山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

北極圏の犬ぞり遠征をライフワークにしている山崎 哲秀のブログです。北極圏を犬ぞりで遠征し環境調査を行うアバンナットプロジェクトに取り組んでいます。このブログでは、遠征前は日本での準備や生活の様子、遠征中は、北極圏の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2011年03月

2011330日(水) 雪 -17.7

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 今日のワンコは「ルッキ」。昨日のキナリと高齢コンビとなったけど、今もチームのボス犬として君臨。とにかくチームでは一番体が大きくバランスのいい体型。特別に体力がある犬はいるみたで、他の老犬たちがリタイヤしていく中で、キナリと今シーズンも元気でいてくれた。キナリと共になんとか来シーズンも宜しく。

写真上:20074月の「ルッキ」。僕のところにやってきた時は、他のチームでリンチされて間もない頃で、腰が立たないほど重傷だった。写真は見放されたルッキを、そのシーズンは散歩に連れ出し歩かせて、リハビリをしていた頃。今はチームでデカイ面してるけど、この頃のルッキは落ち込んでいた(笑)。

写真下:最近の「ルッキ」。

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 2011329日(火) 曇りのち晴れ -24.6

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 久々のブログです。僕の応援以上に、犬たちを応援してくれている皆さんがかなり多くいますので、昔の写真を交えながら、しばらくワンコたちの紹介をしますね。

 ということで、今日の紹介は「キナリ」。僕がこれまでに扱ったリーダー犬の中では、キナリに敵うリーダー犬はいないなあ。ほんとに頭がいい犬で感心する。歳をとってきたけど、今シーズンも元気にチームをリードしてくれている。

写真上:200710月の「キナリ」。

写真下:最近の「キナリ」。

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2011315日(火) 晴れ -35.2

 犬ぞりでスタートしてから、32日に一旦レゾリュートに帰着したあと、再スタートに向けて準備を進めてきました。その間に、予想もしなかった東北地方太平洋沖地震という大地震が訪れました。遠くはなれた北極で、震災の規模の大きさが明らかになるにつれて愕然とさせられました。

震災前のこちらの北極活動状況も合わせて考慮した末に、今シーズンはこのあと予定しておりました、大々的な北極活動につきましては控えたいと思います。最低限の活動に留めることにしました。

自分の人生には「北極」という明確なベースがあります。その中でこの度の大震災につきまして、「自分に出来ることは何か?」と考えます。微力ながらも、自分の形で何か一つでも支援に参加していきたいと思います。

Photo_9 アバンナット事務局よりお知らせです。

アバンナットプロジェクトでは、東北地方太平洋沖地震で被災された地域の復興を応援するため、京都市伏見区の町屋を改装した粋なカフェ「ちいろば」のギャラリーにて、犬ぞり遠征のチャリティ活動写真展を開催します。

 会場で販売するアバンナットオリジナルカレンダー、絵はがき、エコバッグ等の売上げは、全て復興のための募金にします。多くの皆さんのご協力をお願いします。

○開催日:  2011年4月2日(土)-16日(土)
              (日曜は休みです。)

○開催時間:  9:00-18:00

○入場無料

○開催場所
  みんなのカフェちいろば(1階・2階)
  京都市伏見区直違橋4丁目-370
 Tel:075-643-2476
 Fax:075-646-3686
 京阪藤森駅下車 徒歩2分

 http://cafe-lil-donkey.blogspot.com/

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2011311日(金) 地吹雪 -30.6

 自分の生まれた国には、強い誇りを持っています。北極にも震災の規模の大きさが伝わっています。ただ祈ることしかできずに申しわけありません。いつも日本を忘れていません。

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201139日(水) 地吹雪 -30.0

あさって11日から地元エスキモーのサイレスに、スノーモービルで海氷偵察に連れて行ってもらうことになっている。レゾリュートに一旦帰着後、もう一度、地元のエスキモーの人たちから、海峡を渡る情報を集めたりしているのだが、見通しは正直明るくなく、このあとの活動において、どういう方向性がいいか確認の意味合いもある。

