犬ぞり案内人 山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

グリーンランド北西部地方に古来から住む、エスキモー民族から伝承を受けた犬ぞりを操り、“アバンナット北極プロジェクト”に取り組む、山崎 哲秀のブログです。 このブログでは、北極遠征中や日本滞在中の活動の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2019年12月

2019年12月27(金) シオラパルク 晴れ マイナス21.9℃
 12月24~26日は、こちらはクリスマス祭日だった。どちらかと言うと、家族と過ごしている村の人たちを見ていると、この雰囲気は苦手で・・(苦笑)、犬ぞりで紛らわせることに。
 24日から始めるはずの犬橇が、悪天だったので一日スライドさせて、25日から始めることができた。海氷のデータ収集を同時に開始。今日から冷え込みが強まり出して、マイナス20℃以下の気温となった。
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 夏期中の7月初旬に、メス犬のリッカが、昨年の12月に続いて、またまた仔犬を3匹産んでくれていて、預かってくれていたピーター・Tが、しっかりと世話をしてくれていた。こんなペースで産んでも大丈夫か?と心配しつつ、メス犬1匹とオス犬2匹だ。
これまで産まれた仔犬には、知人にお願いして名付け親になってもうことが多かったが、昨シーズンのコテツや、産まれて数ヶ月の仔犬が伝染病でやられてしまったりなど、とにかく悲しませてしまったので、命名をお願いするのは封印することに。今回産まれた3匹は、まだワクチンが届かず、予防接種をしていないので、早くできるように祈っている。
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写真上:7月に産まれたメス犬「コナツ」。
写真下:コナツの兄弟の「ハッサク」(手前)と「ミカン」。

20191222(日) シオラパルク 雪のち曇り マイナス17.1

 冬至を迎え、ミッドウィンターということになる。極夜も折り返し。2426日、こちらはクリスマス祭日となる。明日は連休前の買い出しなど雑用をして、24日からいよいよ犬ぞりを始める予定。色々と準備している。

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写真:ミッドウィンター、正午の南の空。


2019年12月21(土) シオラパルク 雪時々曇り マイナス15.4℃
 12月12日のブリザードで流失した海氷は、再凍結を始めたあと、この数日間でようやく上を歩けるようになった。今日から、海氷上での測定を始めた。まずは歩いていける近場の一地点へ。厚さは約23cmだった。
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 ワンコたちの近況を追々ブログで紹介していくが、前シーズンの帰国時には生後3ヶ月を過ぎたミラン♀&ガイ♂兄妹は、すっかり大きくなった。嬉しかったのは、こちらでは夏期中には、誰にも懐かなかったそうだが、再会すると2頭とも飛びついてきてくれたこと。生後3ヶ月で、もうちゃんとそういう意識があったんだなあ・・。
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写真上:生後3ヶ月を過ぎた頃のミラン&ガイ。
写真下:すっかり大きくなったミラン(左)&ガイ。

2019年12月19日(木) シオラパルク 晴れ マイナス15.4℃
 グリーンランド最北のシオラパルク村(北緯77度47分)に、16日にようやく到着した。11月から天気が悪い日が多かったそうで、なんと12月に入ってからは、週2便ある定期ヘリコプター便が来たのは、16日の時点で2回目だったそうだ。カナックに5日間足止めを喰らったが、日本から8日目に辿り着いてラッキーだと思うことにしよう。
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ワンコたちと再会して、滞在の態勢を整え、順番に作業を進め、今日は朝6時頃、自動気象計の設置場所へ。計器類を一度回収し、村の借家に持ち帰りメンテナンス。午後1時頃再設置に出かけて、3時頃に家に戻ってきた。 村の前の海氷は、12日のブリザードで一度流失したが、昨日あたりから、再凍結した氷の上を歩き始めることが出来るようになっている。
インターネット回線も、今日繋がった。
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写真上:シオラパルク村の灯り。
写真下:海を背景に、自動気象計(写真は明るめに編集しています)。今年から、北見工業大学の観測チームの雨量計が隣りに設置された。シオラパルク村周辺での観測が広がり始めている。

