山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

北極圏の犬ぞり遠征をライフワークにしている山崎 哲秀のブログです。北極圏を犬ぞりで遠征し環境調査を行うアバンナットプロジェクトに取り組んでいます。このブログでは、遠征前は日本での準備や生活の様子、遠征中は、北極圏の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2013年11月

11月29日(金)シオラパルク 地吹雪 -16.3℃

20131129 今朝からまたまた猛烈な地吹雪となった。予報では風速25m/sを越えるらしい。村の人たちも外回りの養生に余念がない。僕もソリなど飛ばされないようにロープで結わえたり風を迎え入れる態勢。ワンコ達、耐えてくれよ。

 6年ぶりにホームグラウンドのシオラパルク村に戻ってみると、子供たちの顔ぶれもすっかり変わってしまっていた。村には小学校までしかなく、中学校は隣町のカナックへと進学していくのだが、6年も経つと当然だよね(笑)。村の子供たちは擦れていないというか、みんな素直です。勇希君が生まれて、また子供たちを見る目が違ってきたなあ・・。日本の有佐&勇希にはちゃんと連絡をとっている。

写真:村の子供たちがしょっちゅう遊びにやって来る。

11月28日(木)シオラパルク 晴れ -19.6℃

20131128_2 25日からの地吹雪は、26日がピークで10m/s以上と吹き荒れた。シオラパルク下しとでも言おうか、北側の内陸からの強烈に吹き下ろしてくる、ここの言葉で「アバンナット(強い北風)」だ。隣町のカナックではたいした風は吹いていなかったとのことだった。27日にようやく天気が落ち着いてきたが、南西沖合の海氷は流失してしまった。

28日の今日、天気も良く犬ぞりを出すが、メス犬ママットルの発情はまだ続いていて、オスたちが奪い合い走行にならず。メチャクチャだった。怒りたいところだけど我慢、我慢。受け入れてやろう。夜はオス犬たちが近所迷惑かというくらい鳴き続けている。

写真:28日PM1時頃、南西沖合に三日月が沈んでゆく。開いた海に、わずかに月明かりが反射している。

11月25日(月)シオラパルク 地吹雪 -13.3℃

20131125 今日もいい天気が続くと思いきや、一転して地吹雪。空に雲は無いが、強い北風が雪を舞い上げて吹き続いている。

写真:裏山の頂きに雪煙が舞う。

11月24日(日)シオラパルク 晴れ -21.3℃

201311241 しばらく不安定な天気が続いたが、今日は雲一つ無い快晴。風も穏やか。犬たちのレッスンも順調で、だいぶ僕の操縦パターンに慣れてきてくれた。今日から7頭でのレッスンに入った。現時点での全頭だ。が、こともあろうことにメス犬のママットルが数日前からどうやら発情期に入りそうな気配。オス犬たちもソワソワして落ち着きがない。

朝11時前に犬ぞりを出して、フィヨルドを挟んで村から対岸まで走らせてきた。帰路に犬ぞりを止め、海氷のデータを収集。氷厚はフィヨルドの真ん中付近で約40cmまで発達していた。気温もグンと冷え込んだけど、昨シーズンまでのカナダ・レゾリュート周辺よりは同じ時期、全然暖かい。

フルコースの作業が出来て、気分良く村に戻って来た。

そうそう、昨日隣町のカナックに白熊がやってきて、猟師が撃ち獲ったとのこと。

写真上:今日から7頭でのレッスンに入った。(走行中で写真のピントが合わず)

写真下:犬たちの繋留地の様子。

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11月20日(水)シオラパルク 曇りのち雪 -16.4℃

20131120 昨日あたりから天候が安定せず。南のグリーンランド主要都市では、航空便が全てキャンセルになるなど大荒れ模様とのこと。

シオラパルクも天気がスッキリしないので、今日も犬ぞりは出さずに屋内作業。主だった大きな装備は、昨シーズンまで活動していたカナダから輸送することが出来ずに殆どデポしてあるので、足りない装備は作り直さないといけない。午後から「コッダカッウィッ」を製作した。ソリに積み込むための、燃料タンクやコンロを収納する木箱だ。「コッダ」はコンロの意味で、「カッウィッ」は、何かを入れる物のことを意味する。廃材のベニヤ板を利用して作り上げた。横幅64cm、縦&高さ33cm。

