犬ぞり案内人 山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

グリーンランド北西部地方に古来から住む、エスキモー民族から伝承を受けた犬ぞりを操り、“アバンナット北極プロジェクト”に取り組む、山崎 哲秀のブログです。 このブログでは、北極遠征中や日本滞在中の活動の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2013年01月

 128日(火) レゾリュート 晴れ -38.2

20130128_3 犬ぞりトレーニングは続いている。今シーズンデビューの若い犬たちも、だいぶ走れるようになってきた。今日は一時マイナス40℃台まで気温が下がったようだ。このあたりからが北極の厳冬期だ。ここ一週間ほどで顔に凍傷がチラチラ。が付いてきた(笑)。南の空がいよいよ明るく、綺麗なオレンジ色に染まるようになってきた。太陽が戻る日が近いぞ!

写真:今日は10頭の犬たちとレッスン。2月に入れば全頭で走り、今シーズンのチーム作りのまとめに入る予定だ。

 

 

126日(土) レゾリュート 曇りのち雪 -30.2

20130126_2  日本の有佐から、勇希君の写真が届いた。なんでも最近は寝返りが出来るようになったらしい。可愛らしい写真だね。あれっ?癒されるってこういうことを言うの?北極ばかりで生きてきたので、これまで経験なく感覚が分かりませんで・・。

 

 124日(木) レゾリュート 晴れ -37.0

201301241_3 この3日間は天気が続いて野外での活動がいい感じ。今日はレゾリュート湾を出て西側にグルッと回り込み、Martyr岬まで偵察に行ってきた。

写真上:昨日は海氷の厚さを測定。氷厚100cm

写真下:今日はMartyr岬へ。平らないい海氷が広がっていた。

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122日(火) レゾリュート 晴れ -19.6

201301221  日曜日の夕方から吹雪き始め、気温がグンと上昇。今日は快晴となった。若い犬たちを走らそうと考えていたが、あまりにも穏やかに晴れわたり、もったいないので、手の掛からないベテラン犬を中心に10頭の犬たちを引き連れて、海氷の偵察に。レゾリュート湾を出てから周辺は海氷が凸凹で乱れているが、ほどなく平らに広がった場所に出る。明日天気が良ければ海氷のデータを収集しよう。

写真上:沖合に平らな海氷が広がる。

写真下:レゾリュートの町に戻る途中。もうすぐ満月だ。

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 118日(金) レゾリュート 晴れ -36.2

201301181_2久々に穏やかに晴れ。冷え込んでいます。

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 115日(火) レゾリュート 地吹雪 -31.1

201301151 ブログをサボってしまった。ここ4日ほど強風で、地吹雪が続いている。今日は特に酷い。夜はサイレス&サエコ夫妻宅でお世話になり、朝は6時半頃キャンプサイトに行って、日中の時間帯は犬の世話をするという毎日の繰り返し。ちなみにSouth Camp Innの元オーナーのアジイ&アリーサック夫妻は休暇でレゾリュート不在中。アジイさんはおそらく、何十年かぶりにレゾリュートを離れたのではないだろうか。

 天気のいい日は犬たちを走らせているが、そろそろ今シーズンのチーム作りの仕上げをしていかないと・・。犬ぞり旅行に向けて、食糧や装備の準備にも取り掛かり始めた。

 メス犬のコウが発情期を迎えたので、今回は隔離している。

写真:現在のキャンプサイト。

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 19日(水) レゾリュート 晴れ -30.9 

 年が明けて、コンスタントにマイナス30℃台まで気温が下がるようになった。明るい時間帯も確実に増えてきている。太陽ちゃん、早く戻ってきてくれよ~!

