犬ぞり案内人 山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

グリーンランド北西部地方に古来から住む、エスキモー民族から伝承を受けた犬ぞりを操り、“アバンナット北極プロジェクト”に取り組む、山崎 哲秀のブログです。 このブログでは、北極遠征中や日本滞在中の活動の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2016年04月

4月27日(水)シオラパルク 雪

201604271

 海氷観測サポートを終え、26日にシオラパルクへの帰途についた。観測中に海氷がどんどん流失して、犬ぞりで帰るのに、かなりの危険が伴うので神経を尖らせていたところ、こちらのエスキモー猟師の友人のピーター・シミガックが、残っている海氷の縁からボートでシオラパルクに送ってやる、と名乗りを上げてくれた。海氷の縁まで犬ぞりで行き、2日がかりでボートで2往復して、何とかシオラパルク村に戻ることができた。この2日間で2時間ほどしか寝ていないが、今夜はゆっくりと眠れそう。1回目のボートでの運搬は浮氷が邪魔をして、シオラパルクに行くまでに、26日の夕方6時頃から翌朝の4時頃までかかってしまった。一息入れて2往復目を終えたのが、今日27日のPM7時半頃だった。エスキモーの人たちの、厳しい自然の中での粘り強さには、やっぱり尊敬してしまう。

 安全な場所に戻れて、僕にとってはようやく今日が、今回の観測サポートの成功の日になる。このあとはひたすら、日本帰国の後片付けだ。

写真上:一回目のボートでの輸送は、犬たちが中心。

写真下:二回目の運搬は、橇や装備。

201604272

4月24日(日)カナック 晴れ

 日本からの海氷観測サポートで、4月上旬からシオラパルク村を離れています。観測は無事に終了。

インターネットを頻繁に出来る環境でないので、メールの返信など滞ってしまっています。申しわけありません。シオラパルク村を離れたあと、急速に暖かくなり、一気に海氷の状態が悪化してしまいました。数日後から、シオラパルクに向けて犬ぞりで戻るのですが、海氷状態が悪く、普通なら5~6時間もあればカナックの町からシオラパルク村へ戻れるのですが、2~3日掛かる可能性があります。危険もあるので、かなりプレッシャーです。シオラパルク村に戻れて今シーズンの僕の北極活動が終ります。シオラパルクに戻ったら、落ち着いて返信が出来ると思いますので、メールを頂いている皆さま、今しばらくお待ちください。

4月3日(日)シオラパルク 晴れ -26.1℃

201604041

 シオラパルク村も4月を迎え、すっかり暖かい季節です。眩しい陽射しが、温めてくれます。昼夜の気温差は大きく、もう一日を通して真っ暗な夜はなくなりました。夜中も薄明るさが残ります。白夜の季節ですね。

ブログ更新が滞ってしまったけど、坦々とした毎日が過ぎています。今シーズンは長期で犬ぞり旅行に出る予定がなく、シオラパルク村中心とした活動になっています。このあと4月7日あたりから、しばらくシオラパルク村を離れての活動になります。テントを張りながら犬ぞりで移動して、海氷のデータを集めたりしながら、4月15日頃にカナックに行き、日本からの海氷観測調査のサポートを4月末頃まですることになっています。そのあとシオラパルク村に戻り、今シーズンの後片付けをしてから、日本帰国の予定です。

写真:今日もワンコたちの写真です。ワンコたちも暖かな季節に、ほのぼのしてます。

201604042

↑このページのトップヘ