州の州都、イカルイットの本部と事務手続きをしている間、30分ほど待って証明書を受け取る。今回は2ヶ月の所持許可が下りた。申請料に25ドル支払い。
あともう一つは、日本へ送り返す装備の一部を郵便局から小包で2つほど送った。物資輸送費は、郵便小包が一番経済的だ。ダメもとで、さらに経済的な「船便は無いか?」と局のおじさんに聞くと、「海に氷が張っていて、船が通れないからない」と言われた。残念!あればラッキーだったんだけど(笑)。まだ今週中に日本へ送る荷物や、犬ぞり旅行先を予定しているケンブリッジベイへ送る装備も送る段取りをしないといけない。
写真:ライフル所持の許可証。
new 新? old 旧?
2011年2月13 日(日) 雪のち曇り -27.6℃
レゾリュートも太陽が昇る季節になると、ぞくぞくと遠征隊が集まってくる。先日、同じ宿舎にやってきたのは、イタリアのMICHELE(ミケール)だ。彼とはこの3シーズン連続で顔を合わせていて、2シーズン前はレゾリュート周辺でトレーニング。昨シーズンは北極点単独無補給徒歩行にチャレンジしたが、52日目に足の凍傷がひどくリタイヤし、今シーズンは再挑戦するとのこと。他にも北極点を狙う冒険家は今季3人?ほどいるらしく、今回は4人(4チーム?)で飛行機をチャーターして(チャーター料をシェアして)、スタート地点となるエルズミア島北側にあるカナダ最北端のワードハント島へ、2月25日前後頃に移動するとのこと。装備を色々見せてもらったが、無補給というだけあって、まずは軽量化。すべてが最新と思えるコンパクトかつ軽量の機材や装備を持っている。スポンサーも凄いんだろうな。無事に目標を達成出来きますようにエールを送りたい。 今日のワンコは「ボタン」。犬たちの近況報告、3巡目の最後です。ボタンは若犬4匹衆の中でも、黙々とマイペースでソリを引っ張り続けるので、見ていても安心で手が掛からないなあ。他の犬たちに喧嘩を吹っかけることもないし・・。 写真上:北極点単独無補給徒歩行に再挑戦するMICHELE。2台のソリに130~150kgの荷物を積んで行くとのこと。最新の高価な装備満載で凄いです。 写真中:かたや僕の装備は、こだわりは負けないつもりだけど、エスキモーの人たちの装備を基本に、古いのかも(笑)。それぞれの志向、方向性があるからよしとしよう(笑)。 写真下:今日の「ボタン」。もうすぐ犬ぞり旅行スタートですよ。君たちにとっては新しい世界を見ることになるね。
トウ
2011年2月12日(土) 雪、吹雪き -33.8℃
昨日は天気が良かったので、犬ぞりを出した。一昨日に亡くなったシルバーを送り出すのがメインの目的で、レゾリュートの湾を少し出たところにある、小さな氷山の風下側に吹き溜まっている雪をスコップで掘り、埋めてやり送り出してきた。陸地の地面はカチカチに凍りついていて、手で掘ることはできない。夏に海氷が溶けると共に、海に帰ってくれるだろう。僕のほうはまた、気持ちを切り替えていかないといけない。場所を移動して海氷観測データをとってから、町へと戻った。
今日12日は天気が崩れ、雪から吹雪へと変わった。21日を天気が良ければ犬ぞり旅行出発日と定めて、カウントダウンで最終準備を整えている。時間の合間をみて、エスキモーの犬ぞり標準装備である「トウ」という道具を手入れした。先が尖がった鉄棒で、海氷上の乱氷や氷山氷など砕くときに、すごく重宝する道具だ。
写真上:昨日、シルバーを海氷上で送り出してきた。
写真下:左側の写真は「トウ」の手入れ。ヤスリで磨き、先端を尖らせる作業をしている様子。右側は以前グリーンランドにて、生活用水にする氷山氷を割っている様子と、ソリに積込んで村に持ち帰る様子。
さよならシルバー
2011年2月10日(木) 地吹雪のち晴れ -34.6℃
今日は一つ報告です。我がドックチームのベテラン犬「シルバー」が、今朝亡くなりました。朝7時の見回りでは大丈夫でしたが、9時頃に犬ぞりを出す時に行くと、息を引き取っていました。まだ凍りついておらず、その少し前に亡くなったと思われました。4年前、グリーンランド・シオラパルク村のイラングアから譲り受けた時は全盛期で、3歳か4歳ということでしたので(はっきり覚えていないとのことで、実際はもう少し歳をとっていたかもしれません)、今ではソリ曳き犬としては、超ベテランでした。昨シーズンの犬ぞり旅行で、後半に他の犬たちのペースについて来れなくなりつつあったので危惧していて、今シーズンの犬ぞり旅行に果たして連れて行くべきか、引退させてやるべきか、他の犬たちとトレーニングをしながら、ずっと踏ん切りがつかずの状態でした。いつも老犬が亡くなっていくパターンは殆ど同じです。今日は少し気持ちが沈んでいる一日です。明日はもう一日天気が良さそうなので、沖合いの氷山のそばで送り出してやりたいと思います。シルバー、4年間ありがとう。本当にお疲れ様でした。
また、犬たちのサポーターとして応援してくださっている皆様、申しわけありませんでした。
写真:2007年3月の「シルバー」。グリーンラド、シオラパルク村にて。
またまた最低気温更新
2011年2月8日(火) 吹雪のち地吹雪 -41.8℃
またまたこの冬の最低気温を更新。自分で測定した中では、マイナス41.8℃。風がそこそこ強く、マイナス40℃あたりまで気温が下がると、風体感警報が発令されるみたいだ。夕方からは目が覚めるような強烈な地吹雪となった。視程ほとんどなし。
今日のワンコは「ゴードン」。この冬デビューの若犬4匹衆の中では、一番喧嘩好きみたいで、この2ヶ月ほどで顔に傷が数箇所。早くもハクがついてきている。まだまだ先輩犬たちには押さえつけられているけど、数年後は強くなりそう。最近、ハーネス(胴バンド)をよく噛み切るので、ワイヤー入りの養成ハーネスでしつけ中。
写真上:正午過ぎ、風雪の向うに霞む太陽。一日一日高くなる。
写真下:今日の「ゴードン」。やんちゃですねえ、ゴディ君!
