山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

北極圏の犬ぞり遠征をライフワークにしている山崎 哲秀のブログです。北極圏を犬ぞりで遠征し環境調査を行うアバンナットプロジェクトに取り組んでいます。このブログでは、遠征前は日本での準備や生活の様子、遠征中は、北極圏の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2017年01月

1月28日(土)シオラパルク 晴れ -27.0℃

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 今日も快晴が続いている。隣り町のカナックでは、沖合の海が開いていて、鯨が確認されているそうだ。この時期にフィヨルド内にいるのも珍しいとのこと。

シオラパルク村では、対岸のカギャ岬で、何日か前にまた2頭の白熊の足跡が確認された。12月にも2頭連れの足跡が村の前で見つかって、多分その2頭が徘徊してるのかもしれない。そのうちまた出てきそう。

写真上:シオラパルク村東側より沖合いを望む。手前に繋留されているワンコたちは、僕の犬ぞりチームのワンコたち。

写真下:動きのあるワンコたちも、撮りやすい明るさになってきた。左から「ショウヤ」、昨年5月生まれの「銀河」、「ガリッ」。

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1月26日(木)シオラパルク 晴れ -25.2℃

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 この冬もこちらは日本人で賑わっている。在住の大島さん、北の方には角ちゃんが遠征に出かけていたり、昨日25日は両角(もろずみ)君がシオラパルクに到着した。今日は両(りょう)ちゃんと犬ぞりで海氷測定に出かけてきた。3月にも日本から訪問者予定ありです。

写真:日に日に南の空の色彩が鮮やかになっていく。

1月22日(日)シオラパルク 晴れのち曇りのち雪 -20.4℃

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 クリスマス~お正月のイベントが終り、極夜3ヶ月が過ぎた頃、このあたりが4ヶ月続く極夜の中で、村の人たちの表情が一番暗く見えるときだ。過疎が進むシオラパルク村の活気無さがそうさせるのか、自然環境のせいなのか・・。

両方かな。僕も早く太陽がみたい(笑)

写真:曇り空のシオラパルク村。今は一番明るい時間帯が、これくらいの明るさ。だいぶ明るくなりました。

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1月14日(土)シオラパルク 晴れ -20.2℃

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 伝統的なエスキモースタイルの犬ぞり文化が残る、最後の聖域グリーンランド北西部地方も、その文化が廃れつつある。カナダ北極で5シーズンほど犬ぞりで活動を続けて、2013年にホームグラウンドであるここへ戻って来た時には、すでにその傾向が始まっていた。犬ぞりが生活に基づかなくなってきたからだ。30年ほど前からここに通うようになり、僕が犬ぞりをやりたいと思ったのは、以前は「エスキモー」と呼ばれる猟師の人たちがたくさんいて、10頭以上の犬たちを引き連れて、あちこちで犬ぞりが駆け回っていた姿に憧れたからだ。とにかく豪快で、迫力があった。現在は規模が小さくなり、10頭以上の犬で、犬ぞりで走る姿が見られなくなりつつある。温暖で海氷の状態が悪いからではない。現金収入という面で、生活に基づかないからだ。僕のように外から来て、お金に関係なく好きで続けているから、それで残っていく伝統文化もあると思う。今後僕が歳を重ねて、もし体力的に10頭以上の犬たちを操れなくなったら、犬ぞりを止める時だと思っているが、60歳までは最低続けていたい。その中で僕のように外から来て、お金に関係なく好きだから、グリーンランド北西部地方スタイルの犬ぞり文化を継承してくれる誰かもいるかもしれない。

写真上:13日は満月。今夜も月が明るく、今シーズン犬ぞりデビューをした「銀河」「レオ&タロ兄弟」のレッスン。他の5頭のワンコたちと走らせてきた。日付が変わってAM3:00頃、村に戻って来た。

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1月9日(月)シオラパルク 晴れ -24.0℃

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 8月生まれの「レオ&タロ」兄弟が犬ぞりデビューを果たした。最初はフリーで、母犬について来させるレッスンから始めることが多いけど、今日は思い立って胴バンドを装着させ、いきなり橇に繋いで走らせてみたところ、なんと立派に走ってくれ、堂々の犬ぞりデビューだった。11月からこれまでの雰囲気を見てきて、なんとなく最初からいけるんじゃないかと感じた。これまで仔犬を育ててみても、早ければ早いほどソリ曳き犬に育てるのが楽な気がする。5月生まれの「銀河」よりも、スムーズなデビューだった。まだ身体が大きくなりきっていないので、少しずつ走らせて、「銀河」と共に、体力をつけていくのと、号令や犬ぞりのパターンを覚えていく感じになる。仔犬をソリ曳き犬に育てるのは、すごく楽しい。

