201139日(水) 地吹雪 -30.0

あさって11日から地元エスキモーのサイレスに、スノーモービルで海氷偵察に連れて行ってもらうことになっている。レゾリュートに一旦帰着後、もう一度、地元のエスキモーの人たちから、海峡を渡る情報を集めたりしているのだが、見通しは正直明るくなく、このあとの活動において、どういう方向性がいいか確認の意味合いもある。

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面白い衛星画像があって、かなり解像度が高く、この前自分で犬ぞりで走行した場所の海氷状況と照らし合わせてみると、平で全然犬ぞり走行に支障がない海氷や、乱氷がありながらも犬ぞりでそれなりに走れる海氷、また走行が極めて困難な乱氷帯、などとピタリと当てはまる。添付の画像は最近のレゾリュート周辺の海氷衛星写真で、今シーズンバロー海峡の海氷は凍ってはいるけど、定着していなくて、バラバラに割れながら海流に流されて動き続けている状態。おそらくバロー海峡のずっと東側になる、グリーンランドとカナダの間のバフィン湾で、近年はやはり海氷が定着せずに動き続けているみたいだから、それに合わせてバロー海峡の海氷も定着しないのだと思う。本来ならこのバロー海峡の海氷が定着して、こちらレゾリュートのエスキモーの人たちが南側の島に渡る通常ルートとなる。犬ぞりでも2日もあれば越えられる。でも動いているので通行には望ましくなく、地元のエスキモーも乗り入れていない。僕も一度グリーンランドで犬ぞりを流された苦い経験があるので、一か八かで乗り入れる気はしない。となると、南西側のメルビル海峡を渡りたいところだが、どうもこの画像を見る限りでは、ぎっしりとかなり激しい乱氷が詰まっている状態のようだ。犬ぞりで見てきた限りではやはり乱氷帯だったのだが、もう少し広い範囲をスノーモービルで短時間で偵察して来ようというのが目的。地元の人たちも、この冬は海峡を渡って南側に狩りにはいけないあ・・、などと言っているくらいだから、なんとも頭が痛いところ。まともに犬ぞりで通行しようと思ったら、短期間での通行は無理で、1ヶ月経っても越えられないこともあり得る。また物資補給を受けるにも回数をかなり増やしたり、予算なども含めてその他もろもろと、体制を作るのが難しくなる。とにかく自分の目で確かめて次の方向性を考えたい。

添付資料: http://www.noetix.ca/floeedge/ より。