ロープ編み
3ヶ月ぶりの太陽!
2011年2月6日(日) 晴れのち雪 -35.5℃
11月5日に太陽が顔を消して以来、3ヶ月ぶりに姿を現した。この頃は、夏の間に日焼けした人々の顔も、すっかり真っ白となり、どちらかというと太陽の光を浴びていないから、青白くさえみえるのだが、また太陽が高くなるにつれて、生気が戻ってくる。今日は、沈みがちになっている気分から、開放される日でもあると思う。町の人たちの表情も明るい。 風も弱く視程も良く、ルート偵察にはもってこいの犬ぞり日和。今日から全15頭の犬たちで、犬ぞりトレーニングの最終調整に入った。チームワークも思った以上にいい仕上がり具合だ。天気が良ければやはり動きやすい。西側に抜けるルートも確認できた。犬ぞり旅行出発前の残り2週間は、天気のいい時に15頭の犬たちとトレーニングに加えて、1月にはさっぱりはかどらなかった、海氷データも収集しよう。 写真上:太陽が戻った!思わず「ヤッター!」と声が出る。犬たちは何を騒いでいるのか?とキョトンとしてたけど・・。 写真下:15頭の犬たちの走行。
コーラが来た!
2011年2月5日(土) 吹雪 -32.7℃
またまた吹雪で天気が荒れている。なんだか天気の悪い話題ばかりだけど、ホントなんですよ。
昨日の定期便で、日本からの装備別送品の最終便が届いた。その中になんと!コーラが入っていた。こんなのあるんやねえ。少し前にブログで、レゾリュートの缶コーラ1本5ドル!(約450円)で、禁コしてると書いたら、カミサンのアリサが哀れんでくれたのか、粉末コーラを探して、荷物に忍ばせてくれたみたいだ。一粉末袋数十円。これやったら、心おきなく飲めるで~。さっそくコップに粉末を入れて水を注ぐと、炭酸がシュワシュワっとあがり、軽くかき混ぜて飲んでみた。「コーラや!コーラ!」。
写真上:届いた荷物の一部。コーラ粉末、プラスティック箱や犬用の曳き綱にするトラロープなど。インスタントコーヒーも、町のCO-OPで1ヶ月経っても入荷しないので、犬ぞり旅行用に日本から送ってもらった。
写真下:コーラ粉末を手に、御満悦の山崎。
風体感警報
2011年2月4日(金) 晴れ(低い地吹雪) -41.1℃
スカッと上空は晴れ。それでも風が強めで、低い地吹雪が地と氷の上を這う一日。12頭の犬たちを引き連れて、犬ぞりを出した。それにしても寒いなあ・・と町に戻ってから気温を測ってみるとマイナス41.1℃。おまけに風体感警報?(Wind chill warning in effect.)が出たらしい。この警報は今季2回目だ。ルート偵察というより耐寒訓練になってしまった。犬ぞり旅行に向けて、いい自信にはなるけどさ。この前の警報の時になった、頬と鼻の凍傷が治りかけたと思ったら、また同じところが凍傷。気をつけてるんだけどなあ。お~さぶ・・。
今日はもしかしたら、太陽が戻ってきたかもしれない。南の空の水平線に、雲がかかって分からず。そのうち拝むことができるだろう。
今日のワンコは「ウキヨ」。ウキヨは餌をあげてもあげても太ってくれず、ヒョロヒョロしていて、長期の犬ぞり旅行は大丈夫かなあ?少し心配。みんなに内緒でボーナス餌を食べてるのは君だけですよ。頼むよ~。
写真上:太陽に染まる南の空。雲が無ければ、もしかしたら太陽見れたかもしれない。
写真下:今日の「ウキヨ」。君は兄弟のキャヨットと比べて、凄く懐いてくれるねえ。
観測機材回収
テント修理
2011年2月2日(水) 雪 -23.6℃
あっという間に2月。今日は視程のない雪が降り続いている。犬ぞり旅行前の装備点検の一つ、テントの手入れをする。昨シーズン、ポールを通す箇所の布地が少し破れてしまったので、修理をしておくことに。当て布をして、丈夫なワックス糸で縫い付け、補修しておく。
今日のワンコは「キャヨット」。シーズン初めは人間から逃げまとって、1ヶ月以上も捕まえることができず、立派な野良犬をしていたけれど、今はすっかり、立派なソリ曳き犬に大変身。バランスの良さそうな曳き方をしているね。
写真上:テントの修理風景。
写真下:今日の「キャヨット」。すごく懐く、まではいかないが、様子を見に行ったらちょこちょこっと近寄って来て、鼻でタッチして(そのあとそそクサっとすぐ離れるけど)くれるようになった。