2022424日(日) シオラパルク 晴れのち曇り マイナス21.8

 避けて通ってきたが、世界最北の先住民族の村、シオラパルクの現在地を伝えておかなければいけないと思う。

 海外ではコロナ対策が緩和され、一息ついた感があり、3月頃から海外からの訪問者が急増している。その中でも取材関係が目に付くのだが、世界のメディアでは、最北のシオラパルクの現在を、どう伝えているのだろう?

犬ぞりに乗って、狩猟の生活風景を撮りたいとか、そういう取材希望が多いのを耳にする。エスキモー民族は、ひと昔のまんま犬ぞりを駆り、狩猟を主に営む民族として紹介されているのだろうか?そうだとしたら大きな誤解でもあり、大げさにいうとヤラセにもなってくる。

グリーンランド北西部地方は、エスキモー民族が純粋な狩猟生活をする、最後まで残された聖域だった。でもそれもひと昔まで。もう今は、狩猟は副業という感があるのが現代のグリーンランド北西部地方であり、シオラパルク村でもある。時代と共に生活に現金が必要となり(何でも手に入る時代になり)、狩猟だけではとっくに生活が成り立たなくなった。

もうスノーモービルへと移動手段が移り変わりつつもある時代だ。漁業は安定した高収入を見込めるので、「漁師」へと転換する人たちも多い。それにも当然ながらスノーモービルのほうが冬場の仕事の効率がいいので、犬ぞりを手放す人も多くなっている。でも生活を考えるなら、そこに住む人々にとっては、それは当たり前のことなのだ。

20220424(ブログ用)

犬ぞりは、シーズンを通して走り続けていなければ、ワンコたちは力強く走ってくれないし、スノーモービルと犬ぞりの両立は難しい。唯一犬ぞり観光では需要があるが、一日のチャーター料がどんどん高騰し、なんでも今は一日2000クローネ(約4万円)らしい。相当な富裕層でないと、とても支払うには高価すぎて、犬ぞり観光に来れる人は限られてくる。それでなくても、航空運賃も驚くほど高価なのだ。ある意味今は、グリーンランドのほうが、はるかに日本よりも生活水準が高い気がする。僕がグリーンランドを最初に訪れた、35年ほど前とはすべてが違うのだ。

日本からも取材の方たちがグリーンランド北西部地方にはよく訪れるが、そのあたりはぜひ正確に伝えていって欲しい。あるいはそれは、僕の役割りなのか・・。

 

写真:今日、ワンコたちの胴バンドを外した。今シーズンもありがとう!