201205291 影響を受けた方たち(その4)「憧れの人」。Roy M.Koerner(ロイ・カーナー)先生。

 冒険心から足を踏み入れた北極だったが、次第に北極での日本の観測調査隊に参加させてもらうようになり、自分の方向性が見え始めた。20歳代後半の頃から日本の観測調査に参加させてもらうようになったのだが、当時は体力が有り余り過ぎて?いたせいか(笑)、動きすぎて一緒に活動した研究者の方たちからは日本では、なかなか認めてもらえない状態だった。今でこそ周りと上手くバランスを考えながら動くけれど、まだそんな若い時代が続いた34歳の時、カナダMt.Loganでの観測調査に参加させて頂く機会があった。これはカナダ国立極地研究所の「ロイ・カーナー」先生が率いる氷河調査隊で、観測調査への参加は自分には合わないんじゃないか・・と感じていた時に、それを払拭してくれたのがロイ・カーナー先生だった。「フリッツ」という愛称で呼ばれ、周りの人たちからも親しまれていた。その観測は標高4000mほどの地点での氷河調査だったのだが、なんとか調査隊の役に立ちたいと、荷物を積んだソリを4000m地点へ引っ張り上げたりと、とにかく動き回った。日本の観測調査に参加させてもらっていた時は、そんな動きが空回りして受け入れられなかったわけだが、「フリッツ」は違った。とにかく称賛してくれた。「フリッツ」は自分がまだ若い1969年に、ウォーリー・ハーバード率いる北極海犬ぞり横断隊に研究者として参加した実績の持ち主で、観測と探検の両方の視点から北極遠征を計画できる研究者だった。そして自らも70歳を越えるまでフィールドの一線で動き回っていた。2001年当時、間もなく70歳になる年齢にも関わらず、3000m地点で毎日ランニングをする姿は圧巻で、とにかくパワフルな方だった。僕に、研究者の方たちとこれからも一緒にやっていける、という自信を与えてくれたのが「フリッツ」で、とにかく影響と刺激を受け、今でも僕の憧れの方だ。

写真上:「フリッツ」とのフィールドワークにて。

写真下:テント内の「フリッツ」。

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