犬ぞり案内人 山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

グリーンランド北西部地方に古来から住む、エスキモー民族から伝承を受けた犬ぞりを操り、“アバンナット北極プロジェクト”に取り組む、山崎 哲秀のブログです。 このブログでは、北極遠征中や日本滞在中の活動の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2017年12月

2017年12月27日(水) シオラパルク 晴れ -25.7℃
20171227(ブログ用)

 気持ちいいくらい快晴。冬至が過ぎて日に日に南の空が明るくなり始めた。今日のシオラパルク村付近から、天空の写真です(上が北)。

20171226日(火) シオラパルク 晴れ -24.8

 シオラパルク村でもクリスマスが過ぎた。定期ヘリコプター便がキャンセル続きで、クリスマス休暇前に、郵便小包を全部運びきれなかったそうだ。村の人たちに届くはずのクリスマスプレゼントも、隣りのカナックの町で止まってるみたいで、その影響か?この冬の村の集まりは、年が明けて13日だそうだ。

20171226(ブログ用)-1

今年から、極夜中の月が出ていない時と、空に雲が掛かっている時は、飛行したらダメだとか、デンマークから規制が入ったとか。3分の1の確率もないような気が・・(笑)これまで事故なく運航されていたんだけど?
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それでもクリスマスは、僕もあちこちの家から声を掛けてもらい、ご馳走になり楽しませてもらった。村はどちらかというと休暇モードで、年が明けるまでこんな感じなのかな。今日は朝から犬たちを走らせてきた。

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写真上:積み重なるように眠る仔犬たち。

写真中:家の中に入ろうかどうかと迷う仔犬たち。

写真下:すっかりヨチヨチと歩くようになった仔犬たち。

2017年12月21日(木) シオラパルク 晴れ一時曇り -20.9℃
 11月20日にシオラパルク入りして以来、週に2便あるヘリコプター定期便がキャンセル続きで、この1ヶ月の内に1回だか2回くらいしか飛んで来ていなかった。昨日12月20日にようやく久しぶりに定期便が村にやって来た。クリスマス休暇に村に戻って来る人たちが、ずっとフライトを待ち続けていて、珍しく2便もフライトがあった。ひと時、村の人口が増える期間だ。
20171221(ブログ用)-1

 そろそろかと思い仔犬たちに、ドックフードをお湯でふやかして与えてみた。ガツガツとまではいかないが、舐めるように食べ始めた。
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写真上:リッカ親子。
写真下:離乳食を食べ始めた仔犬たち。

20171218日(月) シオラパルク 晴れ、曇り -21.0

 

 何かとあって、ブログ更新がまたしばらく開いてしまった。暖かかった気温も、昨日あたりからマイナス20℃を下回って、冷え込み始めた。指のあかぎれがひどく、寒さにズキズキ沁みる。

20171218(ブログ用)-1
 

明るい話題を。ワンコブログになってしまってますが・・。

何日か前に、仔犬たちの目も開き、ヨチヨチと歩き始めている。生後20日ほどであっという間に身体も3倍くらい?になった。人間も大人になるまでの成長がこれくらい早かったらどうだろう?(笑)

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写真上:目が開いた仔犬たち。

写真下:母乳を飲む仔犬たち。


 2017年12月10日(日) シオラパルク 曇りのち雪 -7.8℃

 この数日は、±0.0℃前後の気温が続いた。少し体を動かすと汗が噴き出て来る。
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毎シーズン日課はだいたい決まっていて、それら作業をしながら、坦々と毎日が過ぎていく。5月上旬に帰国するまでの、この冬の滞在期間中の予定はすでに決まっていて、特に4月には日本からの研究者の方と共に、グリーンランド内陸部へ3週間ほど、犬ぞりで観測調査をすることになっているので、それに合わせて準備を進めていくことになる。
極夜中は犬たちの体調を整え、チームを仕上げていくこと。太陽が戻り十分に明るくなる2月下旬以降は、登坂する氷河のルート工作(目印旗を立てる)と荷揚げなど、研究者チームと合流するまでに済ませなければならない。

また、帰国後の日本国内での取り組み、活動のことも今からちゃんと準備を進めていかないといけない。そんな感じで、頭の中はグルグルと色んなことが回っている。

今は仔犬がいてくれるのが、いい気分転換。
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写真上:海氷の厚さを測定する風景。
写真下:どんどん大きくなる仔犬と(今日は2匹だけ)。まだ目は開かない。

 2017年12月7日(木) シオラパルク 晴れ -15.4℃
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写真上:12月7日早朝の月明かりの下で。今日は海氷データ収集作業なしのフリー走行。
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写真中:メス犬「リッカ」の子育て中の様子。家の前室に犬小屋を置いてあげた。
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写真下:生後11日目。日に日に大きくなっていく。そろそろ目を開く頃か?

 2017年12月3日(日) シオラパルク 曇り時々雪 -3.0℃
 気付いたらもう師走。ブログの更新も一週間しないままになっていた。簡単にこの一週間の報告。
 20日にシオラパルク村に到着して、ワンコたちと再会すると、メス犬の「リッカ」がお腹を大きくしている状態だった。他の作業と並行して、お産の準備をしていた。こちらの家は室内の保温を高めるために2重ドアになっていて、前室がある。そこに入る大きさの犬小屋を作ってやったり、下に敷いてやる枯れ草を取りにいったりして態勢が整うと、28日夕方からお産が始まり、翌29日朝までかかって無事終えた。全部で5匹の仔犬が今のところ順調に育っている(全部で9匹産んだが、4匹は残念ながら生きれず)。オスが1匹とメスが4匹。気候が厳しい季節なので、育たないこともよくある。何とか育ってくれますように!
20171203(ブログ用)-1

 夏に鈍ってしまったワンコたちの、体力回復トレーニングも調子よく、今日から6頭の犬たちをグループにして走り始 めた。この冬は今のところ海氷が順調に発達していて、数日前に村の前の海氷を測定したところ、すでに45cmほどの厚さになっていた。早々に犬ぞりで、隣り町のカナックまで出かけた住民もいる。この早い時期に行けるのは、ほんとに随分と久しぶりのことだ。このまま強いブリザードなければ、定着してくれるかもしれない。そうそう、数日前に気温がプラス4℃くらいまで跳ね上がり、雨がわずかに降った。
20171203(ブログ用)-2

 村はこの冬の人口は40人ほど。小学校の先生が新たに家族でカナックからやってきたり、南の町から戻って来た家族がいたりとか、昨シーズンより少し増えている。もっとも5~10人くらいの変動は、しょっちゅうあるのだけど‥。子供たちは相変わらず、入れ替わりで悪さをしに(笑)遊びにやって来る。
20171203(ブログ用)-3

写真上:仔犬を産んだ、メス犬の「リッカ」。
写真中:今日から6頭に増やしてトレーニング。満月が雲に隠れているとはいえ、周囲はいくらか明るい。後ろの灯りはシオラパルク村。※写真を少し明るく編集しています。
写真下:家に遊びに来る子供たち。

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