犬ぞり案内人 山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

グリーンランド北西部地方に古来から住む、エスキモー民族から伝承を受けた犬ぞりを操り、“アバンナット北極プロジェクト”に取り組む、山崎 哲秀のブログです。 このブログでは、北極遠征中や日本滞在中の活動の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2019年02月

2019年2月18日(月) シオラパルク 地吹雪(上空は晴れ) -15.3℃
 昨夜から強烈な地吹雪。今日も止むことなく吹き荒んでいる。
  2月に入りマッハングアが、生後5ヶ月を過ぎた仔犬の兄弟犬を譲ってくれることになった。名前は兄弟とも「ナノッ」(ホッキョクグマの意味)と名付いていたが、紛らわしいので、毛が白いほうはそのまま「ナノッ」として、毛が黒いほうは「クマ」と呼び分けることに。
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引きとってしばらくは、家の横に繋留して懐いたあと、チームの繋留場所へ移動させ、犬ぞりレッスンを開始した。レッスンを始めるのが、早ければ早いほど、癖なく覚えていく。生後まもなく9ヶ月の「クンミッ」共に、まだ身体が出来上がっていないので、来シーズンの戦力だ。仔犬がそり曳き犬に育っていく姿を見るのは楽しい。

写真上:「ナノッ」&「クマ」兄弟。
写真下:犬ぞりレッスン中の「ナノッ」&「クマ」。
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2019217日(日) シオラパルク 晴れ(低い地吹雪を伴う) -24.9

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 昨日16日、南のケケッタハー島の向こうに、半分ほど太陽が顔を出した。ようやく太陽が戻って来た。そして今日17日の午後には、極夜明けのお祝いがあり、角ちゃんと参加。太陽が戻るとやっぱり皆の表情が明るい。

 

写真上:南の空に太陽が戻った。

写真下:村の人たちが集まり、極夜明けのお祝い。ゲームをしたりして楽しんだ。

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2019年2月10日(日) シオラパルク 晴れ -21.7℃
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 スミス海峡から南へ抜ける強風が何日も続き、その影響で昨日、沖合の海氷が割れた。シオラパルクから、南~西にかけての沖合の開水部で、蒸気雲がどんよりと立ち込めている。こちらではこの蒸気雲を「カニッチョッ」と呼んでいる。

写真上:沖合に立ち込める「カニッチョッ」
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2019年2月6日(水) シオラパルク 晴れ -28.7℃
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 生後40日を過ぎ、一回目の混合ワクチン予防接種を受けさせてやれた。昨シーズンは、3ヶ月を過ぎないと受けれない、などと訳の分からない規定に縛られ、ワクチンがあったにも関わらず、受けさせてもらえなかったが、今年はワクチン代金を支払うことで解決できた。自治政府の体制が変わりやすいので、色んなレギュレーションが、コロコロ変わる。
ここには家族も相棒もいないので、ワンコたちのことも、活動のことも、生活のことも全部自分一人でやらないといけないのは、時間的にもすごく負担。好きでやってるから、不満は言えないとはいえ、こちらの人たちは少なくとも、家族や身内で生活のことはカバーし合っているから羨ましい。何かお願いするにしてもgive and takeが発生して(金銭的な)、何かとややこしいのだ。
昨シーズンの仔犬たちは悲惨だったけど、今シーズンも何とか仔犬たちに生きて欲しいから、テント泊に出かけることなく、海氷の状態がいい12月からこれまで、村に釘づけでいる。隣り町のカナックでは、犬の伝染病が蔓延しているらしく、うかつに仔犬を連れて行けないなあ。

写真:大型犬のエスキモー犬は、こんな感じで抱いてやれるのは今だけ(笑)。何とか生きてくれよ。
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2019年2月3日(日) シオラパルク 晴れ -28.1℃
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 この3日ほど、快晴が続いている。気温もいい感じで冷え込んでいて、今日の海氷上では、手持ちの温度計でマイナス30.5℃。
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写真:カギャ岬にて、海氷測定。

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