写真:完成した「コッダカッウィッ」。かなり雑だけど・・(笑)。

動物保護

 11月19日(火)シオラパルク 雪のち晴れのち地吹雪 -12.5℃

 数日前に村の友人の誕生日に呼ばれ、家に遊びに行ってきた。ここではお祝いで集まるのが風習だ。ご馳走を振る舞われるのだけど、出てきたセイウチの頭に思わず「アゲヒョ~(でっかいなあ)!」と声をあげてしまった(笑)。牙も凄く立派だった。

 ここ数年の夏期、シオラパルク周辺ではアザラシが激減しているという。その張本人がこのセイウチらしい。動物保護ということでセイウチの狩猟が制限されたあげくセイウチが急増し、その結果アザラシが減っているようだ。アザラシにとってセイウチは天敵の一つでもある。

これまでエスキモーの猟師の人たちが普通にセイウチを狩猟して(ここに住む人たちは、決して乱獲はしていない)、人間の生活界と自然界の調和が上手くとれていた。アザラシもセイウチもバランスよく棲んでいたこの近辺だったのに、保護という結果、完全にバランスが崩れてしまった。良かれと人間が手を下すことによって崩れるバランスがあることも是非知って欲しい。それが必要な場所もあるだろうけど、動物保護がすべて正しいのではないと僕は思う。彼らの声も無視することなく聴いて欲しい。

20131119写真:お祝いに出されたセイウチ。生肉をご馳走になった。

11月18日(月)シオラパルク 晴れ -15.3℃

20131118 新チーム、犬たちの横顔(その3)です。

村で最後に長老ユーソッフィからオスとメス1頭ずつ譲り受けた。オスは6歳で名前が「ヒヒョッアウングア」。意味は坂を勢いよく駆け降りるとかで付けた名前らしいが、詳しくは分からず。長過ぎるので呼びやすいように「アングア」と呼んでいる。アーベェと共にベテラン犬で、若い犬たちに走り方を教えてくれますように。ベテラン犬はこれ以上チームに入れない予定。そしてメス犬は2歳の「ママットルッ」。美味しい食べ物のことを意味するのだけど、どうして名前が付いたかは不明。食い意地が張ってるとか??みんな面白い名前を付けるなあ(笑)。ママットルッはメスでも小柄だけど、今のところチームでリーダー犬だ。メス犬というのは、ほんとにオス犬たちを従えてくれるなあ(笑)。なんとかオス犬のリーダー犬も育てなくては・・。

3日連続で紹介したこの7頭が今の僕のチームの犬たちです。チームワークがもっと出来上がったら、少しずつ増やしていく予定。血が近くならないように隣町のカナックから手に入れることが出来れば・・。

写真:上は「アングア」6歳。目の所にケンカ傷がありハクがある。下が小柄なメス犬「ママットルッ」2歳。

11月17日(日)シオラパルク 雪のち晴れ -17.2℃

201311171_2 昨夜からまた雪となったが、午前中には回復。午後から犬ぞりレッスンに出かけた。

 今日も犬たちの横顔(その2)。

村のカーリから譲り受けた3兄弟の犬たちの紹介。3頭とも「ヒャカンナッホ(多分、太陽の夕焼けの意味)」という同じ名前とのことだったが、ややこしいのとそれぞれ名前があったほうが呼びやすいので、元の名前を3つに分けて「ヒャカ」「カンナ」「ナッホ」とすることに。3歳の元気な3兄弟です。

写真上:左から「ヒャカ」「カンナ」「ナッホ」。

写真下:今日の犬ぞりにて。

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11月16日(土)シオラパルク 雪のち晴れ -16.8℃

20131116 今日のシオラパルクは朝から雪。細かい粒が降り続いていた。あまり降り過ぎると、氷の上に積もって断熱材となり、海氷の発達が遅れるので降らないで欲しいところ。夕方頃から雲が切れ満月が顔を出した。