写真:周囲がだいぶ見渡せるようになってきた。

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17日(月) レゾリュート 地吹雪のち晴れ -30.2

201301072_2立て続けに、日本から郵便小包が届いた。

一箱は、有佐の両親から食糧品の差し入れ。もう一つは別送装備類。何が入っているのか楽しみで、嬉しくなりますね。ありがとう。

写真上:モンベル新製品の「ポーラーダウン上下」&「ライフル入れ」

 

写真下:有佐の母から「食糧」の差し入れ&在住の高槻でお世話になっているサチヨさんより犬ぞり旅行用の「パウンドケーキ、増えるワカメ、コーヒー」&勇希君の「足あと」

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16日(日) レゾリュート 地吹雪のち晴れ -30.1

20130106_3 ワンコ近況報告で「パミウリ」。昨年の今ごろ里親になり、イエローナイフからやってきた「パミウリ」。当初は覚えられないような洋風の名前が付いていたので、エスキモー語で「パミウリ(尻尾)」と改名。小柄な尻尾がフサフサの綺麗なメス犬で、間もなくチームに馴染んでからは、リーダー犬の素質があることが分かった。今シーズンも時々、先頭に出して試しているが、やはり反応がいい。チームの他のメス犬に対して、凄いヤキモチ焼き屋の「パミウリ」は、主人に可愛がってもらいたくて、気に入ってもらいたくて、とにかく頑張ろう、と健気に走っているように見えて仕方がない。今シーズンはコウに抑え込まれてしまっているが、可愛げのあるワンコです。

 写真:チームで一番小柄なカナダエスキモー犬の「パミウリ」。僕のところにやってきた時は、食が細くて心配したが、今はオス犬と同じくらい食べてます。

 

 

 14日(金) レゾリュート 地吹雪のち晴れ -27.5

  地吹雪が止んだ午後、少しだけ犬たちを走らせに行く。何かと理由をつけてサボってばかりもいられない。年が明けて、徐々に冷え込みも強まり始めた。鼻の穴の周りが凍傷になりかけ(笑)。

  今日はワンコ近況報告の続きで「ルーク」。前回のルータとは兄弟で、カナダエスキモー犬。シルバー色系の通称カナダエスキモー犬は、すでに混血されて作られた犬種のような気がするのだが、純粋と言われるグリーンランドエスキモー犬とはなんとなく違う。食べ方も上品で、ガツガツと散らかすグリーンランドエスキモー犬みたいではなくて、少しずつ少しずつ上品に食べていく。たまたま僕の手元にいるカナダエスキモー犬がそうなのだろうか?「ルーク」もルータと、もう一頭のパミウリと同じように上品さがある。もっと野性的でもいいんだけどなあ・・。2シーズン目。もっと教え込んで、野性的になってもらいましょう。

 写真:上品な「ルーク」。

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 13日(木) レゾリュート 地吹雪 -29.2

 年をまたいで、こちらでの滞在スタイルを変えることになり、バタバタとしてしまって気持ちが落ち着かず。犬たちのそばで野営生活のつもりだったが、事務仕事など(色々ありまして)が、テントでは狭いのと寒いのでままならず、夜はサイレス&サエコ夫妻宅でお世話になることになった。すっかり好意に甘えてしまい情けないのだが、これまでのパターンを変えると、どうしても態勢を整え直すにも時間が掛かってしまう。日に日に明るい時間帯が増していき、気が急ってしまうが、もう少し野営態勢が整ったら、夜も犬たちのそばで泊まり込み、トレーニングも再開したいと思っている。

 さて、年が明けて遅くなったが、いつものように今後の目標を掲げておこう。一人の気持ちだけではどうにもならない目標で、実現できるかは続けていかないと分からないが、いつも言ってることと変わらず同じで、将来のこと。気持ちが途切れないように・・。

今後の目標

 日本の極地(北極)研究者の方たちの設営支援ができるように、民間支援体制を作る。

 グリーンランド極北、カナダ極北にそれぞれ日本の観測拠点を設営する。

 エスキモー民族(グリーンランド)と日本の姉妹都市(友好都市)提携の橋渡し、促進。

 エスキモー文化の継承。

 (子育て)。

 

 1231日(月) レゾリュート 地吹雪 -21.3

 間もなくレゾリュートも新年です。

2013年が皆様にとりまして、良い年でありますように。

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