写真:堂々の犬ぞりデビューを果たした「タロ&レオ」兄弟。ベテランのリーダー犬アーベェ、キャヨット、そして母犬のママットルの3頭と一緒に。

1月8日(日)シオラパルク 雪(わずかに)のち曇り -19.3℃

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何だかバタバタと時間に追われてしまっている。

3~8日までの出来事。

まずは、新しいカミック(アザラシの革を使った防寒靴)の外側を2日ほどかけて製作。手縫いなので時間がかかってしまった。

6日はキリスト教の行事だと思うのだけど、「クンギィ・ピガヒョ」(3つの?3人?の何とか・・)で、夜は村の人たちが学校の建物に集まった。去年はクリスマスに集まった記憶があるが、新年に集まったり、今年は6日だった。声を掛けてもらい、僕も参加。

8日の今日は、この冬初めて犬ぞりでシオラパルクのあるフィヨルドよりも外洋側に犬ぞりを出して、海氷のデータをとってきた。この冬一度流失したあとの新氷で厚さが38cmほどあった。

犬たちも順調に走っていて、5月生まれの「銀河」は、犬ぞりがかなり上達。犬たちも走るのを続けることが大切だ。明日あたりから、8月生まれの「レオ&タロ」兄弟も犬ぞりレッスンに入る予定。生後3ヶ月目頃から始めるのがいいのだけど、夏に産まれてタイミングなどもあって、レッスンを始めるのが少し遅れてしまった。

あと事務仕事も何だかんだと一杯。

はて、どうしてこんなに時間に追われてしまっているのであろう・・?

写真上:完成した新しいカミック。

写真下:「クンギィ・ピガヒョ」の集まりと、8日の犬ぞり。

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1月2日(月) シオラパルク 雪のち曇り -13.1℃

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 今朝から雪が降り、いい感じで表面を覆ってくれた。

元旦の話題。

犬ぞり走り初めは、元旦の早朝6時半頃。7頭立てで、ひと走り。

そして、これも元旦の話だけど、朝早くにシオラパルクに白熊が現われた!外で自然冷凍保存されている、セイウチの肉を食いあさっていたところを、ヌカッピアングアが撃ちとった。村は新年早々に縁起がいいと、盛り上がった。現在は、カナック~シオラパルク~以北のエリアで、年間7頭の白熊の狩猟が許可されているとのこと。今年最初の1頭ですね。

写真上:元旦の早朝、7頭の犬たちと走り初め。昨日は海氷上に積雪がなかったので、雪を持参して犬たちに与え、水分補給をしている風景。

写真下:剥がされた白熊の毛皮。オスでかなり大型。

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1月1日(日)シオラパルク

 シオラパルクも、新しい年を迎えた。

目標に向かっていくのに、何よりも難しいのは、継続すること。モチベーションを保ち続けることだ。途中で止めてしまうことが圧倒的に多いから。自分に言い聞かせて、気持ちが途切れないように、今年も今後の目標を掲げ、展望を記しておこう。

 

これまで掲げ続けている目標

①  日本の北極観測における民間支援体制の組織

②  グリーンランド極北域とカナダ極北域に日本の観測施設を設営する(民間企業・団体等からの設営費用、賛助金の獲得を目指す)

③  エスキモー民族(グリーンランド北西部地方)と日本の交流(姉妹都市あるいは友好都市関係)の促進・締結

④  エスキモー文化(犬ぞりなど)の継承

 

2015年以降の取り組みと、今後の展望

①  2015年11月「一般社団法人 北極観測支援機構」 → (http://arcticlogistics.tokyo/)が立ち上がり、理事として参加。上記“目標”①と②に向けて動き始めた。

今後の展望 → グリーンランド北西部地域・シオラパルク村への観測棟設置と、カナダ極北・メルビル島への観測棟設置に繋げたい。日本の北極観測が、次の世代へ、未来へ繋がるように、民間側からも体制を整備していきたい。

②  2015年9月から「極北のエスキモー民族と自然 ~グリーンランド~ (山崎哲秀によるグリーンランド北西部エスキモー民族の民具と写真の展示)」と題する、展示会を開始。上記“目標”③と④に向けて、10年計画で日本全国を巡回展示するべく活動中。(これまでに岡山、山形、京都で展示を行いました)

今後の展望 → グリーンランド政府から巡回展示会に対する、協賛あるいは推薦を頂くべく申請予定です。廃れつつあるエスキモー民族の文化を、少しでも多くの日本の方たちに知ってもらうこと、そして将来的に、グリーンランド北西部地方と日本のどこかの地域との、姉妹都市あるいは友好都市関係の締結に繋げたい。

③  2006年から始めた「犬ぞりによるアバンナット北極圏環境調査」活動は、これからも継続していく。

今後の展望 → 北極でのフィールド活動という観点で、後継者の育成も視野に入れる。

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