山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

北極圏の犬ぞり遠征をライフワークにしている山崎 哲秀のブログです。北極圏を犬ぞりで遠征し環境調査を行うアバンナットプロジェクトに取り組んでいます。このブログでは、遠征前は日本での準備や生活の様子、遠征中は、北極圏の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2017年04月

426(水)シオラパルク 晴れ -17.9

 今年73歳のユーソッフィ爺さんが、4月中旬に白熊を射止めた。昔ながらの方法で毛皮を処理する様子を、この数日の間に見せてくれた。

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1.剥いだ毛皮に残っている皮下脂肪を、「ウロッ」というエスキモー民族の扇型ナイフ(女性用のナイフ)で削ぎ落とす。

2.毛皮に雪をまぶして、付着している脂を足で擦って落とす。

3.「インナッフィッ」という木枠に、毛皮を細紐で引っ張り伸ばして貼り付ける。

4.数日、乾かす。

 

と、初期作業。乾いた毛皮はさらに手間の掛かる作業が待っている。

カリブーやアザラシなどなど、他の動物の毛皮も同じ手順で処理されていく。

 

※注:エスキモー猟師の人たちは、動物を乱獲していません。年間に決められた時季、頭数の範囲で狩猟生活をしています。

425(火)シオラパルク 晴れ -18.4

 気持ちいいくらい、いい天気が続く。昨シーズンは4月中旬に早々に海氷が流失したが、今シーズンのシオラパルク周辺の海氷は、近年では珍しく沖合まで状態がいい。夕方には、村の子供たちが海氷上で元気に遊ぶ姿が見られた。

一方の僕は、まだ犬ぞりで走れるいい海氷を目の前に、未練タラタラで後片付けをしている。まあ、仕方がない。全てを求めてはいけない(笑)

ワンコたちの胴バンドも全部外して、夏期中は村の友人・知人に預かってもらうべく準備を終えた。村に所持している小型の貨物コンテナに、こちらに置いておくパッキングした荷物も殆ど入れ終えた。

5月中旬から6月中旬にかけての観測調査サポートは、滞在ビザ再延長許可の連絡が、デンマークの移民局からまだ何の連絡もない(催促はしているのだけど)。居座ったら不法滞在になってしまうので、帰国のつもりで後片付けをしている。この28日にシオラパルクから隣り町のカナックへ、定期ヘリコプター便で移動し、53日に週一便の定期小型飛行機便で、帰国の途につくことになっている。土壇場で滞在延長許可が下りれば、6月中旬頃まで観測調査サポートで、引き続き滞在する可能性もある。どっちつかずで、この後の行程が立たず・・(笑)

 

写真:海氷上で遊ぶ村の子供たち。

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4月20(木)シオラパルク 曇りのち雪 -11.4℃
 曇り空から、午後には視程の無い降雪となった。午前中に、11月から設置していた気象計の撤去に行ってきた。2月の強烈なブリザードで、風速計の回転部が吹っ飛んでしまった。積もった雪が強風で吹き飛ばされて無くなった時に、風下側周辺を何度か探してみたが見つからず。消耗して、こういうケースがあるとのことなので仕方がない。新たに調達することにしよう。来シーズンからは、1年を通じて気象計を設置し続けようと考えている。

 時間の合間に後片付けを少しずつ進めている。荷物が何だかんだとたくさんあり、パッキングとパッキグリスト作りに毎年手間がかかる。滞在再延長ビザが許可されるか分からないので、4月28日の定期ヘリコプター便でシオラパルク~カナックへ移動し、5月初旬に出国しないといけない。

写真:黄色矢印の部分に付いていた、風速計の回転カップが吹き飛んでしまった。
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4月19(水)シオラパルク 曇りのち晴れ -11.4℃
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 世界大珍味の一つ、と言われる、こちらのエスキモー民族の昔ながらの発酵食「キビヤック」ですね。アッパリアスという水鳥から作られます。僕も大好物。臭いが強烈で、2~3日手からとれません・・(笑)

