山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー

グリーンランド北西部地方に古来から住む、エスキモー民族から伝承を受けた犬ぞりを操り、“アバンナット北極プロジェクト”に取り組む、山崎 哲秀のブログです。 このブログでは、北極遠征中や日本滞在中の活動の様子を紹介します。 アバンナットプロジェクトの詳細は、山崎哲秀のホームページhttp://www.eonet.ne.jp/~avangnaq/ をご覧下さい。山崎哲秀の連絡先は、同ホームページに記載しています。

2022年04月

2022428日(木) シオラパルク 曇りのち雪 マイナス6.0

 気温が急上昇だ。暑さが戻って来ると同時に、いつもシーズンが終わる。明日、天気が良ければ定期便のヘリコプターで、隣り町のカナックへ移動する。

ワンコ達、今シーズンもありがとう!11月に戻るまで、夏期の間ゆっくり休んでくださいよ。

マッシャングア、今年はワンコの数が多いけれど、夏の間よろしくお願いします!

さて、帰国後がまた忙しくなる。

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単純な想いが、僕のモチベーションです。

 

極北の 地を駆く想いに 祖国あり

                 テツ

 

写真上:係留したワンコたち。

写真下:シーズンを終え、積み重ねたソリ。

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2022424日(日) シオラパルク 晴れのち曇り マイナス21.8

 避けて通ってきたが、世界最北の先住民族の村、シオラパルクの現在地を伝えておかなければいけないと思う。

 海外ではコロナ対策が緩和され、一息ついた感があり、3月頃から海外からの訪問者が急増している。その中でも取材関係が目に付くのだが、世界のメディアでは、最北のシオラパルクの現在を、どう伝えているのだろう?

犬ぞりに乗って、狩猟の生活風景を撮りたいとか、そういう取材希望が多いのを耳にする。エスキモー民族は、ひと昔のまんま犬ぞりを駆り、狩猟を主に営む民族として紹介されているのだろうか?そうだとしたら大きな誤解でもあり、大げさにいうとヤラセにもなってくる。

グリーンランド北西部地方は、エスキモー民族が純粋な狩猟生活をする、最後まで残された聖域だった。でもそれもひと昔まで。もう今は、狩猟は副業という感があるのが現代のグリーンランド北西部地方であり、シオラパルク村でもある。時代と共に生活に現金が必要となり(何でも手に入る時代になり)、狩猟だけではとっくに生活が成り立たなくなった。

もうスノーモービルへと移動手段が移り変わりつつもある時代だ。漁業は安定した高収入を見込めるので、「漁師」へと転換する人たちも多い。それにも当然ながらスノーモービルのほうが冬場の仕事の効率がいいので、犬ぞりを手放す人も多くなっている。でも生活を考えるなら、そこに住む人々にとっては、それは当たり前のことなのだ。

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犬ぞりは、シーズンを通して走り続けていなければ、ワンコたちは力強く走ってくれないし、スノーモービルと犬ぞりの両立は難しい。唯一犬ぞり観光では需要があるが、一日のチャーター料がどんどん高騰し、なんでも今は一日2000クローネ(約4万円)らしい。相当な富裕層でないと、とても支払うには高価すぎて、犬ぞり観光に来れる人は限られてくる。それでなくても、航空運賃も驚くほど高価なのだ。ある意味今は、グリーンランドのほうが、はるかに日本よりも生活水準が高い気がする。僕がグリーンランドを最初に訪れた、35年ほど前とはすべてが違うのだ。

日本からも取材の方たちがグリーンランド北西部地方にはよく訪れるが、そのあたりはぜひ正確に伝えていって欲しい。あるいはそれは、僕の役割りなのか・・。

 

写真:今日、ワンコたちの胴バンドを外した。今シーズンもありがとう!

