Cihocawu 12月8日頃から、フィヨルド奥に流されないで残っている海氷の偵察にしばしば歩いて出かけてきた。シオラパルク前はまだ不安定な海氷だ。今季はこんなものかもしれない。方向転換も必要だ。
沿岸沿いに凸凹に凍りついた定着氷を伝って行くのだが、なんとか犬橇を安全に通そうと、海に切り立った場所には50〜60mのフィックスロープを張ったりなど繰り返してきた。
数日前に一度、5頭の犬たちを連れてその場所を通過する練習をしてみたのだが、今日は月で周りも明るいから本気で、午前中から午後にかけて、フィヨルド奥の安定した海氷に行くことにトライしてみた。全頭を連れて行っては馬力がありすぎてかえって危ないから、今日も5頭の犬たちを連れて行く。うまくいった。空荷の橇とはいえ、3m以上もある木ゾリを犬たちの誘導をしながら通過させるには、かなりハードワークで、何度も通りたくもないのだけれど、このあと村の前の海氷が流され続けても、犬橇トレーニングをする場所は確保できそうだ。大汗を掻いて通行訓練に奮闘している中、ここ数日でなんとか走れるようになった新氷の上を、村の猟師たちが「ピューッ」と犬橇で追い越して行った。このまま新氷も安定してくれれば問題ないのだが。
やっぱり海氷上での犬橇は気持ちいい。犬たちも「アイ、アイ(止まれ、止まれ)」という号令もそっちのけで、タッタッ、タッタッと走るのを止めなかった。さあ、極夜ももう折り返しだ!

クリスマスが近づき、キリスト教が浸透しているグリーンランドでは、村の人たちもウキウキとしているのがわかる。

※写真は、海氷上で絡まった曳き綱をほぐす。