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面白い衛星画像があって、かなり解像度が高く、この前自分で犬ぞりで走行した場所の海氷状況と照らし合わせてみると、平で全然犬ぞり走行に支障がない海氷や、乱氷がありながらも犬ぞりでそれなりに走れる海氷、また走行が極めて困難な乱氷帯、などとピタリと当てはまる。添付の画像は最近のレゾリュート周辺の海氷衛星写真で、今シーズンバロー海峡の海氷は凍ってはいるけど、定着していなくて、バラバラに割れながら海流に流されて動き続けている状態。おそらくバロー海峡のずっと東側になる、グリーンランドとカナダの間のバフィン湾で、近年はやはり海氷が定着せずに動き続けているみたいだから、それに合わせてバロー海峡の海氷も定着しないのだと思う。本来ならこのバロー海峡の海氷が定着して、こちらレゾリュートのエスキモーの人たちが南側の島に渡る通常ルートとなる。犬ぞりでも2日もあれば越えられる。でも動いているので通行には望ましくなく、地元のエスキモーも乗り入れていない。僕も一度グリーンランドで犬ぞりを流された苦い経験があるので、一か八かで乗り入れる気はしない。となると、南西側のメルビル海峡を渡りたいところだが、どうもこの画像を見る限りでは、ぎっしりとかなり激しい乱氷が詰まっている状態のようだ。犬ぞりで見てきた限りではやはり乱氷帯だったのだが、もう少し広い範囲をスノーモービルで短時間で偵察して来ようというのが目的。地元の人たちも、この冬は海峡を渡って南側に狩りにはいけないあ・・、などと言っているくらいだから、なんとも頭が痛いところ。まともに犬ぞりで通行しようと思ったら、短期間での通行は無理で、1ヶ月経っても越えられないこともあり得る。また物資補給を受けるにも回数をかなり増やしたり、予算なども含めてその他もろもろと、体制を作るのが難しくなる。とにかく自分の目で確かめて次の方向性を考えたい。

添付資料: http://www.noetix.ca/floeedge/ より。

201138日(火) 地吹雪 -33.2

 在住の大阪府高槻市にて、現在取り組んでいる北極での活動において「ライオンズクラブ高槻基金(第16回目)」の顕彰を受けました。⇒ http://www.aianet.ne.jp/~tlc/cgi-bin/houkoku_s.cgi?no=226

38日に行われた贈呈式には、カミサンの有佐が代理で出席してくれました。高槻ライオンズクラブの皆様、この度はありがとうございました。大切に今後の活動費として利用させてください。

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201136日(日) 曇り -32.2

レゾリュートに戻ったあと、金曜日あたりから、222日~32日の間に使ってしまった、不足分となった食糧などの再調達を始めた。今日は、犬たちのコンディションを保つために、少し走らせてきた。気分的には意外と焦りはない。

北極点を目指していた3組の冒険家チームが、今シーズンの挑戦をキャンセルしたという。どうしてかというと、シェアしてチャーターしたケンボーレック社のツインオッター機が一向に飛んでくれず、時期的にもスタートするのが遅くなってしまったのか、このあとの別の予約がめじろ押しで、チャーターのスペース日が無くなってしまったのか?そのあたりは色々と飛行機会社側も都合があるのだろう。ひと昔前には別の会社で、ブラッドレー(のちにFirst Airに吸収された)が、ツインオッター機を持っていたが、その会社がツインオッター機を手放してからは、ケンボーレックが一社独占状態。今はチャーターする側としては選びようがないわけだが、ブラッドレー(First Air)は、いいブッシュパイロットを抱えていたし、かなり融通を利かせてくれる会社だったので、遠征隊からはすごく人気があった。見積もりも極めて良心的で安かったし(笑)。僕もブラッドレー(First Air)がお気に入りだった。

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3組のチーム皆が無念だろうが、一番話をする機会がある、単独無補給で北極点再挑戦をすることになっていた、イタリアのミケールはかなり落ち込んでいる。「記録」というものがかかっている中で、大々的にスポンサーもついているようで、その兼ね合いやプレッシャーもあるだろうが、30歳も半ばを過ぎると、体力的にもモチベーション的にも11年がすごく貴重な時間になってくる。僕は今年44歳になるが、その年代をすでに通り過ぎてきた中で、痛いほどその気持ちが分かる。幸い僕の北極は「記録」というものとは無縁で、体力を維持するのは当然だけど、モチベーションと継続するという意味ではうまく保つことができている。あちこち怪我なんかも抱えているけど、そのあたりは、うまく力まず経験的な要領でカバーできている。ちなみに全然プレッシャーもないし・・(笑)。