2022422日(金) シオラパルク 曇りのち雪 マイナス24.1

わんこネタが、どうしても多くなってしまいます(笑)

 雪飛沫を上げて走る母犬コナツを追いかける、ミータ2.5ヶ月。いや~、健気だ・・。次の冬に会う時は、もう抱きかかえることが出来ないくらい、大きくなってるんだよなあ・・。

あと1ヶ月滞在する時間があれば、初歩の犬ぞりレッスンを、もう少しできるんだけど。

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2022421日(木) シオラパルク 晴れ マイナス20.2
 たまには暮らしのネタも。

噂の新型ヘリコプターが、シオラパルク村にもようやくやって来た。定期便に3月頃から導入される予定だったが、故障やらなんだかんだ不具合で、今日やっと最北の村にも飛来したようだ。

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 今朝7時頃犬ぞりを出して、今シーズン最後の海氷測定作業に出かけて来た。この冬流失しなかった、シオラパルク村があるフィヨルド内の海氷は、1メートルほどの厚さまで成長した。一冬にしては、以前よりは発達していないと思う。全部で11地点の定点があるが、ポイントによっては、すでに薄くなり始めている。まだ続けたい気持ちは山々だけど、どこかで区切りをつけないことには、時間が永遠ではない(笑)滞在許可を受けてる、今シーズンの6ヶ月が終わろうとしている。

このあとは5日間ほどかけて、後片付けを少しずつやっていく。5月上旬に帰国予定だが、何だか急に里心が出てしまった(笑)

 

写真:シオラパルク村に初飛行の、新型ヘリコプター。尻尾のところに面白いプロペラが付いてるね。

2022417日(日) シオラパルク 晴れ マイナス28.2

 3月はやけに暖かかったので、そのままこちらの春を迎えるのかと思いきや、4月は冷え込んでいる。今日も犬ぞりで海氷測定に出かけたら、朝10時頃の気温が、手持ちの温度計でマイナス31.4℃だった。まだ真冬の防寒装備が手放せない。これって、先のトンガ火山噴火の影響で、一時的に冷え込んでいるとかではないですよねえ??

なんだか毎年気候がバラバラで、一定感がないなあ・・。

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2022415日(金) シオラパルク 曇りのち雪 マイナス21.7

 こちらはキリスト教の、復活祭連休の真っ只中。

今月末にはシオラパルクを離れるので、その前に半年に一度の、気象計のメンテナンスをする。

朝のうちに計器類を持ち帰りデータを回収し、屋内でメンテナンスしてから再設置に行ってきた。

雨量計は昨夏(初夏と思われる)に雪崩に巻き込まれたようで、ボコボコになっていて計器も動かなくなっていたので、北見工大の渡邊さんが新たに郵送してくれた計器を設置。

いつも海氷上には、ワンコたちに連れていってもらってるので(笑)、今日は近場なので歩いて行ってきた。

 

写真:メンテナンスを終え設置した気象計。

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2022411日(月) シオラパルク 晴れ マイナス21.6

 久しぶりのブログ更新になってしまった。4月中旬になり、白夜の季節となった。ここらでまた冷え込んでいて、マイナス20℃くらいの気温が続いている。気温以上に、天気のいい日の陽射しが暑い。

今シーズンのこちらでの活動も大詰めになってきた。

3月下旬頃にシオラパルク村に訪れた、犬ぞり観光ツアー団が去ったあと、村ではコロナ感染が広がり、ようやく下火になってきた感じだ。僕自身は、いまだに気がピリピリしてしまっている。風邪と割り切ったらいいものか・・?

そんな中、変わらず犬ぞりで出かけ、海氷データの収集作業等は途切れることなく続けている。

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 昨年8月に生まれた、キナリ&ミダリ兄弟を改めて紹介する、と言ったままになっていた。

まだ混合ワクチンの予防接種は打てないままなのだけど、2月末から本格的な犬ぞりレッスンを始め、今では堂々とチームの仲間入りを果たしている。来シーズンには身体も出来上がって、いい橇曳き犬になると思う。

兄弟喧嘩ばかりしてたけど、最近はキナリより、ミダリのほうがやや身体が大きくなり、立場が上になったみたいで落ち着いてきた(笑)。

キナリは負けん気が強く優しそう。ミダリは気が強くなっていきそう。ちなみに、キナリのほうが犬ぞりの上達が早かった。

 

写真上:生後8か月になるキナリ(左)&ミダリ兄弟。

写真下:ふかふかの雪の上で寝そべる、犬ぞりでのキナリ&ミダリ兄弟。

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