シオラパルク村に入って、7日目にしてようやく今シーズンの犬ぞりをスタートすることが出来た。朝7時頃から軽く犬ぞりを走らせて来た。
まずは少数の4頭から。まだ海氷上には雪が無く、ツルツルの状態。4頭だけでも凄くスピードが出る。このツルツルの氷は、走らせ過ぎるとワンコたちは足裏の肉球を擦り減らせてケガをするので注意しないといけない。また雪が海氷上に無い時、長時間走る場合は、水分補給となる雪を橇に積み込んで、休憩のときに与えたりする。
雪と氷が溶ける夏の間は、餌を食べて寝るだけの生活をしているエスキモー犬たちは、少しずつ走らせてそのシーズンの筋力、体力を戻していくのがパターンだ。こちらのエスキモー猟師たちは、狩猟の罠を近場に仕掛けて、それを見回りに行くことで犬たちのいいトレーニングにもなり、犬ぞりが生活に基づいている。広域を走りやすくなる太陽が戻る2月頃には、犬たちもすっかり身体が出来上がるというわけだ。
近年は狩猟の規制が厳しく、地元の人たちも狩猟ライセンスをもらえないケースが多く、当然僕には狩猟ライセンスが下りない。だから、計画的に犬たちを走らせてコンディションを作ってやらないといけない。来年4月には、日本からの研究者と、グリーンランド内陸部へ観測調査に行く計画が待っている。
いい感じで今シーズンもスタートすることが出来た。このあとは海氷上で定点を定め、海氷の厚さなどを定期的に測定していく作業も加えていく。ワンコたちの様子も、またブログ上で報告していきます!
写真上:今シーズン初滑り。4頭のワンコたちと。
写真下:今日は「ワサビ」「ガリッ」「コテツ」「ギンガ」の4頭で出かけた。