 今シーズンから新しい犬ぞりチームを編成するのだが、現段階で僕の手元にやって来たのは7頭。その顔ぶれを紹介したいと思う。今日は、その1。

この夏にマッハングアと、犬を譲ってもらう約束をしていて、2頭を譲り受けた。両方ともオスで名前は「アーベェ(セイウチの意味)」6歳と「アッロッ(シャチの意味)」3歳。チームにベテラン犬は必要なので、アーベェには他の若い犬たちのお手本になってもらいたいところ。アッロッは若く元気一杯。まだ性格なんかはよく把握できていないが、のちのちまた紹介することにしよう。

写真:(上)アーベェ6歳&(下)アッロッ3歳。

11月15日(金)シオラパルク 晴れのち曇り -17.1℃

201311153 晴れの日だと今は朝9時頃、南の空がわずかに明るくなり始める。曇り空ならお昼になっても殆ど暗いままで一日が終わる。北緯78度の極端な冬。これから冬至にかけてもっと暗い季節となる。

今日はAM11時を回り、海氷観測に出かけた。沿岸に近いところで氷厚は27cm。

 今日は住んでいる借家の様子を紹介。村の中でもかなり古い家で、築40年はとうに過ぎているだろうという家(小屋?)で、それでも部屋の中には石油ストーブがちゃんとあり、プロパンガスのレンジもある。住むには十分だ。昨シーズンまではしばらくカナダ北極・レゾリュートをベースに活動していたが、シオラパルクはそこよりもかなりワイルドです。

写真上:部屋の中の様子。

写真下:(左)天井から犬の餌のアザラシをぶら下げて解凍する。(右)天然の氷河氷は飲食用水に・・。

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11月14日(木)グリーンランド・シオラパルク村 晴れのち地吹雪 -10.3℃

11141_3 11月1日、僕のホームグラウンドであるグリーンランド最北の村「シオラパルク」に到着。近年はこのシオラパルク村でもインターネットが繋がる時代で、手続きを始めてようやく本日開通。2週間かかってしまった。

とりあえず、ブログ更新出来なかった10月30日以降の報告を簡単にします。

10月30日は予定通りイルリサットを出発。カナックへは週一便のフライトしかない。その日のPM12時半頃カナックに到着。カナックは北西部地域最大の町で、以前は800~900人ほどまで人口が増えていたが、現在は500~600人くらいに減っているそうだ。30、31日はカナックで友人のマッハングア宅に泊めてもらった。その日のうちにヘリコプターで乗り継いでシオラパルク入りすることも出来たのだが、シオラパルクで借りる予定の小さな家の家主さんに会って、挨拶して鍵を受け取ったり、インターネットの申し込みなどしておく必要があった。

そして11月1日(金)のヘリコプター便で目的地のシオラパルクにようやく到着。シオラパルクには天気が良ければ週2便(水、金曜日)のヘリコプター定期便がある。村の現在の人口は40人少しとのこと。以前より半分ほどに減ってしまった。寂しい限りだ。

到着後さっそく活動できるように態勢作りを始めた。生活態勢を始め、デポしてあった古い犬ぞり用のソリの補修作業、そしてさっそくドックチーム作りも始めた。マッハングアから2頭、カーリから3頭、計5頭の犬たちをまず引きとることが出来た。そしてつい最近、ユーソッフィから2頭を引きとり、現在は7頭。まずはこの犬たちでチームのベースを作りたいと思う。海氷はまだ安定していないので大胆に犬ぞりで乗り入れることは出来ないが、沿岸に近いところで11月8日からさっそくレッスンを開始している。ようやくこのあと活動していくための下準備が整った。長年同じことを繰り返していても、シーズンの始まりがやっぱり大変で、なにかと時間がかかってしまう。最低限の態勢は出来上がったという感じで、このあとプラスアルファでやって行こう。

また生活の様子、犬たちや活動の様子を伝えて行きたいと思います。

写真上:11月6日のシオラパルク村。10月25日前後からすでに太陽は一日中姿を見せない極夜だ。

写真下:11月8日、雪の中を犬ぞりトレーニングを開始する。

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シオラパルク村の哲秀から近況報告がありましたのでお知らせします。山崎有佐

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11月1日に予定通りシオラパルク村に到着した。家を借り、長期滞在する体制を整えつつある。既に手に入れた5頭の犬たちを連れて、今日はソリを走らせてみた。この5頭を中心に更に犬たちを増やしていく。観測調査も開始している。ネットが通じるまでもう少しかかるが、つながり次第、ブログを更新します。

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