犬ぞり案内人 山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

グリーンランド北西部地方に古来から住む、エスキモー民族から伝承を受けた犬ぞりを操り、“アバンナット北極プロジェクト”に取り組む、山崎 哲秀のブログです。 このブログでは、北極遠征中や日本滞在中の活動の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2016年02月

2月26日(金)シオラパルク 晴れのち雪のち曇り -17.5℃

201602261

今シーズンも話題を振りまいてくれます「ママットル」。12月に発情期を迎えて、しばらくするとふっくらしてきたので、ご懐妊と思い大喜び。毎日せっせと多めに餌を与え続けた。2ヶ月近くになり、かなりふくよかになり、今か今かと待ち続けても、全くお産の気配なし。なんと誤懐妊だったのだ。こんなに身体は大きくなったのに・・。

写真上:今日は調整で6頭のワンコたちを走らせる。

写真下:「ママットル」。これでは走れません。ただ今、減量中。

20160226

2月24日(水)シオラパルク 雪のち曇り -7.0℃

20160224

 太陽が戻って、この季節がこちらの厳冬期だけど、やたらと気温が暖かい日が続いている。まさかこのまま春になるんじゃないだろうな・・。

今日のワンコは「リッカ」。11月に発情期を迎えて、今回はオス犬から離して隔離した。ところがなんと、1月下旬にも発情期と思われる春が来た。大型犬は半年ほどのペースで発情期が来る、というのが定説だが、北極に住むメス犬には当てはまらないような気がする。よくこんな場面に出くわすのだ。それとも妊娠しなかったら、すぐにまた来てしまうのだろうか?エサを与え過ぎると、間隔なくして、またぶり返してくるのだ。ソリ曳き犬を扱いなれたエスキモーの人たちも、このことは普通のこととして言っている。不思議だね「リッカ」君。

写真:発情期後、また犬ぞりに復帰した「リッカ」は、元気過ぎ。オス犬たちを翻弄してます。

2月22日(月)シオラパルク 曇りのち雪 -7.6℃

201602221

 天気が崩れて夕方には雪となり、気温が急上昇。明日も降雪が続きそうな予報。

今日のワンコは「ショウヤ」。一昨年&昨年シーズンは、前年の冬毛が夏の間に落ち切らずに、毛玉みたいになって身体全体にこびりついて、見た目が汚かったが(笑)、この冬は見兼ねて、日本から犬用のブラッシングブラシを送ってもらい、せっせと解いてやっていたら、綺麗なこげ茶色の毛が登場(笑)。率先してグイグイと手を抜くことなく、今シーズンも橇を引っ張ってくれている。

写真上:犬の遠吠え。

写真下:(上)昨シーズンまでの「ショウヤ」君。(下)綺麗なこげ茶色の毛並になった、この冬の「ショウヤ」君。

201602224

2月20日(土)シオラパルク 晴れ -24.6℃

201602203_2

 午後に顔を出した太陽の陽射しが、顔に当たると熱を感じる。9頭の犬たちと海氷の厚さを測りに、村から西のインナンテッデという付近まで出かけて来た。

今日のワンコは「アッロ」。変わらず悩みもなさそうで、何があっても明るく挫けません。気持ちだけは僕もアッロを見習うことにしよう(笑)

写真上:今日の野外作業にて。

写真下:元気で明るい「アッロ」君。

20160220

2月18日(木)シオラパルク 曇りのち晴れ -22.1℃

201602181

 昨日は久しぶりに雪が夕方まで降り続いた。今日もお昼過ぎ頃まで空を雲が覆っていたが、午後2時頃に南の空が開けて、太陽が顔を出した。4か月振りの太陽!陽光を目一杯浴びた。

今日のワンコは「キャヨット」。1月下旬に右前脚を痛めて、しばらく走行が遅れがちだったけど、ようやく復調。相棒のハロットが夏に亡くなってしまって、ずっと元気がなく、孤立気味で気になっていたが、最近はアッロと仲良くしているみたいだ。犬にも色々と性格があって、アッロみたいにいつも悩みが無いように、無邪気な性格の犬もいるし、そうでない犬もいる。キャヨット君、元気出してくれよ。

写真上:ようやく太陽が出た!

