GPSは現在地と目的地の緯度経度を入力しておけば目的地までの方向や距離を教えてくれる賢い存在だが、残念なことに、電池を必要とする電化製品である。今シーズンは、パソコンのバッテリーすら充電できるという触れ込みのソーラーパネルを新たに用意した。しかし、十分な日照がないと充電できず、また、この寒冷地でどれほどの効果があるものか検証できていない。そのため、長期間の旅行においてはGPSの電池すら惜しく、GPSはキャンプ地の緯度経度を知るために使用しているのみで、ナビには使っていない。

では、どのように進路を決めるのか? このあたりは幸い、島々の位置や海岸線の起伏など、目印になる地形が多い。視界が良ければ地図と地形を見渡しながら進むことができる。また視界が悪く、全面真っ白なホワイトアウトの中でも、太陽の方角や風の向き、主風向により海氷面に刻まれている風紋(北西から南東の向き)を読むことによって進むことができるのだ。帰路、レゾリュートに近づいたら、リーダー犬のキナリが道を教えてくれるかもしれない。