写真上:アッパリアスを発酵させた「キビヤック」
写真下:豪快に食べる。
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4月14(金)シオラパルク 晴れ -15.7℃
 フィヨルドの奥に設定しているポイントまで、海氷測定に出かけてきた。僕の作業を待っている間、ワンコたちは四股を伸ばし、豪快に寝る。それくらいの太陽の暑さ。気持ちよさそうだな・・(笑)
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4月12(水)シオラパルク 晴れ -22.4℃ 
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 今朝はこの春初めて海氷上に霧が立ち込めた。もう一日を通して真っ暗にはならず、白夜の季節が到来だ。太陽が顔を出している時と、北側に隠れている時との気温差が激しく、夕方はマイナス13℃前後。海氷はまだ発達していて、数日前にはシオラパルク村周辺は、110cm前後の厚さになっていた。今しばらく測定を続ける。 
 今日は全くのフリータイムで、全13頭のワンコたちと一緒に犬ぞりで出かけて来た。何にも考えないでただ走り抜けてきた。1ヶ月、2ヶ月とテントを張りながら長期の犬ぞり移動遠征をやりたいが、体制を持つのが難しく(やればやるだけ予算が嵩んでしまうので)、毎シーズン出来る範囲での活動となってしまうけど、どんな形でもワンコたちと犬ぞりで走っている時は、幸せな時間だ。
今シーズンも間もなく終わる。来週からは後片付けに取り掛からないといけない。

写真:インナンミウ岬にて。
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4月5(水)シオラパルク 晴れ -26.0℃
 お知らせです。
(公財)日本極地研究振興会が発行する機関誌「極地」(通巻104号)で、原稿を書かせて頂いてます。30年近く通い続けてきた、グリーンランド北西部地方に住む人々の生活環境や自然環境の変遷、また僕が北極のことで感じていることなどを8ページほど書かせて頂きました。

Webからも購入出来ます。興味のある方はぜひ読んでみて下さい。
『極地』2017年3月号(通巻104号)、(公財)日本極地研究振興会、2017年3月1日発行 → http://kyokuchi.or.jp/?page_id=3031#kyokuchi

4月2(日)シオラパルク 晴れ -23.7℃
 2年ほど前から「極北のエスキモー民族と自然 ~グリーンランド北西部エスキモー民族の民具と写真の展示~」と題して、彼らが昔から使ってきた民具を中心とした、巡回展示活動を10年計画で行っている。グリーンランド北西部地方のエスキモー民族のことや自然のことなど、少しでも多くの日本の人たちに知ってもらいたい、ということと、昨日のブログでも触れた、グリーンランド北西部地方との姉妹都市を目指した布石と位置づける活動だ。実現にどれくらい時間がかかるのか、やってみないと分からない。一つの挑戦(チャレンジ)でもある。

この夏の帰国中の展示予定(会場)は、まだ未定状態だけど、何だかの形で展示会を開きたい。さらに民具も増えてグレードアップします。
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4月1(土)シオラパルク 曇り -22.3℃
 在住の大阪・高槻市の、ある小学校から、知人を通じて3年生の生徒の皆さんが描いてくれた絵を、シオラパルク村の小学校に持ってきた。シオラパルクには小学校しかなく、中学校進学は隣り町カナックへ。高校以上になると南の街への進学となる。シオラパルク村小学校の生徒は、その時々で出入りがあり、今は10人以下(中には不登校もあるみたい)。先生は現在、デンマークから来られている。今日は学校の建物の中に、日本から持ってきた絵を飾ってくれ、村の人たちが集まってお披露目会を開いてくれた。
将来的に、このグリーンランド北西部地方と日本の何処かの地域とを、姉妹都市で結びたい。そんな一つの目標・夢を持っている。シオラパルク村の生徒の皆も、お返しの絵を描いてくれた。高槻の小学校へ持ち帰りたい。とりあえず第一歩だ。

写真:今日のお披露目会の様子。
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