 2019年12月14日(土) カナック 晴れ、曇り
 まだワンコたちの待つシオラパルク村へは行けず、隣り町のカナックで釘づけでいる。ヘリコプター定期便は、カナックよりも南にあるPituffk(ピトゥッフィ)=Thule Air Baseからやって来るのだが、12日はシオラパルクも含めて、全体でブリザード。13日はピトゥッフィが雪で悪天で、フライトはキャンセル。次の振替え便が16日(月)となった。
海氷は定着せず、犬ぞりもしくはスノーモービルを雇って移動することはできないし、船は浮氷や、寒さで海の表面が凍り付くのも早いので、スタックする可能性があるから使える季節ではない。待つしかないなあ・・。
町の漁師も、いつもならとっくに海氷の上から魚釣り(オヒョウ釣り)をして収入を得る時期なのに、暮れを前に嘆いている。
 事務仕事がメチャクチャ溜まってるので、少しでも片付けることにしよう。

写真:今日のカナックから見た海。12日のブリザードで氷が動いて、海が開いた様子が分かる。
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 2019年12月11日(水) イルリサット 晴れ、 カナック 晴れ
 昨日10日はコペンハーゲンからグリーンランド西岸中部のイルリサットへ移動し一泊。今日11日はイルリサットから、北西部地域のカナックの町へと定期便で移動。今夜はカナック泊だ。
 極夜真っ只中の暮れに、外からの訪問者や観光客は僕くらいしかおらず(笑)、クリスマス休暇で帰省か、クリスマス前に一仕事する地元の人たちしか飛行機には乗っておらず。機中のアナウンスでは、今日のカナックはマイナス20℃前後とのこと。地元の友人の話だと、何日か前からようやく冷え込みが強くなってきたらしい。海氷はまだ、犬ぞりで走れるほどは結氷していない。この2シーズンほどは10月末にはいい感じで凍りついていたが、久々に凍りつきが遅い冬となっている。

 例年だと、極屋の中でも暗くなりきる前の10月末~11月中旬頃までにはこの地方へ戻って来るのだけど、今回は1ヶ月ほど遅い到着となった。犬ぞりチームを持っていなければ、日本でお正月を過ごしてから・・となるのだけどなあ・・(笑)。冷え込みが始まる頃から、ワンコたちの世話は自分でしてあげるのがいいので、どうしても冬が始まるのに合わせて、こっちに来る形になる。
 カナックからワンコたちが待つシオラパルク村への定期ヘリコプター便が、今日の乗継ぎだと時間が合わず、13日(金)に予約していた。ところがシオラパルクがブリザードらしく、フライトがキャンセルとなり、明日が振替フライトになったそうだ。明日12日にフライトを変更してもらった。上手くシオラパルクに行けますように・・。

2019129日(月) 大阪 晴れ、 コペンハーゲン 曇り

 予定通り日本出国。今回は関空発のフィンランドエアー機で、ヘルシンキで乗り換えてコペンハーゲン着。今日はコペンハーゲンで泊まりだ。寝不足の日が続いて、機中はぐっすり寝続けるかと思いきや、何故だか目が冴えて眠れず・・(笑)。

 毎回のことですが、お世話になっている皆さま、友人、知人の全員には会うことができず、挨拶もままならず申しわけございません。無理なくマイペースで今シーズンも取り組んできます。

20191209(ブログ用)

 今朝の東京は、チラチラと雪がちらついた模様。

 
 モンベル「冒険塾」2019東京→https://about.montbell.jp/social/adventure/ 

にて、講演をさせて頂きました。凄い講師の皆さまの中に恐縮でした。「極北に賭ける」というタイトルで、話をさせて頂きました。話を聞いて下さった皆さま、モンベル関係者の皆さま、本日はありがとうございました。

先ほど、大阪の自宅に帰着。これで今回の日本帰国中の予定は全て終了。あさって9日は、いよいよワンコたちの待つグリーンランドへ出国です。

 1130日に続いて、今日は京都にて壮行会を開いて頂きました。「京都・山ちゃんを囲む会」と称して、僕が20歳代の頃から応援をして頂いています。司会は恐れ多くも、京都FM845 https://www.fm-845.com/dj/index.html のパーソナリティー、葛山さんが務めてくださいました。

師走に入り慌ただしい中にも関わらず、足を運んで下さった皆さま、いつも段取りをして下さっている皆さま、ありがとうございます。

大阪~京都と、こういった形でいつも送り出して頂いて、幸せです。

20191203(ブログ用)

 129日の日本出国が迫ってきた。2019-2020年シーズンの北極での活動が始まる。ベースとなるグリーンランド最北のシオラパルクは、村の前の海氷がまだ結氷していないとのこと。

 
 1130日の今日は、地元の高槻で「いってらっしゃい会」を開いて頂いた。「チームやまさき」という名称で、ずっと応援をしてくださっている。

足を運んで下さった皆さま、応援団の皆さま、いつもありがとうございます!

20191130(ブログ用)

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