犬ぞり案内人 山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

グリーンランド北西部地方に古来から住む、エスキモー民族から伝承を受けた犬ぞりを操り、“アバンナット北極プロジェクト”に取り組む、山崎 哲秀のブログです。 このブログでは、北極遠征中や日本滞在中の活動の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2015年05月

5月14日(木) Tasiilaq(タシーラック) 雪、みぞれ・強風 

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 5月6日にグリーンランド北西部地域のカナックの町を定期便であとにして、日本からの観測チームの皆さんと合流するべく、東海岸側のTasiilaqに向かう。グリーンランド国内線の乗り継ぎの都合で、合流は最短で5月9日の予定だったが悪天候で、Tasiilaqに到着したのは5月11日。6日間かかってようやく研究者の皆さんと合流できた。

明日5月15日から、天気が良ければ内陸部に観測調査に入ります。Tasiilaqの町に戻って来るのが5月末頃。その間しばらくブログ更新やメール確認が出来ません。急ぎの用事がありましたらこのメールに連絡を入れて下さい→ avangnaq@gaia.eonet.ne.jp

観測支援を頑張ってきます。

写真:Tasiilaqの町

5月5日(火) カナック 晴れ 

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 犬ぞりチームを維持していくのに、頭を悩ませるのがワンコ達のエサ。夏は預かってくれる猟師のユーソッフィが、狩猟での獲物の肉を与えてくれることになっているが、冬季の滞在中はこちらで確保しなければならない。狩猟は今の時代、規制が厳しく、外から来た僕のような人に対しては、大量の犬の餌を確保するほど許可(狩猟ライセンス)が下りない。それで僕はドックフードを利用しているが、来冬期用に2.5トンほどのドックフード(極地犬仕様)を、デンマークで発注。海氷が溶ける夏期に運航している貨物船で輸送する段取りを済ませた。

 北極への輸送は、なかなか大変だが、日本でも北極を中心に輸送を手掛ける業社があります。スターナビゲーション(→ http://starnavigation.co.jp/ )という会社で、僕にとっては強力な味方です。北極に物資輸送をするのは特殊なケースが多いと思いますが、物資輸送が必要な際はぜひぜひ問い合わせてみて下さい。グリーンランド、カナダ極北・・などなど、北極のどこでも対応してくれると思います。

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天気も良く、予定通りカナックへ。

僕のワンコたち、今シーズンもありがとう。また来シーズン、一緒に走ろう!

5月2日(土)晴れ 

 今シーズンのシオラパルク滞在を終え、明日カナックの町へ移動する。デポ物資の整理もこの一週間で終えた。明日は僕の犬ぞりチームで、ユーソッフィ夫妻とカナックへ行くことになっていて、そのあとワンコたちは、ユーソッフィがシオラパルク村へと連れ帰ってくれ、夏期中は昨夏同様に預かってもらうことなっている。

 この3月、4月と活動の様子をブログであまり報告できませんでした。応援して頂いている皆様、申しわけありませんでした。例年と変わらず犬ぞりを活用しながら、観測データ収集をメインとした活動を続けていて、個人的には納得しているのですが、数年ですぐに成果が表われるわけではなく、普通に伝える分かりやすい派手さもなく(冒険のように記録が残るような)、なんだか同じような内容ばかりになってしまい、なかなかブログ更新をやりにくかった感じです。発行している「北極通信」等で、また報告させて頂きます。

「犬ぞりによるアバンナット北極圏環境調査2006-2015年」と立ち上げて始めた活動も、早くも10年が経ち、かたち的には一区切りなのですが、北極はやはり広く、当初計画していた内容の半分も消化できていません。まだまだ来シーズン以降も根気よく、継続して取り組んでいきます。10年が経ち、さらに今後の目標を明確な形で言える(発言させてもらえる)ようになってきたのはこの10年の大きな収穫で、かなりのステップアップです。来シーズン以降も北極での活動が楽しみです。どうぞ今後も気長に応援して下さい。インターネット系の通信は本来は苦手ですが、ブログも根気よく継続していきます(笑)。

 このあとグリーンランド東海岸側で、日本からの観測チームの支援をしたあと、帰国は6月上旬の予定です。

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