写真下:カメラを向けると不安そうに見つめる「キャヨット」。

20160218

2月16日(火)シオラパルク 晴れ -30.2℃

201602161

 今日こそ4か月ぶりに太陽を拝める、と思いきや、なんと雲が邪魔してお預けに。

今日のワンコ近況は「ヌターバル」。今シーズンも特に悪さもせず、目立ちもせず、といった感じで、坦々と橇を曳いている。特技の早食いは相変わらずで、チームNo.1。

写真上:むむ~ッ、雲のヤツ・・。

写真下:「ヌターバル」。毛の配色が“ガリッ”に似ているのは、1歳上の兄貴だからです。

201602162

2月15日(月)シオラパルク 晴れ -30.7℃

201602151

 今朝は久々のマイナス30℃台まで気温が下がった。

午後2時40分頃、微妙な陽光が南のケケッタ島の上に輝いた。向かって左(西)の方へ、少し陽光が輝いたり島に隠れたりを繰り返したが、シオラパルク村では影にはならず。明日は確実に顔を出しそう。

今日のワンコは「ガリッ」。昨日の“わさび”とは兄弟で、一緒に繋いでいるとタッグを組んで、他の犬たちにケンカを売ることがあるので、別々のグループにして繋いでいる。ソリ曳き犬として2シーズン目になり、わさびと共にいい感じになりました。

写真上:微妙に輝いた陽光。明日は姿をハッキリと見せてくれそう。

写真下:すっかり成長した「ガリッ」。

201602152

2月14日(日)シオラパルク 晴れ -29.1℃

201602144

 太陽が裏山の頂を赤く染めた。明日はいよいよ4か月ぶりの太陽が地上にも届きそうだ。

今日のワンコは「わさび」。僕、いい子なんです。と、いつもあどけない表情を見せる、わさび君だけど、けっこう気は強く、自分より大きな体の犬にも対抗する。この冬は老犬のキャヨットを苛め気味で、よく僕に怒られている(笑)。ソリはよく引っ張ってます。

写真上:(上)マイナス30℃くらいまで冷え込んだ今日は、8頭の犬たちと海氷データ収集。(下)午後遅く、裏山が太陽で赤く染まった。

写真下:憎めないキョトンとした表情をする「わさび」。

201602143

2月12日(金)シオラパルク 晴れ -27.3℃

20160212_2

 数日前から、月がまた空に戻ってきている。

 今日のワンコ近況は「アーベェ」。老犬の年齢に入ってしまったが、8歳のこの冬もまだ体力ともに健在で、チームの犬たちをリーダー犬として先頭で、引っ張ってくれている。たいていの犬は7~8歳を過ぎる頃から、他の犬たちとの走行のペースについて来れなくなり、リタイヤしてしまうが、強い犬は十数歳までソリ曳き犬として現役でいられる犬もいる。できればアーベェにも、10歳を過ぎるまで、少しでも長く頑張ってもらいたいと思っている。こちらでリーダー犬のことを“カギャッタット”と言い、意味は“岬の先端、先っぽ”。

写真上:今日の正午頃の月。朝10時を回って南東の空に顔を出した月が、少しずつ高くなる。

写真下:今日の「アーベェ」。寝ていたところを起こしたので、眠そう・・(笑)

201602122_2

 

2月10日(水)シオラパルク 晴れ -25.4℃

 昨年末にブログでお知らせした「(社)北極観測支援機構」のホームページが完成し、公開されています。内海代表理事が中心となり、制作を進めてくださりました。今後が楽しみです。この機構の強みは、北極域への、船舶等を始めとする大型輸送の手立てがあることです。

ぜひホームページをご覧ください。

(社)北極観測支援機構 ホームページ → http://arcticlogistics.tokyo/

2月9日(火)シオラパルク 晴れのち曇り -25.5℃

20160209

ブログ更新が滞ってしまった。一日があっという間に過ぎている。今日は犬たちの調整のため、フィヨルド奥のMeehan氷河の偵察も兼ねて、犬ぞりを走らせてきた。

こちらシオラパルク村は、あと一週間ほどで太陽が戻る。数百キロメートル南のサビシビック村では、昨日極夜が明けて太陽が戻ってきたとのこと。

この一週間ほどで随分と明るくなり、外での写真も撮りやすくなってきたので、写真を入れながら、ワンコ近況の2順目をしていこう。

今日は最年少の「コテツ」。1歳6ヶ月とチームでは一番若いコテツ君は、現在リーダー犬のレッスン中。若い犬たちの中で、次期リーダー犬を育てたいと思っているが、順番に試していくと、一番それらしい動きをするので、少し前から、先頭を走るリーダー犬のアーベェのすぐ後ろに付けで走らせている。まだ若いので、走行中に緊張感が緩むことがあるが、数年後に上手く育ってくれれば・・。

写真上:今日の走行にて。明るくなり、写真が撮りやすくなってきた。

写真下:今日の「コテツ」君。

201602092

↑このページのトップヘ