写真上:15年ほど前、ケンボーレック社がFirst Airに吸収されて間もない頃にチャーターしたツインオッター機。

写真下:今日の「コウ」。間もなく発情期を迎えそう。このあと犬ぞり旅行には連れて行かずに、レゾリュートで留守番することになりそう。コウにとっては一度レゾリュートに戻って良かったのかもしれないね。こういう兼ね合いも含めて、すべてがそのシーズンの遠征です。

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201133日(木) 地吹雪のち曇り -32.2

201103031 昨日32日、レゾリュートに一時帰着した。昨日は朝のうちは激しい地吹雪だったが、小康状態になったのを見計らってAM11時半頃に出発。一度ルートを間違えて引き返したりしたにも関わらず、平坦な海氷上を走り続けてレゾリュートにはPM6時半頃到着。

昨日はレゾリュート到着少し前から、また視程が殆ど無い激しい地吹雪となり、到着後に犬たちに餌をやることが出来なかったが、今日のお昼前頃に風が弱まったので犬たちに餌を与えた。メス犬のコウがそろそろ発情しそうな気配。リーダー犬のキナリと別のところに繋いでやる。

さてレゾリュートに戻り、やらないといけないことは、段取り替え。昨日、犬ぞりを走らせながら、あれこれと戦略を考えていた。地元のエスキモーの人たちも、今シーズンの海氷状況は近年で最も悪いというくらいだから、色々と智恵をもらって立て直したい。とりあえず出来るところまで取り組んでみたい。15日頃までに再スタートできれば・・。

写真上:低い地吹雪の中、快調に犬ぞりは走る。

写真下:すっかり今シーズンも、凍傷で顔にハクがついてしまった。

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【3月1日】
風が吹いたら止まることにして、レゾリュートに向かって戻り始める。このあたりの風は、吹くときは急に吹き出す。低い地吹雪が時には顔くらいの高さまで上がったが、今は落ち着いている。今日は乱氷の周りをクネクネと進んだ。-34度、20km/hくらいの風であったが、覆いのない犬ぞりでは、鼻が曲がりそうに感じる。
紅一点のコウの生理がそろそろ始まりそうだ。雄犬たちが色めき始めている。今回、レゾリュートに戻ることになったのは、コウのためには図らずもいいタイミングだった。毎年、15匹くらいの犬ぞりチームを想定していても、子犬や老犬や出産する雌犬などで戦力は概ね13匹くらいになる。前の秋、子犬3匹が行方不明になったことは、このチームにとっては痛手だった。紅一点のコウには是非また子犬を産んでほしいと思う。

【3月2日】
11時半に出発し18時半にレゾリュートに帰着した。最後は視程がなかったが、レゾリュートの町明かりが見えたので、それを頼りに犬ぞりを走らせてきた。

※ブログの左側のメニューバーの中の「地図 今ここにいます」の「 Tetsu's expedition 2011」をクリックいただくと、地図がグーグルマップで表示されるようになっています。

【2月27日】

本日も停滞。朝から風強し。風が弱まり次第、出発できる準備をしていたが、弱まることはなかった。-38度の中、30m/h以上の風の中を行けば、間違いなく凍傷で自分がやられる。

また、視界が利かないまま乱氷帯に入り込めば、どこを通ったかわからなくなり、引き返そうにも帰れなくなる。気温が低く、風が強いときは無理はしないことだ。


【2月28日】

吹雪がやまない。視程もほとんどない。停滞を余儀なくされている。今回は出発後、最初の2,3日天気がよかったが、その後、天気が悪い日が続き、思うように進めていない。自分のペースではない。最初の一週間でつまずいた時はやり直した方がいい、と自分の経験が言っている。これまでの1週間がロスタイムとなってしまうが、一旦、レゾリュートに戻って、補給物資やルート工作の応援などの体制を組み直してから再出発する方がよいと判断した。ロスタイムとはいえ、犬の体も慣らし、自分も慣らす、いいトレーニングになった。決して無駄ではない。天気が回復次第、一旦、引き返すことにする。

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【2月26日】
この先の氷がどうなっているのか、まだ見通しはわからない。何とかルートはあると信じている。
雪のち薄曇り。すごいブリザードというわけでもないが、視界が悪く停滞とした。
夕方は視界が利いてきたので見渡すと、南西方面に平らな氷が広がっていそうだ。明日晴れたら行ってみたい。

このあたりは、11月、12月の薄い氷が押しやって出来た氷のリッジがあり、1~2m盛り上がっている。それを超えたらまた次のリッジが現れる。

Photo 写真:ブリザードの中の犬たち

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